昼下がりにスタンステッド空港に行く。 あいにく地下鉄がストライキをしていたので、 バスでリバプールストリート駅に行き、 そこからスタンステッド急行に乗って空港へ。 電車の中で、ピギーケースのカギを無くしたことに気づく。
空港ではつつがなくチェックイン。 「ドイツに行くのにビザはいらないのか」と尋ねられ、 何も調べていなかったのであせったが、 短期の旅行の場合はいらないようだ。
飛行機は半時間遅れで出発。 墜落することもなくミュンヘンに到着。 税関も簡単にパス。 某氏が空港に迎えにきてくれたので、 目的地である某氏の家まで何も問題なく辿りつくことができた。感謝。
ピギーケースのカギは、ペンチで簡単に切れた。
午前中、一人でレンバッハ・ハウスへ行ってきた。 19世紀以降のミュンヘンを中心とした絵画が展示してある。 20世紀以前のものはぱっとしないが、 カンディンスキー、ヤウレンスキー、フランツ・マルク、 パウル・クレーなどの作品がよい。
ついでにクンスト・バウというところでシルエット展も見る。 ドイツではなぜ肖像をシルエットで描くのが流行したのだろうか。
夜、某氏と某氏の友人たちと食事。まだ体調が悪い。
体調回復せず。喉の腫れは引いたが、 かわりに右の鼻からまさに水のように鼻水がでる。 右目だけ涙が出たりする。 何か悪い「気」でも右半身にたまっていたのか。
某氏宅のクリネックスをもうれつな勢いで消費してしまう。すいません。
しかし観光しないわけにもいかないので、 今日はミュンヘン大学 (正式にはルートヴィヒ・マクシミリアン大学) とその周辺を観光してきた。 大学はイースター休みだったので閑散としていた。 古本を買おうと思ったのだが、 土曜日は2時に閉店してしまうので、 あまり見る時間がなかった。
ついでにマリエン広場のあたりを4時ごろまでうろつく。 土曜日は買物の日らしく、ものすごい人混みだった。 聖母教会の塔に昇りたかったのだが、 今日は閉まっていた。
夜、某氏にカレーを作ってもらう。感謝。
あいかわらず体調悪し。鼻はだいぶましになったが、 今度は後頭部を中心に頭痛がする。いつ治るのか。
しかし観光しないわけにもいかないので、 今日はアルテ・ピナコテークとノイエ・ピナコテークを見てきた。 アルテの方が14世紀から19世紀まで、 ノイエの方が20世紀前半の西洋芸術を展示している。 近く20世紀後半の作品を展示するピナコテーク・デア・モデルネ というのもできるそうだ。
アルテの方はデューラー以外はとくに目ぼしいものはなし。 ルーベンスやレンブラントも多いが、それほどいいのは置いていないようだ。
ノイエの方もとくに目ぼしいものはない。 パウル・クレーぐらいか。 ピカソや印象派もいくらかあるが、たいしたことはない。
夜は、某氏の友人宅で食事をごちそうになった。感謝。
鼻は鼻腔にたまるようになった。声がかすれてあまりしゃべれないが、 風邪は快方にむかいつつある模様。
今日はNeuschwanstein城を見に行くつもりだったが、 電車の都合で延期することにした。 かわりにルートヴィヒ二世の墓があるStarnberger Seeを見に行った。 白鳥とアルプスが見れるきれいなところ。 といっても、琵琶湖にしろネス湖にしろ、 湖がそんなに美しいと思ったことはまだないが。
夜は某氏と一緒にNational Theaterでフィガロの結婚を見た。 運よく前から2番目の中央の席に座れたが、 スーパータイトルを見上げていたら首が痛くなった。 しかも訳がドイツ語なので、話についていくのが大変。 舞台装置の布でできた壁が音を吸収するのか、 あまり声が通らなかったようで残念。
風邪はまだ治らず。昨日と同じような状態。
しかし観光しないわけにもいかないので、 今日は朝から電車(DB)に乗ってフュッセンに行ってきた。 フュッセンからバスに乗り、シュヴァンガウへ。
「うわさどおりに日本人観光客が多かったですね。 マリエン橋などは、 日本人観光客の重みで落ちるんじゃないかと思いましたよ」
「きみも日本人のくせに何を言っておる」
ノイシュヴァンシュタイン城(新白鳥石城)は外から見るとおとぎ話に出てくる 城のようですばらしいが、中は19世紀末の悪趣味な装飾でへきえきする。 他方の、あまり日本人が行かないらしいホーフェンシュヴァンガウ城 (白鳥高地城)は、外見は地味だが内装はおちついた感じで住みよさそうだった。
夜、某氏と一緒にミュンヒェナー・フィルハーモニーの演奏を聴きに行く。 今夜の指揮者はIvan Fischerという人らしい。 運よく前から6番目の中央の席に座れたが、地味な曲が多くて退屈する。 最後の楽曲がよかったが、名前を忘れてしまった。 ストラヴィンスキーだったか。
そのあと、某氏とワインケラーに行き、 ワインを飲まずにアイスクリームを食べる。 ミュンヘンに来てまだビールもソーセージも食べていない。
風邪すこし悪化。鼻はほとんど止まったが、 のどの奥がねとねとしているため、咳がよく出る。 そのせいか、熱もあるようだ。ときどきするどい頭痛もする。
しかし観光しないわけにもいかないので、 朝から某氏と彼の友人とともにダッハウに行ってきた。 ここには巨大な強制収容所があり、 記録されているだけでも3万人以上の人々(思想犯、ユダヤ人、捕虜その他)が 殺されたらしい。
当時の様子の展示を見ながら、「強制収容所の囚人になるとはどういうことか」 を想像してみたが、想像力が貧困なために、 なかなか境遇を察することができなかった。 囚人の日記などを読む必要がありそうだ。
死体焼却炉でむせび泣いている若い男性がいた。
お昼すぎにミュンヘンに戻り、白ソーセージを食べたあと(!)、 昼下がりにレジデンツに行ってみる。 ここは予想以上に豪華でおもしろい。 宝物展にある象牙の細工など、 おそろしく細かく作られているので、 家具調度にあまり関心がなくても楽しめる。 肝心の本館の方は、あまりに巨大なため、 半分ほどまわったところで時間ぎれになってしまった。
夜、イザール川のほとりで某氏と食事。おいしい。
夜中、腹を下す。原因は水の飲みすぎのようだ。
風邪はだいぶましになった。 まだ声がすこし変だが、収束に向かいつつある模様。 それにしても、ロンドンに戻る日になってようやく治るとは。
今日は落ち穂拾い的に市内を観光してきた。 朝から英国庭園に行って散歩。 そのあと11時に市庁舎前に来て仕掛け時計を見る。 ついでに市庁舎の屋上に行き、ミュンヘン周辺を俯瞰。
さらにミュンヘン大学のそばに行き本を一冊だけ購入。
それからまたマリエン広場に戻ってきて食事をしたあと、 二時間ぐらいかけておみやげを購入。 今回大変お世話になった某氏にも置き土産を買う。
時間があまったので、マリエン広場から東に歩き、 イザール川周辺(聖ルカ教会、ガシュタイク、ドイツ博物館)を歩く。 それから某氏宅に戻ってきて、夕食をいただいたあと、空港へ。
今回、某氏にはたいへんお世話になった。 某氏と一週間暮らしていて、 彼の徳の高さに打たれることが何度もあった。 こちらも修業を積んでいつか恩返しをしようと思う :-)
帰りの飛行機も遅れる。 英国のパスポートコントロールは厳しい。 空港を出たらすでに地下鉄が終わっていたので、 タクシーで寮に戻った。
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