静岡大学東部キャンパスには生命科学の研究・教育に携わる多くの方々がいらっしゃいます。研究は基礎から応用まで、その研究分野は生物学から化学まで、また、研究対象は微生物から哺乳類までと多種多岐に渡っています。そのため、なかなか一つの話題を話し合うことが出来ないのが現状です。しかしながら、生命科学を研究する上で、共通の話題・問題があると思います。そこで、生命科学研究を指向する方々のネットワーク作りを目的として、生命科学懇話会を発足させることにしました(96/05/24 河田雅圭・近江谷克裕)。
第108回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2004年12月21日(火)15:30〜16:30 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟B202室 |
演 者 |
総合研究大学院大学
葉山高等研究センター 教授 池村 淑道 先生 |
演 題 |
『ゲノム配列に潜む生物種の個性を明らかにする 新しいバイオインフォマティクス』 21世紀に入り、ゲノム塩基配列の解読は益々加速する勢いにあり、既にデータベースに収録されている配列についてさえ、個々の研究者を圧倒するほど大量に見える。その大量情報の全体から見えてくる未知の基本的な知識を得ることが重要となる。現時点で300に近いゲノムの配列が解読されているが、配列解読の進行しているゲノムの種類や、蓄積する配列情報の大量さは、従来からの情報学的な手法の不十分さを示し、新しい方法論を必要としている。我々は、ヘルシンキ大学のコホネン博士により、記憶やその想起・連想のメカニズムを計算機上で表現するために開発された自己組織化地図法(Self-Organizing Map: SOM)に着目した。オリゴヌクレオチドの出現頻度をSOM解析することで、ゲノム配列に潜む多様な未知の情報を効率的に抽出可能なことが判明してきている。具体例としては、各生物種のゲノムの大半の領域において、配列上の似た性質がサイン(署名)のごとく色濃く刻み込まれており、生物種ごとの個性として把握することが可能になった。環境微生物類の研究例を含めて、研究の現状を紹介する。 1. Abe, T., Kanaya, S., Kinouchi, M., Ichiba, Y., Kozuki, T. and Ikemura, T. , Informatics for unveiling hidden genome signatures. Genome Research, 13, 693-702, 2003. 2. 金谷, 阿部, 木ノ内, 池村:「ゲノム配列に潜む特徴的なサイン (Genome Signature)から見た生物多様性」. ゲノムからみた生物の多様 性と進化 (五條堀 孝編集), シュプリンガーフェアラーク東京. 3. 池村淑道. 配列既知の全ゲノムを対象にしたゲノム個性の解析. 学術 月報, Vol. 55, No. 12, 12-15, 2002. ※注:集中講義:「ゲノム・染色体遺伝学」(2単位)の受講生には授業 の一貫となりますので、必ず参加ください。 |
問合先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
第107回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2004年12月17日(金)15:30〜17:00 |
会 場 | 静岡大学理学部B201室 |
演 者 |
名古屋大学
博物館 教授 西川 輝昭 先生 |
演 題 |
『ナメクジウオ類の進化』
ナメクジウオ類は、無脊椎動物のなかで最も脊椎動物に近縁であると考えられ、古くから注目されてきた動物群です。現生約30とされる既知種は、基本的な体制が互いによく似ています。この形態的斉一性の原因―現生種が共通祖先から分化してまだそれほどの地質学的時間が経っていないためかそれとも形態的変化が緩慢なせいか―をはじめとして、形質進化や種分化に関する種々の問題を解明するため、世界中の現生種を網羅して分子系統樹を構築しようというプロジェクトがすすめられています。その成果の一端を紹介し、ご議論に供したいと思います。 |
問合先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
第106回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2004年11月20日(土)15:30〜17:00 |
会 場 |
静岡大学理学部B202室 (静岡大学への交通と地図) |
演 者 |
日本ガイシ株式会社
NDF事業推進部 島村 光治 先生 |
演 題 |
『驚きの味覚体験〜ミラクルフルーツとギムネマ〜 (植物を通じて味覚のしくみを理解する)』 演者は、酸っぱいものを甘く感じさせるミラクルフルーツ、甘さを感じさせなくするギムネマ等の味覚修飾植物の研究とそれらの応用法研究を実施してきた。身近であるにも関わらず意外と知られていない『味覚』について知っていただくため、参加者(先着50名)にミラクルフルーツとギムネマの試食をしていただき、その効果を確認していただくと同時に、味に関する話題と味覚教育成果に関して紹介する。 <島村光治先生のプロフィール> 味覚および味覚修飾物質を持つ植物を独学で研究(研究歴14年)。専門:味覚教育学,味覚修飾植物学。所属学会:日本味と匂学会,日本植物学会。 |
問合先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
第105回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2004年11月2日(火)16:00〜17:00 |
会 場 | 静岡大学理学部B212室 |
演 者 |
科学振興機構, ERATO, ATP system 横山 謙 先生 |
演 題 |
『V-type ATPase; 新しいナノ回転モーター』
我々の細胞内には、タンパク質の分解や、免疫反応、オートファジーなどの重要な生理反応に関与する内部が酸性化された小胞が沢山存在します。内胞膜に存在するV-ATPase がATP の水解エネルギーを使っ てプロトンを運ぶことにより内部がほどよく酸性化されているわけですが、このV-ATPaseがどのようにして働き、どのように調節されているかを、一分子生化学や構造生物学の手法により得た最新の知見を交えてお話していただきます <招聘者、天野豊己より> 横山先生は、静岡大学理学部生物学教室の出身で、大学院から東工大に進学されました。私の先輩にあたります。気さくな語り口とその風貌から、つい気楽に話しかけてしまいますが、生化学の分野でおそらく最先端にいる方であると思います。生化学の三大重要会議は、ゴードン会議、FASEB、コールドスプリングハーバーですが、横山先生は、昨年はゴードンにゲストスピーカーとして招聘され、来年はFASEBでも招待講演に行くことになっています。今回の講演は、このゴードンでの内容を中心に、特別に未発表データについてもお話いただけることになっています。 |
問合先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
第4回 静岡大学大学院理工学研究科シンポジウム <細胞の命運を握るキータンパク質"TOR"研究の最前線> | |
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日 時 | 2004年11月2日(火)13:00〜17:15 |
会 場 | 静岡大学大学会館研修室(静岡市大谷836) |
プログラム |
13:00〜13:10 解きあかされる多彩な"TOR"の働き - あいさつに代えて - 丑丸敬史(静岡大学・理学部) 13:10〜13:40 酵母TOR経路における必須因子Lst8pの機能 前田達哉(東京大学・分子細胞生物学研究所) 13:40〜14:10 出芽酵母TORによる2つのプロテインキナーゼATG1・YPK2の制御機構 鎌田芳彰(基礎生物学研究所) 14:10〜14:40 出芽酵母TORは新規タンパク質YOBを介して酸化ストレス防御に関与する 丑丸敬史(静岡大学・理学部) 15:00〜15:30 ヒト結節性硬化症原因遺伝子Tsc1/2の分裂酵母モデル系を用いた研究 松本智裕(京都大学大学院生命科学研究科/放射線生物研究センター) 15:30〜16:00 分裂酵母TOR経路の遺伝学的解析 瓜谷真裕(静岡大学・理学部) 16:00〜16:30 分裂酵母におけるTOR経路と有性生殖制御の関わり 山本正幸 (東京大学大学院・理学研究科生物化学専攻) 16:30〜17:00 RapamycinによるmTOR (mammalian target of rapamycin)シグナル抑制機構 大城 紀子(神戸大・バイオシグナル研) 17:00〜17:15 総合討論(TORに関して何が分かっていないのか) 瓜谷真裕(静岡大学・理学部) |
問合先 |
主 催 : 静岡大学大学院理工学研究科 後 援 : 静岡大学生命科学若手フォーラム 世話人: 静岡大学理学部 瓜谷眞裕,丑丸敬史 |
第1回 静岡大学大学院理工学研究科シンポジウム <老化・がん抑制を目指したテロメア研究の新展開> | |
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日 時 | 2004年11月1日(月)15:00〜20:00 |
会 場 | 静岡大学共通教育A棟A301室(静岡市大谷836) |
プログラム |
15:00(25分)テロメアと、老化、がんとの関係について 上野 勝(静岡大学理学部化学科) 15:25(25分)分裂酵母テロメア末端維持機構の解析 木部達也(静岡大学大学院理工学研究科) 15:50(40分)分裂酵母テロメア結合タンパク質の機能 加納純子(京都大学大学院生命科学研究科) 休憩(10分) 16:40(40分)テロメラーゼ阻害剤による制がんを目指して 清宮啓之(財団法人癌研究会癌化学療法センター) 17:20(40分)テロメア複製を制御するタンパク質ネットワーク 松浦 彰(国立長寿医療センター研究所老年病研究部) 18:20(100分)懇親会 |
参加費 | シンポジウム参加無料(懇親会費\2,000) |
申込方法 |
参加希望者は、電話、ファックス又は電子メールで申込下さい(様式自由)。 申込締切、10月27日(水)、定員先着100名、懇親会参加を希望される方は、申込時に懇親会参加希望と付け加えて下さい。 懇親会費\2,000は、当日受付時にお支払いください。 |
問合先 |
申込・問合先:
主 催 : 静岡大学大学院理工学研究科 世話人: 静岡大学理学部化学科 吉永光一,木部達也,上野勝 |
理学部講演会 | |
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日 時 | 2004年10月29日(金)16:00〜18:00 |
会 場 | 静岡大学理学部B202室 |
演 者 |
福井県立大学
生物資源学部 教授 高木 博史 先生 |
演 題 |
『アミノ酸アナログを用いた酵母のストレス耐性機構の解析と応用』
実用酵母は発酵生産環境において様々なストレスを受けているが、多くの細胞内タンパク質は正常な構造が崩れ「異常タンパク質」として蓄積するため、酵母の有用機能 制限されてしまう。我々は、実験室酵母を用いて細胞のストレス耐性の分子機構を解明し、実用酵母への応用をめざしている。これまでに、タンパク質合成の際にプロリンと競合して取込まれるアゼチジン-2-カルボン酸(AZC;プロリンの構造アナロ グ)を用いて、AZCに対して種々の感受性を示す酵母の変異株や菌株を分離し、その耐性機構として、1)細胞内プロリンの蓄積、2)AZCのアセチル化、3)パーミア ーゼの不活性化、などを明らかにしてきた。また最近、ストレスで生じる異常タンパク質の分解にRsp5ユビキチンリガーゼが関与するという新しい機構も提唱している。 これらの分子機構を解明することにより、ストレスに強い実用酵母を育種し、発酵食 品の製造や食品廃棄物の処理への有効活用が期待できる |
問合先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
第1回 静岡大学ライフサイエンスシンポジウム 老化のメカニズムを探る −酵母からヒトまで− | |
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日 時 | 2004年10月06日(水)16:00〜18:00 |
会 場 | 静岡大学共通教育棟A301室 |
演者1 |
静岡大学
理学部
化学科
助手 上野 勝 先生 |
演題1 |
『染色体末端テロメアと老化、がんとの関係について』
DNAと呼ばれる繰返しDNA配列が存在する。テロメアDNAの構造は、細胞の老化やがんと密接に関係している。本発表では酵母を用いたテロメア研究とその老化、がん抑制への応用について紹介する。 |
演者2 |
静岡大学
遺伝子実験施設
助手 道羅英夫 先生 |
演題2 |
『ゾウリムシの老化と若返り』
単細胞生物であるゾウリムシは分裂によって無限に増殖すると考えられていたが、今世紀半ば頃、ゾウリムシにも寿命があることが明らかになった。その後、ゾウリムシの若返り物質も発見され、老化と若返りの研究が大きく展開されていった。今回は自分の研究テーマであるゾウリムシの共生と老化を関連づけて考えてみたい。 |
演者3 |
静岡大学
理学部
生物地球環境科学科生物学教室
助手 天野豊己 先生 |
演題3 |
『植物の老化と死』
植物の老化と死は動物と比べて目的がはっきりしている。例えば老化は、栄養分の回収が目的で、必要がなければ老化しない。植物の老化の特徴は、タンパク質と色素の分解である。本発表ではプロテアーゼを中心に老化の分子機構を概説する。 |
演者4 |
静岡県立大学
薬学部
助手 海野けい子 先生 |
演題4 |
『ヒトの老化をマウスで探る』
老化促進モデルマウス(SAM)は寿命が短く、老化に関連した様々な病態を示す。SAMP10と呼ばれる系統は加齢に伴い脳が萎縮することから、ヒトの脳の老化モデルになると考えられている。脳の老化を抑制し健康に加齢するために必要なことは? |
問合先 |
主催者:
静岡大学生命科学若手フォーラム |
第104回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2004年9月22日(水)16:00〜17:00 |
会 場 | 静岡大学理学部B212室 |
演 者 |
情報通信研究機構
関西先端研究センター
生物情報グループ
主任研究員 山本 歩 先生 |
演 題 |
『減数分裂における染色体のダイナミクスと そのスピンドルチェックポイント機構による制御』 減数分裂期の染色体分配機構は多くが未解明である。この機構の解明を目的とし、分裂酵母における減数分裂期の染色体ダイナミクスを高性能顕微鏡システムを用いて生細胞で解析した。また、このダイナミクス制御におけるスピンドルチェックポイント機構の役割を解析した。今回はこれらの解析結果を紹介し、体細胞分裂とは異なる減数分裂の染色体分配機構について議論したい。 <山本歩先生のプロフィール> アメリカのBaltimoreに留学されていた時に姉妹染色体の分離の制御に必要な「セキュリン」タンパク質を発見した。帰国後は情報通信研究機構・関西先端研究センターの平岡研究室で減数分裂の染色体分配の制御機構の解析を行っている。 |
問合先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
第103回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2004年7月16日(金)13:00〜16:30(途中休憩30分) |
会 場 | 静岡大学農学部B207室 |
演 者 |
東京大学
生物生産工学研究センター
細胞機能工学部門
助教授 葛山 智久 先生 |
演 題 |
『2つのイソプレンユニット生合成経路 ― メバロン酸経路とメチルエリスリトールリン経路 ―』 イソプレノイドの基本単位(イソプレンユニット)であるイソペンテニル2リン酸(IPP)とジメチルアリル2リン酸(DMAPP)の生合成経路には,従来から知られている「メバロン酸経路」と近年明らかになった「メチルエリスリトールリン酸経路」の2種類の経路がある。また,IPPとDMAPPを相互変換するIPPイソメラーゼにも、性質や配列が異なる2つのタイプの酵素が存在することが分かった。我々の研究の進め方と結果について順を追って説明する。また、我々の結果をあわせてイソプレンユニット生合成系を考えると,2種類の生合成経路,および2つのタイプのIPPイソメラーゼが,生物界において多様に分布していることが浮かび上がってくる。この多様性を利用した薬剤開発の可能性についても紹介する。また留学中に研究していた話題:Function and Structure of a New "Aromatic" Prenyltransferaseや留学先の話題なども紹介する。 |
問合先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
第102回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2004年7月9日(金)15:00〜16:30 |
会 場 | 静岡大学農学部B207室 |
演 者 |
静岡大学
工学部
物質工学科
プロセス工学講座 教授 佐古 猛 先生 |
演 題 |
『超臨界流体を利用した環境保全技術と新産業の創出』
環境負荷が少なく、優れた溶媒機能を持つ超臨界流体は、21世紀の産業を支える新しい溶媒として期待されています。とりわけ大きな分解力を持つ超臨界水は、有害物質の無害化や廃棄物のリサイクル等への応用が活発に研究されています。今回の講演では、(1)超臨界水のユニークな性質、そしてその応用として、(2)バイオマスの分解・資源化、(3)ダイオキシン等の有害物質の完全分解、(4)廃プラスチックの化学リサイクルに焦点を当てて、超臨界流体技術の研究開発の現状と将来性についてわかりやすく説明します。 |
問合先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
第101回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2004年7月9日(金)13:00〜14:30 |
会 場 | 静岡大学農学部B207室 |
演 者 |
大正製薬株式会社
医薬研究所リード探索研究室 室長 新井 好史 先生 |
演 題 |
『ハイスループットスクリーニングにかかわる話』
製薬企業で近年重点的に取り組んできたハイスループットスクリーニング(HTS)とは、高速かつ大量に化合物資源をスクリーニングして、医薬品のリード化合物を見いだすことである。その概要と基本的な考え方や課題、関連する話題等について解説する。 |
問合先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
公開講演会 | |
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日 時 | 2004年7月8日(木)13:00〜14:30 |
会 場 | 静岡大学共通教育 A棟301室 |
演 者 |
Washington University Professor C. M. Bender |
演 題 |
『The Greenhouse Effect, The Ozone Hole and The Dangers of Environmental Pollution (温室効果、オゾンホールそして環境汚染の脅威)』 産業革命後の人類活動による大気の化学組成変化がもたらす温室効果に関して、組成変化,温暖化の過程,予測される気温上昇,その結果もたらされる状況をお話しいただきます。さらに,最近のオゾンホールとして知られる,オゾンの減少についても議論いたします。 Bender教授は1970年代より、数理物理学の分野に多大な貢献をなされておられる指導的な研究者のひとりで、現在, 英国物理学会学術誌の編集長もつとめておられます。今回、国際会議のため、静岡大学に立ち寄られることとなりましたので、これを良い機会に一般向けに講演をお願いしました。 ご専門の物理学に限らず、ひろく科学一般に環境をテーマにしたお話を学部生向けに初等的にしていただく予定です。ふるって御参加ください。 |
問合先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
第100回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2004年7月5日(月)16:00〜17:00 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟B212教室 |
演 者 |
大阪大学微生物病研究所 助教授 野崎 正美 先生 |
演 題 |
『ゲノムから見た生殖細胞の特徴』
多細胞生物は個体の形成・維持・活動のための体細胞と、世代を越えて遺伝情報を伝えるための生殖細胞からなる。ヒトは200種類以上の細胞を持つが、それぞれの特徴は発現する遺伝子群のレパートリーによる。また、生殖細胞を体細胞全体と比べた時にも歴然とした違いがあり、それも特有の遺伝子群の発現が担っている。 このセミナーでは、体細胞と比較して、形態的差異が顕著な精子の形成過程と機能発現に関与する遺伝子の特徴を通じて生殖細胞を理解する試みについて紹介する。 皆様へ 野崎先生は本学理学部生物学科及び修士課程の出身です.マウスの精子形成で大変面白い成果を挙げられておられます.進化的な考察も伺えます.何方も解りやすいお話になると思います.ご参加下さい. |
問合先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
第99回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2004年7月2日(金)16:00〜17:30(←★改訂) |
会 場 | 静岡大学農学部B棟201室 |
演 者 |
福井県立大学
生物資源学部 教授 高木 博史 先生 |
演 題 |
『アミノ酸アナログを用いた酵母のストレス耐性機構の解析と応用』
実用酵母は発酵生産環境において様々なストレスを受けているが、多くの細胞内タンパク質は正常な構造が崩れ「異常タンパク質」として蓄積するため、酵母の有用機能が制限されてしまう。我々は、実験室酵母を用いて細胞のストレス耐性の分子機構を解明し、実用酵母への応用をめざしている。これまでに、タンパク質合成の際にプロリンと競合して取込まれるアゼチジン-2-カルボン酸(AZC;プロリンの構造アナログ)を用いて、AZCに対して種々の感受性を示す酵母の変異株や菌株を分離し、その耐性機構として、1)細胞内プロリンの蓄積、2)AZCのアセチル化、3)パーミアーゼの不活性化、などを明らかにしてきた。また最近、ストレスで生じる異常タンパク質の分解にRsp5ユビキチンリガーゼが関与するという新しい機構も提唱している(PNAS, 100, 11505 (2003))。これらの分子機構を解明することにより、ストレスに強い実用酵母を育種し、発酵食品の製造や食品廃棄物の処理などへの活用が期待できる。 |
問合先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
第97回 静岡ライフサイエンスセミナー (第2回 静大理学部版ようこそ先輩) | |
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日 時 | 2004年6月29日(火)17:30〜18:30 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟B212教室 |
演 者 |
東京大学大学院附属三崎臨海実験所 所長・教授 赤坂 甲治 先生 |
演 題 |
『ある静大生の戦略』
遺伝子の研究をしたかった一人の静大生が、それがかなわないとなった時、何を考えたか、何をしたか、その結果、何がわかったか。これから、何をしようとするのかをお話ししたいと考えています。研究環境は満足できないのが普通です。その環境での戦略の一例をお話ししたいと思います。 内容は以下ですが、話の焦点は戦略です。 ・形態形成運動と細胞外マトリクスタンパク質 ・ウニの中胚葉分化と原腸陥入誘導にかかわる遺伝子 ・クロマチンの境界の発見と遺伝子治療への応用 ・ゲノム情報と進化・多様性 |
問合先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
第97回 静岡ライフサイエンスセミナー 「ファルマバレー構想説明会」 | |
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日 時 | 2004年6月28日(月)16:00〜17:30 |
会 場 | 静岡大学共通教育A棟301室 |
演 者 |
静岡県立静岡ガンセンター 総長 山口 健 先生 静岡県 理事 土居 弘幸 先生 |
演 題 |
『ファルマバレー構想の新たな取り組み』 『静岡県立がんセンターの紹介』 説明会の趣旨 静岡大学と静岡県ファルマバレー構想との幅広い連携を目指して、ファルマバレー構想説明会が行われます。各教員が、共同開発、人材交流、技術交流などの連携に向けて何ができるのかを考えるための重要な説明会です。 なお、説明会に引き続き交流会が予定されています。 説明会へのご出席には事前登録は必要ございませんが交流会に参加される先生方は下記世話人 に事前にメールもしくは電話にてお申し込み下さい。 |
問い合わせ先 |
「ファルマバレー構想説明会」世話人: 理学部 加藤憲二、農学部 碓氷泰市 イノベーション共同研究センター静岡分室 渡辺修治 理学部 上野 勝 「ファルマバレー構想説明会」問い合わせ、交流会申し込み先: 「生命科学懇話会」世話人 |
化学科講演会 | |
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日 時 | 2004年4月23日(金)16:00〜17:00 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟B202室 |
演 者 |
静岡大学
理学部
化学科 助手 山中 正道 先生 |
演 題 |
『超分子カプセルに包接されたゲスト分子のふるまい』
山中正道教員は4月1日に静岡大学理学部化学科に着任されました。 山中教員は、2004年3月まで米国スクリプス研究所 Julius Rebeck, Jr. 教授のもとで博士研究員として超分子化学の研究をされていました。 今回、「超分子カプセルに包接されたゲスト分子のふるまい」と題し、水素結合によるカプセル状の分子の形成、ゲスト分子の包接によってもたらされる新しい異性体の発現などについて公演していただきます。 皆様のご出席をお願い申し上げます。 |
問合先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
第96回 静岡ライフサイエンスセミナー | |
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日 時 | 2004年3月24日(水)16:00〜17:00 |
会 場 | 静岡大学理学部B棟B212室 |
演 者 |
国立遺伝学研究所
系統生物研究センター 助教授 酒井 則良 先生 |
演 題 |
『ゼブラフィッシュ雄生殖細胞培養系の確立とその培養系による精子ベクター』
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問合先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
講演会 | |
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日 時 | 2004年3月17日(水)13:30〜15:00 |
会 場 | 静岡大学農学部B棟201教室 |
演 者 |
オーストラリア国立大学 William J. Foley 博士 |
演 題 |
『コアラとユーカリ』 Foley博士は、長年「有袋類、特にコアラがなぜ特定のユーカリの葉のみを食糧としているのか?」というテーマを研究しています。氏は、動物学者ですが植物の成分が動物に与える影響も研究している化学生態学者でもあります。森や動物のきれいなスライドを見せてくれるものと期待しております。理学部や他の学部の学生にとっても有意義な講演であると考えています。多数の聴講を希望します。 |
問合先 |
招聘者:
「生命科学懇話会」世話人 |
講演会 | |
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日 時 | 2004年3月4日(木)13:30〜14:30 |
会 場 | 静岡大学 共通教育A棟A301室 |
演 者 |
京都大学大学院生命科学研究科 教授 柳田 充弘 先生 |
演 題 |
『日本における大学での基礎研究の行方と在り方』 演者プロフィール: 平成11-13年 日本分子生物学会会長 平成12年 英国王立協会外国人会員 選出 平成12年 欧州分子生物学機構(EMBO)外国人会員 選出 平成14年 紫綬褒章 受章 平成15年 日本学士院賞・恩賜賞 「細胞分裂の制御と染色体分配の機構」受賞 ![]() |
問合先 |
招聘者:
招聘者: 「生命科学懇話会」世話人 |