2006年2月号 / 2006年4月号 / 最新号

こだまの世界

2006年3月号

ふしぎだと思うこと
これが科学の芽です

よく観察してたしかめ
そして考えること
これが科学の茎です

そうして最後になぞがとける
これが科学の花です

---朝永振一郎

I am just what I am, and nothing more or less.

---Thomas Chandler Haliburton

「金を追うな、仕事を追え。お金は後からついてくる。金を追いかけるから、逃げる」

---岡野雅行、岡野工業代表社員

「実際、いい年になってもまだ哲学をしていて、 それから抜け出ようとしない者を見たりするときは、 ソクラテスよ、そんな男はもう、 ぶん殴ってやらなければいけないとぼくは思うのだ」

---プラトン『ゴルギアス』


主な話題


01/Mar/2006 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

昨日のこと。

夜中

今日のこと。

パリでは結局ルーブルもオルセーも行かず。一番後悔したのは、 ジム・モリソンの墓参りに行かなかったこと。すっかり忘れていた。 次に来たときには必ず行こう。ペール・ラシェーズ墓地にある。


02/Mar/2006 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

今日のこと。


03/Mar/2006 (Friday/vendredi/Freitag)

早朝

早起き。

今日のこと。

メモ。最近、姿勢などに関して気をつけていること。 肩の力を抜く、胸を張る、深呼吸する、など。


04/Mar/2006 (Saturday/samedi/Sonnabend)

早朝

今日も早起き。フランスのこの時期は朝7時すぎに日が出て、 夜7時ぐらいに日が沈むようだ。今日はニースへ。

メモ。カントの普遍化可能性とニーチェの永劫回帰。 普遍化可能性は、「自分の格率が普遍化されるとすると (=みながその格率を採用するとすれば)おまえはそれを欲するか」と問う。 永劫回帰では「おまえはこのことをもう一度、いや無限にくりかえして、 欲するか」と問う。両方ともある種の普遍化を要求している。 サルトルのアンガジュマンも同じことを述べている。

真夜中

今日のこと。


05/Mar/2006 (Sunday/dimanche/Sonntag)

夜明け前

まだ昨夜のブイヤベースが残っている。 最初にアペルティフとして出てきたカキやカニをおいしいおいしいと 言って食べたあと、米国南部の料理のように重いブイヤベースが出てきたので、 食傷気味になりつつ食べたのがよくなかった。

エズでは昼食にニース風サラダというツナサラダを食べたが、 これはそれなりにおいしかった。

と、食べ物の話ばかりになったが、 今回の旅行の感想を少し記しておこう。

ニースは海岸線が美しいが、 これまでに訪れた町や村とくらべるとちょっと町が大きすぎて すぐには好き嫌いの判断をしかねる感じがする。 海岸線に比べると、駅のあたりが荒れている様子なのも気になった。 エズの村に一ヶ月ほど滞在して、ときどきニースに来る、 あるいはアヴィニョンに一ヶ月滞在するというのは魅力的だ。

パリはいろいろ歩いてみて良い町であることがわかったが、 なんだか広場や通りが大きすぎて、

(と、書きかけて時間切れ。次の日に続く)


06/Mar/2006 (Monday/lundi/Montag)

無事に帰国。昨日のこと。

昨日の続き。今回のフランス旅行のハイライトは。

メモ。飛行機の機内で考えていたこと。 これからは総合図書館にもっと足繁く通うこと。 もっと本を読もう。文学も読め。 春からは、某師匠のようにM1に戻ったつもりで研究に励もう。

お昼すぎ

上野からタクシーで帰宅。シャワーを浴びて生き返る。 とりあえず洗濯を始める。メールもひさしぶりにチェック。

気温は最初に思ったほどは暖かくなかった。

昼下がり

昼食は春日でラーメン。 外を歩きながら、『この人を見よ』を読み返してみる。気違い(ニーチェが)。

そういえば、帰宅してシャワーを浴びたあとに体重を計ると、 62.9キロで、 旅行中に1キロちょっと体重が増えたようだ。

昼下がりから夕方にかけて爆睡泥のように寝る。 起きてから研究室に行き、おみやげを少し配給する。 もっとおみやげを買ってくるんだったと反省。いつも反省しているわけだが。

それから水泳道具一式を下宿に忘れてきたので自転車で自宅に戻り、 大学のプールへ。30分ほど泳ぐ。 今日は50メートルを全力で泳ぐ練習をしてみた。 ゆっくりだと何キロでも泳げる自信が付いたので、 今年はスピードを上げるべく練習しよう。

購買部で水などを購入してから帰宅。やっぱり暖かくなってる。

眠い。

あら、アカデミー賞の主演女優賞にはWalk the Lineに出ていた リーズ・ウィザースプーンという女優が取ったそうだ。 そう言われてみれば、たしかに味のある演技だったが…。

夜中

眠いがいろいろ雑用。旅行中の写真もアップしたいのだが、 なかなか時間が。

永遠回帰について

永遠回帰(永劫回帰)について、 岩波『ツァラトゥストラ』の訳者の氷上英廣の解説(下巻)のところが わかりやすくておもしろいので、コメントを交えながら以下に引用しておく。

[永遠回帰という思想の]前提には、ショーペンハウアーの教えた生の直視がある。 人生は無常だ。人生の実相は惨憺たるものである。 人間はみな重い病患になやむ者であり、待たされている死刑囚でしかない。 ほんとうを言えば、われわれは生まれてくるべきではなかった。 生まれてきたのはあやまちであり、われわれは生きながらえて、 このあやまちをなしくずしの苦悩と、最後の死によってつぐなうだけである。 (337頁)

「うんうん、わかりますわかります。 パスカルの言うところの、神なき人間の悲惨。 実際、楽天的なこのわたしでさえ、ときどき生きることが嫌になります。 フレディ・マーキュリーも `I sometimes wish I'd never been born at all.'って歌ってます」

『ツァラトゥストラ』の中にはショーペンハウアーの代弁者のような人物が あらわれる。人生は空しい。無意味である。生きがいなどというのは 思いあがりである。人間の一生などはたちまち虚無に呑まれてしまう 一殺那にすぎないと説く「預言者」である。 (337頁)

「お、恐ろしくなってきました。キーボードで打ちこんでいて震えます」

しかし、人間がこうした空しさから目をそむけて、ひたすら生きることを 願うのは、ショーペンハウアーによれば、世界と人生の根底に、 仏教徒が煩悩と呼ぶようなひとつの執念、ひとつの「意志」(心理学的でなく 形而上学的な)があって、これがさまざまな幻影をえがきだし、 あさはかな人間はこれに踊らされているからである。 この根源意志は決して満たされることのない欲望であるから、 宇宙と人生は、いわば永遠の欲求不満にうずいているわけである。 (337-338頁)

「それでミック・ジャガーが`I can't get no satisfaction.'と歌うわけです」

こうした暗澹とした生の実相のなかで、せめてもの人間らしい幸福はどこにあるか といえば、それはきわめて消極的なものである。生きる苦痛と悩みを忘れるひととき、 いわば拷問の小休止のあいだである。この無苦痛の状態を与えてくれるのは 芸術である。ことに音楽であると、ショーペンハウアーは考えた。 (ワーグナーはこの説に魅了され、ニーチェとワーグナーが友情を結ぶ機縁の ひとつがここに生まれた。)さらにはおのれの欲望を断って、 清浄な禁欲生活をいとなむ宗教的な聖者の境地にも、こうした意味での 安心のよろこびが、ひとすじの光となってさしてくるかもしれない。 (338頁)

「なるほど、パスカルの言う気晴らしのようなものですね。 たしかにiPodで音楽を聞いていると癒されます。人生は拷問で、 音楽や睡眠は小休止というわけですか。聖者になるのは大変だから、 とりあえず音楽を聞いていれば、拷問の苦痛をあまり味わうことなく 人生を終えることができるんですねえ。 あ、そういえば座禅に走る人も多いですね。 それにしても足の震えが止まらなくなってきました。 こ、これが実存ですか。人生には意味がないどころか、 それ自体が拷問なんですね」

ニーチェの場合は、こうした生の実相を承認したうえで、 ショーペンハウアーが示したような意志否定のみちではなく、 むしろそうしたものに負けない強い肯定的な意志へと進んだと見るべきであろう。 深刻な否定の極限に深刻な肯定を求めた。深刻さも忘れるほどの肯定を。 (338頁)

「ここからがニーチェの真骨頂ですね。キーワードはやはり「勇気」、 すなわちこの『人間の悲惨』---人生という拷問---に 立ち向かう勇気だと言えると思います。 この悲惨を乗り越えるには勇気の徳が必要なんですねえ」

つぎの「幻影と謎」と題された章は、永遠回帰のヴィジョンを見さだめようと する者にとっては、きわめて重要な鍵である。(…)

あやしくも暗い幻影が展開される。ツァラトゥストラは「屍色をした たそがれのなかを---陰気に、非情に、唇をかみしめて」 荒涼とした山みちをのぼって行く。その肩の上には、 例の「重力の魔」が、もぐらのごとく、小びとのごとく、 乗っている。このツァラトゥストラの宿敵は、 かれの上昇の意志をいつもはばんできたのだが、このときも 「あなたはあなた自身を高く投げた。しかし投げられた石はすべて---落ちる! あなた自身のところへもどり、あなた自身を石打ちの刑罰にあわすさだめなのだ」 と警告する。ツァラトゥストラは屈しないで、「勇気」をふるいおこし、 「小びとめ! おまえか、それともわたしか!」と叫び、 小びとはツァラトゥストラの肩からとびおりる。 勇気は死をも殺す、というのは、それが死に面して「これが生であったのか、 よし、もう一度」と言う勇気だからである。 この「勇気」の挿入はやはり永遠回帰を受容する決断への伏線と見るべきである。 (339頁)

「人間の悲惨に直面したとき、ショーペンハウアーの諦念と違って、 ニーチェは勇気を持ってそれを引き受けることを説くわけですね。 ここでサルトルのアンガジュマンにつながる主体的な決断が必要になるんですねえ。 『一切が回帰する』という永遠回帰の話はちょっと飛ばして、その先に進みます」

ニーチェの永遠回帰は、たしかにひとつの世界像であるが、 そうした世界像(あるいは存在解釈)に到達し、そうした図式を把握することによって 万事が綜合的に解決されるというふうにはなっていない。 (341頁)

「そうなんです。このニヒリスティックな世界観を受け入れつつ、 ショーペンハウアーのようにばっくれることもできるんです」

永遠回帰の世界像は、同時にそれを受けいれる人間の資格を問い、 人間を篩(ふるい)にかけるものでもある。永遠回帰を受けいれるためには 主体的な決断が必要である。決断といっても、 いわばひと思いに清水の舞台からとびおりるのではなく、 そうした決断をなしうるほど十分な成熟を要求し、 その機の到来を待つという主体的側面があるのである。 この客体的な側面と主体的な側面との、二つのせりあいが大きな緊張を 生みだしている。(341頁)

「最後の一文はわかりにくいですが、 とにかく、世界を解釈するだけではなく、 `And what are you gonna do about that?' という形で、主体の側に生き方の決断を迫られるわけです。 ここで勇気の徳の有無が問われるんです」

「さらにその場合、『おまえはこのことをもう一度、 いや無限にくりかえして、欲するか』という普遍化可能性のような話、 あるいは全人類をアンガジェするというような話が出てきますが、 これについては勉強不足なのでまた今度」

真夜中

写真をアップしようと苦戦中。一週間で400枚近く撮ったようだ。 あと1時間ほどで簡単なものを上げる予定。腹減った。

真夜中

まだ起きてる。もう寝ないとやばい。

写真の一部をアップ。 フランス語の間違いなどがあればご連絡を。 データが少し重いのでご注意を。

夜明け前

う、結局こんなに時間がかかってしまった。もう寝なければ。


07/Mar/2006 (Tuesday/mardi/Dienstag)

昼下がり

朝、3時間ほど寝てから大学へ。ちょっと遅れたが、定時出勤。

午前中は雑用。お昼から某面接。

お昼は少し遅目に某海鮮丼屋で。これから某ミーティング。 火曜日は忙しい。

夜中

昼下がり、某ミーティング。そのあと、某テキスト用のケースの検討。 終わりごろ、後輩の某氏が初登場。夜、何人かと某テキストの基礎編の相談。 時差ぼけのせいか寝不足のせいか、とても眠くなる。

その後、同僚の某氏と某イタめし屋でフランスについて歓談、および人生相談。 ワインをよく飲んですっかり酔っぱらう。 オーストラリア産のハーディーズ・カベルネ・ソーヴィニョンなど。 どうもオーストラリアの赤ワインが好みに合っているようだ。

帰宅。眠いのでさっさと寝よう。

真夜中

本当に眠い。まぶたを開けていられないくらい。 今さっき、キーボードを打ちながら少し寝ていた気がする。

真夜中2

酒が入っていたせいか、あるいは時差ボケのせいか、 泥のように寝て真夜中に目覚める。

真夜中3

まだ起きてる。 ひさしぶりに『恋の病』を見直す。 最初から最後まで美しい映画。 もうちょっとフランス映画をいろいろ見てみることにしよう。


08/Mar/2006 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

なんとか起きる。

夕暮れ

朝は雑用。お昼前に後輩の某氏が来たので、某教授と三者面談。 お昼はその某氏と蕎麦。

昼下がりまでに某校正(二件)を片付け、夕方まで某院生とシンガー講読。 そのあと、メールの返事を出したり、某氏といろいろ相談したり。 今日も一日忙しかった。明日からは勉強しないと。

夜中

夜、後輩の某氏と合流して、後楽園まで歩く。某シビックセンターの展望台に 上ったあと、某和食屋で夕食。「こうやって毎日飲んだくれてるんですね」 と指摘される。Ce n'est pas vrai! 生ビールと焼酎(桜島)2杯。

それからあたりを散歩してから某氏と別れ、帰宅。

そういえば、アヴィニョンで見た幹の白い木は、 スズカケノキ(プラタナス)であることがわかった。 今日のお昼に某氏を大学案内しているときに、医図書の前に一本あったのを見つけ、 プレートに名前があったので。 googleで調べたところ、 なんでもいろいろな大学の医学部にはこの木が植えられていて、 それはすべてヒポクラテスの生地であるコス島にある木が親株になっているため、 ヒポクラテスの木と呼ばれているそうだ。 万世一系という言葉が頭をよぎる。ちょっと違うか。

眠い。

だってわたしはあなたの法」(2002)。 一年に一度出るか出ないかの大型のジョーク。 最近こういうのが書けないのは、やはりinhibitionがあるんだろう。 Free your mind.

臓器移植について」(2003)。 今思えば、 この着想のおかげで功利主義をまじめに考えるようになったのかもしれない。 今後も功利主義的思考を深化させること。

メモ: ニーチェと徳倫理。アンスコムが近代の道徳哲学について言っていたことは、 ニーチェの「神が死んだ」という洞察をそのまま述べたものではないのか。

真夜中

そろそろ寝よう。


09/Mar/2006 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

定時出勤。昨夜は何度か起きたが、よく寝た。

急にオーティス・レディングが聴きたくなる。

お昼すぎ

某ランチョン・セミナーでフランス旅行の話をする。 準備不足でいかん。

昼下がり

お昼は同僚の某氏と13階でパスタ。 疲れて眠くなる。

昼下がり2

椅子に座ったまま30分ほどよく寝る。

夕方

人間関係について少し考える。 というか、この年になるまで人間関係について まともに考えたことがなかった気がする。 Philosopher's solipsism at work.

真夜中

夜、少し新聞の切り抜きをしたあと、 同僚たちとちょっと相談事をしてからプールへ。 速く泳ぐためにクロールのキックとストローク(っていうのかな)を 別々に練習する。キックは疲れる。 あとで水泳の得意な同僚に聞いたところ、キックは膝下ではなく、 太ももからやらないといけないそうだ。

それから、 同僚の某博士と飲み屋で人生相談。生ビールをジョッキで一杯、 日本酒一合。いろいろ話ができる人がいて助かる。

メモ。「なんで?」というのは、数ある疑問文の中でも 最も挑戦的・攻撃的な質問だと思う。 この質問に答えられるように常に準備しておくこと。 しかし、他人に質問するときはなるべくこの疑問文は使わないこと。 あるいは、可能な答を三択ぐらいで用意してやること。 例:「それはなんでなんですかねえ。たとえば、〜ということですか。 あるいは、〜ということですか」など。


10/Mar/2006 (Friday/vendredi/Freitag)

少し寝不足。定時出勤(10分ほど遅刻したが…)。

メモ。 「行間を読む能力」とか「雰囲気を読む能力」というのは大事だ。 ちゃんと身に付けよう。 哲学をやっていると、 ついつい明確に言語化された部分の論理的一貫性だけに 注目が行ってしまいがちなので、気をつけること。 しかし、一方で、「何事にも裏があると考える」 「すべての行為に自己利益という動機を読みこむ」 という悪徳には陥らないようにすること。 極端は避け、中庸を求めること。

お昼

午前中は新聞と雑用。研究しなければ。

著者に謹呈していただく。感謝。

メモ。There are many ways to do things. たとえば、タバコをやめさせるにはどうしたらいいか。 大きく分ければ、外部からの強制と、内発的な禁煙の決意があるが、 その両方にさまざまな様態がありうる。

別のメモ。良い部下のモットーは何か。Obey punctually, censure freely.

(注. これはベンタムのA Fragment on Governmentに出てくる 有名な言葉で、もともとは国家に対する市民のあり方について言われている)

昼下がり

読書。上の本、おもしろい。

そろそろ昼ごはんを食べねば…。

昼下がり2

雨の中、某海鮮丼屋で遅い昼食。ぶっかけ鯛なんとかの大盛り。

今日は前期入学試験の合格発表の日のようで、 赤門前には学生を待ち構えているサークルや部活の連中、 不動産関係の人などがひしめきあっている。 何ももらえなかったので、 もう学生では通用しないということだろうが、 いきなり赤門に抱きついてオイオイ泣き出したら、 なぐさめてくれたりするんだろうか。

真夜中

昼下がり、某院生とシンガーの勉強。良い知らせを一つ知る。

夕方、同僚の某氏と一緒に東京駅に行き、丸ビル35階のタイ料理屋で 某氏の就職祝い。歓談しながら死ぬほど食べる。赤ワインをグラスで3杯。

そのあと、銀座の某英国風パブで今後の研究について密談。 ギネスをハーフパイント。それから帰宅。 今日は大変楽しかった。


11/Mar/2006 (Saturday/samedi/Sonnabend)

昼下がり

お昼すぎに起きる。良く寝たせいか気分も良い。天気も良い。

しかし、帰国してから時間がめちゃくちゃなので、 今日から早寝早起きにすること。

ニーチェが付け加えるべきだったのは「しかも、見よ、 かれらは退屈そうにあくびをして、 コクリコクリと居眠りを始めているものさえいる」というような一文だったろう。

昼下がり、某研究会に出席しようと出発したが、だいぶ遅刻しそうだったのと、 某名誉教授からいただいた新著を読みたかったのとで、断念した。 某発表者の方、すみません。

遅い昼ごはんを蕎麦で済ませたあと、本三の某喫茶店で夕方までかけて上の本を 読んだ。これはこの応用倫理学のシリーズとして出すべき本ではなく、 『現代人生論ノート』とでも銘打って文庫で出すべきもののように思えるが、 モラリストとしての加藤先生、おもしろい。老境に入り、 ところどころ非常に味のある文章を書いている。 今のローリング・ストーンズが全編ブルーズのカバー・アルバムを出した感じ。

いろいろなところに書いた随筆をまとめた本なので、 哲学的・倫理学的つっこみが足りないが(そのこともこの本をこのシリーズで 出すべきでない理由に挙げられる)、 人生についていろいろ考えるには良い本。 とくに第二章の「文理融合」の話は自分の職業上の 課題としてよく考える必要がある。

友情とか、名誉欲とか、 もうちょっと書いてほしいトピックもあるが、 それは今後に期待しよう(この本によると、80才まで、 つまりあと10年ぐらいはまだ現役のつもりのようなので)。

本三の某ドラッグストアで買物をしてから帰宅。これからプール。 今日は休肝日の予定。

素面。しらふ。ア、ア、アルコールをくれっ。っていうことはない。

プールでクロールのプル(手のかき)とキックを別々に練習。 キックの練習は相変わらず息が上がってしんどい。 しかも最後はまたもやこむら返りを起こして死にそうになった。 しかし、この調子で一ヶ月は訓練してみよう。

だそうだ。 下ろすときは膝からで、上げるときはふとももから。覚えておこう。

水泳後、某海鮮丼屋で食事してから研究室へ。いろいろ考えごと。

真夜中

漫画喫茶に行きたい欲求をぐっとこらえ、新聞の切り抜き。 どちらかと言えば、アルコールじゃなくて漫喫中毒だよな。 そのうち満喫中毒も疾病と認定されて、 保険診療になったりして。 そしたら、日本漫画家協会が「漫画好きは病気ではない」 という声明を出したりして。 それに対して、日本PTA全国協議会が、 「漫画を読む人と、漫画を読まない人は別の車両に」と主張したり、 新幹線の切符を買おうとみどりの窓口に行くと、 「読漫席ですか、禁漫席ですか」と聞かれたり、 国際線の機内のトイレには「用を足しながら漫画を読むと、 ブザーが鳴ります」と書いてあったりして。こ、これは大変だ。 どうしよう。あれ、すっかり妄想をたくましくしてしまった。 ひょっとするとこれも満喫中毒の症状か。 やっぱりちょっと逝ってくるか。

あれ、上の話は昔も同じようなことを書いた記憶がある。 デジャヴュだろうか。

真夜中2

なんとか欲求を振り払って帰宅。

ミロシェビッチ元ユーゴ大統領が死去。

真夜中3

ザリガニ:外来種が日本固有種を捕食 北大で実験(毎日)。

「実験は、水槽に両種を計10匹入れて、1カ月間観察した。 両種の比率を3パターンつくり、それぞれ2回実験した。 隠れ場所となる塩化ビニール製のパイプと、十分な人工飼料を与え、 捕食が起きにくい環境をつくった。
その結果、ニホン[ザリガニ]3匹、ウチダ[ザリガニ]7匹を入れた水槽では、 ニホンがすべてウチダに食べられた。 ニホン7匹、ウチダ3匹▽ニホン5匹、ウチダ5匹では、 ニホンの半数が食べられた。ウチダはどのケースでも食べられなかった。」

こういうのを聞いて、何か脅威を覚えるのはなぜだろうか。 あたかも日本人が食べられているかのように聞こえるからだろうか。 ニホンをA、外来種のウチダをBに置き換えたら平気かどうか試してみよう。

「実験は、水槽に両種を計10匹入れて、1カ月間観察した。 両種の比率を3パターンつくり、それぞれ2回実験した。 隠れ場所となる塩化ビニール製のパイプと、十分な人工飼料を与え、 捕食が起きにくい環境をつくった。
その結果、A[ザリガニ]3匹、B[ザリガニ]7匹を入れた水槽では、 AがすべてBに食べられた。 A7匹、B3匹▽A5匹、B5匹では、 Aの半数が食べられた。Bはどのケースでも食べられなかった。」

ちょっとましになったかな。やっぱり「食べられた」という表現にある種の 恐怖を抱くんだろうか(とくに写真が怖い)。 それにしてもどうも残酷な実験だ。忘れて寝よう。

今日のニュース


12/Mar/2006 (Sunday/dimanche/Sonntag)

お昼すぎ

お昼までよく寝る。洗濯、シャワー、昨日のニュースなど。

メモ。体重はフランスに行く前の62キロぐらいに戻った。 昨年の今ごろ(水泳を始める前)は63キロ前後を推移している。

メモ2。良き功利主義者になる訓練の一つとして、 自分の行為が影響を与える利害関係者全体を配慮できるようになること。

真夜中

昼下がり、本三の某喫茶店で遅目の昼食。 そのあと、銀座で某氏と会い、 仕事のストレス解消の旅へ。

歩行者天国の銀座から汐留、日の出桟橋、竹芝のあたりまで歩き、 そこからレインボーブリッジを歩いて(!) お台場へ。この橋を歩いて渡れるとは知らなかった。 お台場にビーチがあることも初めて知る。 屋台船がうじゃうじゃ。

喫茶店で一服してからピザとワインで夕食を取ったあと、 酔っぱらって観覧車。 このパターンはニースでもやったな。 ワインはサルディニアのカンノナウという赤ワイン。 おいしかったのでメモ。

それから新宿まで電車で出る。 高島屋の上の方で一服して酔いをさます。それから某氏と別れて帰宅。 昼はよかったが、夜は寒くて困った。 この季節は風邪を引かないように気をつけないといけない。

真夜中2

小腹が減ったので、久しぶりにご飯を炊いて少し食べる。

今日のニュース


13/Mar/2006 (Monday/lundi/Montag)

なんとか起きる。

メモ。 あなたは自らの悪行がみなに知られることを耐えがたいと思うと同時に、 自らの善行がみなに知られないことも耐えがたいと思う。 だが、もしあなたが本当に見返りを求めないつもりであれば、 神にすら知られないような善行をなせ。

お昼前

定時出勤。午前中は新聞を読んだり雑用をしたりでつぶれる傾向にある。 なんとか有意義に過ごせるように工夫しよう。

昼下がり

ちょっと遅目に昼食に出かけ、某所で魚のつみれカレー。 本三近辺ではここのカレーが一番おいしい。

財布を家に忘れてきていたので、それを取りに帰ってから再び研究室へ。 眠い。

昨日の天気予報通り、今日はとても寒い。

昼下がり2

ちょっとウトウトしかけたところで用事で起こされる。

コツコツ勉強しよう。3つ論文読んでも2つはすぐに忘れる。 ♪一日一本、三日で三本、三本読んだら二本忘れる〜♪ まあ、それでもとにかくコツコツやるしかない。コツコツ。

昼下がり3

コツコツ。

ノージックの経験機械、試用期間があるなら有給を取って試してみたい。 ノージック(故人)は経験機械を「売る」さい、 才能もなければやる気もないセールスマンのように説明している。 だからわれわれはそれを魅力的に感じない。 もしクーリングオフの期間や試用期間があるなら、 試してみたい人は多いだろう。

夕方

ウトウト。コツコツ。

メモ。クリアに考えるよう努めること。元々クリアでない方だから、 あまりにからまった他人の糸を解きほぐそうとして泥沼にはまらないこと。

他人の文章を読むときは、一語一句に誤りが潜んでいる可能性があるから大変だ。 しかも、「部分的には誤りがあるが、全体的な方向性は正しい」 とかいう評価もありえる。 だから、木を見て森を見ず状態にならないように注意しないといけない。

夕方、ちょっと某相談。 そのあと、明日は某の日だというので、 上野御徒町に行って買物をしたり、 ワードでカードを作ってみたり、 2時間ほどかけていろいろ準備。

晩御飯は某海鮮丼。

なんだか疲れたので、もう少し論文を読んだら帰ろう。 まあ、一日にできる仕事は限られている。

夜中

まだ研究室。

Mark Kelman, `Hedonic Psychology and the Ambiguities of "Welfare", Philosophy and Public Affairs, 33(4):391-412. 幸福とか快楽の測定についての、近年の心理学領域での実証的研究の 意義と限界について。 `Back to Bentham'という快楽説回帰の流れがあるそうだ。 たいへん参考になった。

真夜中

めずらしくコンビニで買物してから帰宅。 買ってきたサラダにツナ缶のツナを足して食べる。

真夜中2

7時のニュース、英語でしゃべらナイト。 今日は時間が割とゆっくり使えた。 1時前には寝て、早起きすること。

今日のニュース


14/Mar/2006 (Tuesday/mardi/Dienstag)

定時出勤(少し早目)。朝はご飯とみそ汁。

夜中までだらだら勉強せず、日中にしっかり仕事・研究をして、 早目に帰宅するよう心掛けよう。

昼下がり

午前中は新聞、論文読み。 ランチョン・セミナーでは新聞記事の紹介。

それからまた論文読み。

夕方

昼下がり、コツコツ、ウトウトと論文読み。 それから夕方まで某ミーティング。 今日は早目に終わった。 今読んでいる論文を読み終わったら、早目に泳ぎに行こう。

某翻訳の見本が届く。もうすぐ出版されるようだ。

コツコツと論文を一本読む。Peter Allmarkの`Health, Happiness and Health Promotion' (Journal of Applied Philosophy, 22(1), 2005)という論文。アリストテレス的な健康概念を取れば、 一部の強制的・禁欲的健康増進的介入は正当化できるという話だが、 今ひとつ議論がよくわからなかった(こっちが頭悪いのか、向こうがそうなのか)。 「健康増進的介入は禁欲じゃなくて節制を奨励しているんだ」 ということを言うためにアリストテレスの徳理論を一から説明する 必要があるのだろうか。

また、 「売春婦が優れた売春婦になることは、彼女にとって良いことではない。 それはまさに、そのような生は人間にとって悪しき生だからである。 売春婦であるという役割は、彼女の人間としての機能と衝突するのであり、 それは完全に理性的な動物[としての人間]の生ではない」 (`It is not good for the prostitute to be a good prostitute precisely because such a life is a bad life for a human; the role of being a prostitute conflicts with her human function, it is not the life of a fully rational animal.' p. 6) という断言も強烈だ。倫理について論じるときは、 こういうときどき出てくる直観的判断をそのまま素通りさせないことが重要だ。

夜2

プール。今日もバタバタとキックの練習。初心に戻って、 歩いている人たちがいる一番遅い右端のレーンでバタバタ。 力の抜きかげんがわかってきて、ずいぶん楽になった。 が、まだまだスピードは出ない。 「足で水を後ろに押す」という感覚もまだつかめない。

手だけの練習(200メートルずつ)と、足だけの練習(100メートルずつ)を交互にして、 最後に両方使って泳ぐと、 まるで足がスクリューになったかのように速かったので、少し驚いた。 やはり練習すればまだまだ速くなるようだ。がんばろう。

そういえば、苦手だったサウナにも慣れつつある。 慣れというものは恐ろしい。

某海鮮丼屋で鯛ちらし丼の大盛を食べてから研究室に戻ってくる。 すでに両脚の筋肉痛が始まっているようだ。 ちょっと勉強したら早目に帰宅するようにしよう。

そういえば、 某師匠の日記が無事に10周年を迎えたようだ。 この日記は、ちょうど半年遅れぐらいで始まったので、 何もなければ9月中に10周年を迎える予定。 こうして塵も積もれば山となるわけだ。

真夜中

コツコツと論文を読んでから帰宅。 月末〆切の論文のための勉強なので、明日からは書き出さないとな。

帰ってくると部屋がやたらと寒くて手がかじかむ。室温が15度ない。 風邪を引くとしたら油断をしている今夜あたりだな。気をつけよう。

今日もしらふ。なんだか毎日酔っぱらってると周りから 思われているフシがあるので、しらふの日も記録するようにしよう。

しかし、重要なのは、ほんとの意味でしらふであることだ。 しらふでも酔っぱらいより性質の悪い人も多い。 少なくとも30代の間は、 あっちの世界の住人にならないように気をつけよう。

「すでにあっちの世界に逝っているという話もあるわけだが」

「あっちというより火星でしょ」

「こら、雑談しているそこの二人、うるさいので教室から出ていってください」

確定申告をしようと思っていたが、面倒。来年こそはやろう。

以下メモ。

今日のニュース


15/Mar/2006 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

ちょっと寝坊。二度寝したい誘惑を断ち切って洗濯、シャワー、 朝食(ご飯、みそ汁、ツナサラダ)。

昼下がり

30分ほど遅刻して出勤。午前中は雑用と新聞。 お昼は某海鮮丼屋で買ってきて、同僚の某氏らと事務室で。

さて、勉強しよう。

いろいろ雑用をしながら、コツコツと論文読み。 用事をしながらでも集中して読める能力を身に付ける必要がある。

今日は書けなかった。明日こそ書きだすこと。

真夜中

夜、春日の某海鮮丼屋で食事をしたあと、 ストレス性の発作でマンガ喫茶へ。 3時間籠ってから帰宅。

今日もしらふ。

メモ。 研究中はネットは見ないなど、意識的に集中力を養う必要がありそうだ。 我慢することを覚えること(今さらだが…)。

今日のニュース


16/Mar/2006 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

よく寝て、定時出勤。1時前には就寝するのが体には良さそうだ。 朝食はご飯とみそ汁。

お昼前

午前中は新聞、雑用。午後は集中して論文を書くこと。

お昼すぎ

お昼は某ランチョン・セミナー。 当たる申請書の書き方について。 「当てに行く 学振・科研費申請書の書き方」とかいう本を出すと売れそうだ、とか。 「が苦心がんばれ」がすでにオンライン版で販売しているようだ。

夕方

やや逃避的に、某研究会用の某氏の事前資料を読んで時間を費やす。 勉強になった。が、自分の論文を書かねば。

ときどきウトウトしながらも、コツコツ勉強。 そろそろ書き出せそうだが、とりあえずプールに行ってこよう。

外はけっこう強い雨が降っている。

夜2

プール。キックとプルを別々にやり、合計1時間で2キロほど。 しばらくバタバタとやっていると、 腰を捻ってキックをする感覚をようやく体得した。 脚をしならせてムチのように打つ感じ。 これでいいのかどうかわからないが、 こうするとだいぶ楽になったので、 調子に乗ってやっていると右ヒザが痛くなる。 また、研究室に戻ってくると目の焦点がうまく合わず、 モニタがよく見えない。運動のしすぎで血糖が下がっているのか、 あるいは風邪か。とにかく何か食べよう。

夜3

某所でカレーを食べてから帰宅。 途中、突風が吹き折畳み傘が壊れる。つかん。

食事を取ったが、まだ調子が悪い。 バッテリー切れだけではないようだ。 今日は早目に寝ることにしよう。

夜中

そういえば、最近歩きながらiPod miniで音楽を聴くとき、 音量を最大にしていることが多い。こうすると、 今までちゃんと注意して聞いていなかった ベースやバスドラムが聞こえてきておもしろいからだ。 最近では、ビートルズのWhile my guitar gently weepsのベースや、 ビーチボーイズのGood Vibrationsのベースがすごかった。 しかし、耳が悪くなるのであんまりやらないようにしよう。

今日のニュース


17/Mar/2006 (Friday/vendredi/Freitag)

半日近く寝る。まだ少し頭が痛い。体温は36.7度で微熱。 考えられる原因は。

よくわからんが、もう少し様子を見てみよう。

朝から歯医者に行く予定だったが、 直前に電話が来て「担当の歯科衛生士が体調が優れず休みになったので、 延期にしていほしい」とのこと。まあ仕方ないのでそういうことにして、 少し遅れて定時出勤。

お昼

新聞、某相談。

昼下がり

忘れものをしたので下宿に取りに戻ったあと、 某スタバのテラス席で昼食。 風が強いが晴天で、すっかり春めいてきた。 音楽を聞きながらぼーっと考えごと。

WBC、米国がメキシコに敗れ、日本の準決勝進出が決まったそうだ。 準決勝では三度目の対韓国戦。ここはぜひ勝ちたいところだろう(とくにイチロー)。 なんか、俄然おもしろくなってきたな (と言っても、それほど関心があるわけではないが)。

昼下がり、某院生とシンガーの勉強。 その後しばらく雑用をして、 夕方からようやく某論文を書き始める。

なんだかまともに論文を書くのは久しぶりで(前にいつ書いたか思い出せない)、 やはり一番challengingな作業であることを思い出す。水泳より大変。 もうちょっと軽やかに書けるといいんだけど。気楽にやろう。

真夜中

夜、某昇進祝賀会(兼博士号取得祝賀会)を神楽坂でやる。 神楽坂には初めて行ったが、 坂と石畳の風情のあるところ。すばらしい。 本郷に飽きたら次は神楽坂に住もう。

一次会は京風料理(ビール、焼酎)、 二次会はラーメン。タクシーで帰宅。楽しかった。


18/Mar/2006 (Saturday/samedi/Sonnabend)

早起きして大学に。某授業の手伝いを少し。

真夜中

今日のこと。


19/Mar/2006 (Sunday/dimanche/Sonntag)

なんとか早起きして大学へ。某授業の手伝い。

空いている時間を見つけて某論文を書かねば。

お昼前

新聞をゆっくりと読んでしまう。 今日の竹内久美子の正論(「『紀子さまに男の子』の科学的根拠」)は噴飯ものだが、 時間がないので省略。

一応メモ程度に書いておくと、批判したい点は、 (1)現在の日本と関連性があるのかどうかわからん論文を 一本だけ引っ張ってきて、女性は年を取った方が男の子を産む確率が高いと 主張する点と、(2)その「事実」についての、何の根拠もない適当な説明 (男児は出生体重が大きく、育てる手間もかかるので、 比較的体重が小さく手間もかからない女児を先に産んでから、 男児を一番最後に産むのが進化論的に有利なんだそうだ)。

政治家や教育者ならまだしも、 科学者の名を語って「女の子(と言おうか女一般)には、人の世話をすることに 喜びを見いだすという特性があり、弟や妹の世話ともなれば喜びもひとしお」 というようなことを根拠レスに書くのはやめてほしい。

それにしても、 ポップ進化論はなんでもjust-so storyを作ることができるので恐しい。

あ、しまった、結局無駄に時間を使ってしまった。

昼下がり

お昼は同僚の某氏と某海鮮丼。 そのあとは雑用で今までつぶれる。 いかん。

メモ。こないだも書いたかもしれないが、行間を読む訓練を意識的にすること。 書いてあることに注目するだけでなく、書かれていないことにも注意すること。 書いてあることだけしか読まないのは「表層的」という悪徳であり、 書かれていないことを読みすぎて疑心暗鬼になるのは 「深読みのしすぎ」という悪徳である。 「健全な深読み」という中庸の徳を身に付けよう。

メモ。`Love, actually, is everywhere.' True. But then, trouble, actually, is everywhere too. 表面的には全てそれなりにうまくいっているように見えるが、 ほとんどの人や制度が問題を抱えている。 まあ、一病息災と言われるように、 ちょっとぐらい問題がある方が世の中かえってうまく行くのかもしれないが。 完璧主義の悪徳に陥らないようにも注意しよう。中庸、中庸。

WBC、日本が韓国に6-0で勝って決勝進出だそうだ。

夕方

無事に某授業が終了する。

あれ、週末は全然論文が進まなかった。まずい。

真夜中

夕方、英国から帰国中の某氏と一緒に四ツ谷の某氏宅へ。 某氏の手料理をいろいろごちそうになる。歓談。 遅れて某氏と某氏も来る。 ワイン(甲府種の白、サンテミリオンで買ったグランクリュ赤、メルロー赤など)。 適度に酔っぱらって帰宅。 某駅前に自転車を置いてたら、パンクさせられていた。 某氏の自転車もパンクさせられていたので、 空気入れを貸してから別れる。無事に帰れただろうか。

メモ。バランスを取ること。ときには極端に走ってもいいが、 自分がそのことに気付いている必要がある。極端にいる人が、 「みな極端に走っているが、自分は真ん中にいる」 と自負しているほど滑稽なことはない。

今日のニュース


20/Mar/2006 (Monday/lundi/Montag)

普通に起きる。これから自転車屋に寄ってから定時出勤。

真夜中

今日はいろいろあった。

メモ。中庸とは。白と黒の間(灰色)ではなく、 スキュラとカリュブディスの間を渡ること。 しかし、下戸とアル中のあいだが中庸だろうか? ノンスモーカーとチェインスモーカーの間が中庸だろうか? ベジタリアンと野菜を食べない若者の間が中庸だろうか? 何が両極端にある悪徳なのかをはっきりさせなければ、中庸は定まらない。

メモ。 「大多数の人々は、現在あるがままの人類の生き方に満足しているので……、 なぜこの生き方があらゆる人々にとって十分よいものでないのかを 理解することができない」「人間は、しばらく多様性を見慣れないでいると、 たちまちそれを考えることさえできなくなってしまうものなのである」 (ミル『自由論』第3章)。生活の実験をすること。

今日のニュース


21/Mar/2006 (Tuesday/mardi/Dienstag)

お昼

お昼前までよく寝る。

お昼すぎ

某所で温かいおろし蕎麦を食べてから研究室へ。 晴天で外出日和だが、そうも言っていられない。

メモ。Stay sober. この「しらふでいたい」という欲求はなんなんだろう。 奇行をするにしても、「奇行をしている」という意識と共にありたいと思うし、 憂鬱になるにしても、「今自分は憂鬱に感じている」という意識があってほしいと 思う。self-controlの感覚を失いたくないということか。 あるいは、fanaticismを恐れているのか。 即自存在になるのを恐れているのか(こんなことを考えていた時期もあったのか)。

昼下がり

新聞と、某院生の原稿の添削。自分の原稿を書かねば。

新聞で見たMyパーソナルATM(友愛玩具)。売れているそうだ。一台欲しい気もする…。

夕方

昼下がり、なんだかfeeling two-foot smallな感じになってきたので、 気分転換に散歩。三四郎池のあたりを歩く。 Didoの音楽を聴いているとどうも沈むので、ストーンズやJamie Cullumなど (そういえば、Jamie Cullumは東京で二日やることになったようだ。 ついでに、U2のコンサートは延期になってしまった)。 気分が落ち込んだら音楽で治す。 Didoは危険(downer)なので、アルバム単位では聴かないようにしよう。

最近の音楽の処方箋の一部

気分を高揚させたいとき

癒されたいとき

まだあるがめんどくさいからやめた。 正確には、「沈んだ気持ちを平常に戻す」 「平常あたりをキープする」「平常から意識的に高揚させる」 という三つぐらいの分類が自分の中にある気がする。 前者の二つが「癒されたいとき」という分類に入ってしまったので、 多くなったのだろう。まあもちろん、 こういうことを考えずに音楽を聴いているときも多い。

それはともかく、勉強せねば。

真夜中

夕方から夜にかけて、コツコツと論文。

夜、同僚の某氏と一緒に、春日の某イタメシ屋。 ワインを飲みながらいろいろ密談。

夜遅くに帰宅。WBCで日本が優勝したそうだ。すごいな。 トリノはダメだったから、これでトントンといったところだろうか。 次はサッカー。こうして愛国心が育てられていく。

そういえば、昨日の某シンポジウムで、とある偉いお方が 「スリッパリースロープ」というつもりで、「スラッピースロープ」と 言っていた。 こういう間違いはみっともないので、せいぜい気を付けよう。

真夜中2

メモ。 不条理さを理解するだけでなく、勇気を持って立ち向かうこと。 実存主義には、知性だけではなく、勇気も必要である。徳倫理。 「いつかは人間に飛ぶことを教える者がくる。……。 人間にとっては大地も人生も重いものなのだ。それは重力の魔のしわざである! しかし軽くなり、鳥になりたいと思う者は、おのれ自身を愛さなければならない」 (ツァラトゥストラ)。

今日のニュース


22/Mar/2006 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

起きる。

メモ。井の中の蛙にならないこと。solipticな世界から抜け出して、 優秀な人々の息吹を感じろ。

お昼前

定時出勤。新聞。 「縁なき衆生とあきらめて」という表現を目にする。 元は「縁なき衆生は度し難し」 (いかに仏でも仏縁のないものは救済しにくいように、 人の言を聞きいれないものは救いようがない。[広辞苑第五版]) と言うそうだ。

笑い話。 朝、研究室に来ると、iPod miniにつけているイヤホンのスポンジの部分が 失くなっているのに気付いた。あれ、困ったなあと思って、 1階に下りて自転車置場のあたりまで探しに行ったが、見つからない。 5分ほどあたりを探したが、風も強いし飛ばされたのかなあとあきらめて研究室に 戻ってきたところ、なんとなく耳の中に違和感を感じたので、 まさかと思っておそるおそる触ってみると、果たせるかな、 耳の中からスポンジが出てきた。

それはともかく、勉強しよう。

昼下がり

午前中、少しだけコツコツと論文書き。 お昼、同僚の某氏の奥さんに作っていただいた弁当をありがたくごちそうになる。 感謝感激。めるしぼく。

これから某院生とシンガーのお勉強。

夕方

某院生とシンガーの勉強。Why Be Moral?の話。論文指導も少し。 しかし、自分も書かねば。

夕方から雨。 同僚の某氏や院生たちとジムでバドミントン。 2時間近くやる。ひさしぶりなので一層下手になってるが、楽しい。 汗だくになる。

メモ。研究者には弟子を育てる道徳的義務はあるだろうか。 いや、道徳的義務というのはよくわからんので、 何かoverridingな理由がないかぎり、弟子を育てるべきと言えるだろうか。

「子育てしなくてもいい世の中なんだから、弟子を育てなくてもいいなじゃないの」

「世代間倫理はどこにいったんですか。講座が滅びるじゃないですか」

「いや、それは家が滅びるというのと同じでさ。滅んでもいいじゃん、別に」

「いやいや、有用な学問だったら、やはり弟子を育てるべきでしょう、きちんと。 だって、医者がいなくなったらどうします? 一級建築士がいなくなったらどうします?」

「一級建築士はともかく、たしかに医者はいなくなったら困るけどね。 けど、いいんじゃない? 相撲だとか哲学だとかいうのは、人がいなくなったらいなくなったで」

「いや、本で伝えられることは少ないですからね。ちゃんと生きた先生が、 生きた弟子に大事な事を身を持って伝えていかないと。相撲入門を読むだけでは 相撲はできないでしょう? 同じように、一度ノウハウが失われてしまったら、 哲学入門を読むだけでは哲学はできないんですよ」

「いいよ、哲学がほろんだって。たいして世の中変わらないんだからさ」

「いや、それは哲学を過小評価しすぎです。やはり哲学は有用であり、 哲学研究者はちゃんと弟子を育てるべきです」

真夜中

院生の方々と某所でカレーを食べてから帰宅。魚つみれカレーとサラダ。

勉強しないといけないが、しばらくメールや日記の整理など。 右足と右肩の筋肉痛が痛い。

「『筋肉痛が痛い』はおかしいですっ。美しい日本語を使いなさいっ」

「そういえば、曾野綾子が『自分をほめてあげたい』は『自分をほめてやりたい』 じゃないとだめだって、怒ってましたね。 『犬にエサをあげる』と同じ間違いだって」

「オレにはそれが間違いだっていう語感がないんだけど。時代は変わる」

どうでもいいが、1998年にちょっと書いている「悩殺」の話はおもしろい。

Q1「殺されるんだったら、どんな風に殺されたい?」

A1「そうですね。まあ、悩殺ですかね」

Q2「被害者の死因はなんだ?」

A2「悩殺で即死です」

悩殺されないようにせいぜい注意しよう。

真夜中2

上の「研究者は弟子を育てる道徳的義務があるか」という問いについて もう少し考える。某氏から、「それは義務の問題ではなく、 徳の問題だ。弟子を育てないのは徳のない研究者がやることで、 自分より優れた弟子を育てるのが徳のある研究者というものだ」 というような指摘をいただいた(勝手な解釈だが)。 たしかに、義務という語彙で語るよりも、徳の語彙で語る方が ぴったりする気がする。もちろん、徳のある研究者について、 直観に頼らない説明をしようとするとこれまた難しいわけだが。

もう一点、講座の存続それ自体が目的化してしまうと官公庁と同じ肥大化の一途を 辿るだけで、それが他に有用な使途に用いることのできる税金に よって支えられるのだとすると、功利主義的には決して良いことではない。 あくまで講座が存続すべきなのは、それが有用な使命を持つかぎりにおいてである。 使命を終えた暁には、解散するのが良いだろう。

「しかし、有用な使命って、哲学や倫理学だとよくわからんよな。 いつ使命が終わるのかもわからんし。終わりなきマラソンという感じで、 走り続けていること自体に意味があるんじゃないの。万世一系とかさ」

「たしかに、学問というのは終わりなき旅という感じが強いですね。 それは学問が持つ性格なんですかね」

「学問にあるのは感染症みたいなもんでさ。ときどき流行して大きくなったり、 反対に下火なったりするんでしょ。哲学シタイシタイ病なんかは まあだいたい常に人口のごくわずかに感染するんだけど、 基本的には封じ込められてる。 けど、たまに突然変異を起こして死生学病とかになったりして 文学部全体に広がるわけだ」

「なるほど。倫理学病もいろいろ突然変異を起こして生命倫理学病とか 環境倫理学病という新しい感染症になっていっているわけですね」

「そうそう、だから弟子が育てられないというのは濃厚な接触がない証拠でさ」

「なんかわけわからなくなってきましたね。 それに、感染症だと放っておいても広がりますが、 学問はもうちょっと意図的にがんばらないと広がらない気がしますが。 まあ、もう寝ましょう」

今日のニュース


23/Mar/2006 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

定時出勤(ちょっと遅刻--しばらく洗濯をしていなかったので、 洗濯物を干すのに時間がかかった)。

今日はちょっと寒い。風邪を引いたらつまらないので、 薄着しないように気をつけよう。

お昼前

新聞。

夕方

お昼はランチョンセミナー。 昼下がりは某テキストの相談。

いろいろ相談すべきことや準備すべきことがあって忙しい。 今年の抱負の一つである「CBELのために尽力する」というのは やりがいがあるが大変だ。しかし、立派な社会人になるためには、 そろそろ自分を磨くだけでなく、他人や大義のために尽くすとか、 そういうことを覚えないといけないわけだ。I'm doing my bits.

とはいえ、研究もちゃんとせねば。自己研鑽。

真夜中

夕方、研究室で少し勉強してから新宿へ。 某百貨店で某プレゼントを買う。某氏に手伝ってもらう。感謝。

そのあと、某氏らと四人で近くの蕎麦屋で食事。 そば焼酎とかそば湯割りの焼酎とか飲んでみる。 歓談。

喫茶店でエスプレッソを飲んでから解散。 人生について考えることあり。

メモ。「今、自分は幸せだろうか」と問うてみる勇気が必要だ。 また、「どうやったら、より幸せになれるだろうか」と冷静に考えてみることも。 自分の置かれている状況について考えることは難しい。 友人と話すのがいいのだろう。友人と天気の話や世間話ばかりしていないで、 もっと魂に触れる核心的な話をすること。

日赤サルトル病院にて

患者「サルトル先生、 わたしは乳房切除術と、乳房温存術のどちらを選べばいいんでしょうか」

サルトル先生「君は自由だ。選びたまえ」

患者「え。そ、そんなことを言われても。困ります。先生、おまかせします」

サルトル先生「君は自由の刑に処されてるのであって、 君自身が自分を未来に向けて投企しなければならないのだ。選びたまえ」

患者「そんな。先生、そんなの無責任じゃないですか。先生を当てにしているのに」

サルトル先生「私の病院に来た時点で、すでに君はどのような助言を受けるか、 選んでいたのだ。さあ、選びたまえ」

生命倫理学者「え〜、ちょっと待ってください、サルトル先生。 サルトル先生のインフォームド・コンセントは、 情報提供型ですね(情報を提供するだけで、 患者の意思決定に口を挟むことはしない立場)。 というか、情報を提供することさえしてないんじゃないですか。 ところで、患者さま、あなたは幸せですか」

患者「幸せなわけないじゃないの。なに場違いなこと聞いているの。 そもそもなんで生命倫理学者がこんなところにいるのよ。 こ、この穀潰しが。さっさと出ていきなさいよ。ねえ、サルトル先生」

サルトル先生「それも君の自由だ。さあ、選びたまえ」

真夜中2

そういえば、夕方ぐらいから、筋肉痛がひどい。 右の上腕部(上腕三頭筋)と、臀部から太ももにかけて。 背中も右側が痛い。バドミントンはハードだ。

今日のニュース


24/Mar/2006 (Friday/vendredi/Freitag)

よく寝て起きる。筋肉痛はだいぶましになった。

メモ。The personal is philosophical. 考えるべき素材は自分やその周りにいくらでもある。

午前中、新聞と某院生とシンガー。 なんで宇宙の視点に立たなければならないのかとか、 本当にそんな視点に立てるのか、とか。

お昼、某教授に頼まれた仕事を適当にやってから、 同僚の某氏と昼食。ラーメン。

昼下がり、白山の某大学に行き、某ドイツの先生による尊厳の話を聞く。 ドイツ語が不自由なので、 通訳を介して少し質問。 勉強になる。

研究会に出席されていた某名誉教授と一言二言話してから戻ってくる。 まだ時間があるので、ひさしぶりに泳ぎに行こう。

プールで泳ぐ。キックの練習とプルの練習を別々にして、合計2キロちょい。 キックはまだ極意がつかめない。もう二、三ヶ月修業しよう。

夕食は某海鮮丼屋で。研究室に戻ってきたが、案の定疲れて動けない。 しかし、体に鞭打ってでも勉強しなければ、論文が間に合わない。

真夜中

といいつつ、論文はほとんど書けなかった。いかん。泳いでる場合じゃないか。

いろいろ雑用をしてから帰宅。 明日は研究室に籠って勉強すること。

今日はしらふ。

真夜中2

そういえば、パスカルの生地のクレルモンの町にも行けばよかったな。 また機会があれば心の旅に出かけよう。

今日のニュース


25/Mar/2006 (Saturday/samedi/Sonnabend)

お昼前

よく寝る。快晴。春。It's all too beautiful.

昼下がり

明日着るものが必要なんじゃないかと、後楽園の某所に買物に行く。 が、とくに気に入った服もなかったので、時計だけ買って戻ってくる。 こないだ失くしたSkagenの別のモデル(530LTTM1)。 今ひとつしっくりこないが、そのうち慣れるだろう(と期待する)。

某スタバで新聞を読んでから大学へ。勉強しよう。

夕方

コツコツコツ…(音が聞こえるほど真面目に勉強しています)。

メモ。某学会のワークショップについて。今回は企画する時間がないが、 そのうちやってみたいもの。

夕方2

同僚の某氏とちょっと雑談。

コツコツ。やはり論文を真面目に書いていると発狂しそうになる(たぶんしないけど)。 この感覚はなんなんだろう。脳から何か出てるのかな。

まだ太ももの筋肉痛が少し。

夜2

某海鮮丼屋で鯛とまぐろ丼大盛。大盛を食べるのはちょっときついのだが、 どうもそうしないと痩せてしまうので。

メモ。世界とオレがあと30年存在しているとして、 しかもオレがまだ教員をやっていたとしたら、 オレにも最終講義をやる日がくるかもしれないと考えてみたり。 一体そのときに何ができるんだろう。 そのころには、 「こだまの世界」もめでたく40年連用日記になっているはずだから、 そのダイジェストとかでごまかすか:-)

30年後、どうなってるかなあ。

ダメだ、こんなこと考えていないで勉強しよう。

「インターネットはあきらめよ。これにふけるな。君にはゆるされないことなのだ」 「インターネットにたいする君の渇きは捨てるがいい」(偽マルクス・アウレリウス)。

夜中

あれ、いきなりくしゃみが連発。風邪引いたかな。あるいは花粉症か。 まだ論文は終わっていないが、帰って寝た方が良さそうだ。

真夜中

コツコツコツ。ひさしぶりに朝の3時半まで大学にいる。 外ではカラスがうるさい。

ようやく論文のドラフトができたので、 とりあえずコメントを求めて何人かの人にメール。 〆切の5日前までにここまで書けているのはすごい、と言いたいところだが、 明日からは毎日忙しいので木曜日の夜まで何もできない。 金曜日は絶対に予定を入れないこと。

次は、某合評会の準備をせねば。これもまずい。 月曜火曜の某学会はあんまり参加できなさそうだ。

今日のニュース


26/Mar/2006 (Sunday/dimanche/Sonntag)

起きる。早く行かないと遅刻する。

真夜中

お昼前、無事に新幹線に乗り、お昼過ぎに京都へ。 気温がちょうど散歩によさそうだったので、 ついつい今出川ではなく丸太町で地下鉄を降り、少し散歩。 梅と空が美しい御所を抜け、荒神橋を渡り、某大学へ。

[fencing]

[体育会フェンシング部 ボクと突き合ってみませんか]

某大学は立看がおもしろい。 本郷はこれがないのでちょっと寂しい。

大学に行くと米国に移住された某先輩と名古屋の某氏がすでに来ていた。 三人で連れ立ってちょっと早目に最終講義の会場に行くと、 後から続々と懐しい顔ぶれが。 かつてODと呼ばれていた先輩方も、今はみな偉い先生…。

それはともかく、 某教授の新著『空間の謎・時間の謎』 (会場入口で無料配布していたのをありがたくいただいた)に基づいた 約1時間半の講義を、真剣に聴講した。 芸術の域に達するというのはああいうのを言うんだろう。 周到な準備、堂々とした話しっぷり、 難しいことをわかりやすく話せるための理解の深さ、そしてユーモア。 あと30年、あの高みを目指して精進することにしよう。

パーティにも出席する。 いろいろ偉い先生がスピーチをしていたが、 某先輩のスピーチと、某教授自身のスピーチが一番感動した。 ビールと赤ワインを飲んで酔っぱらう。

二次会に少しだけ顔を出し、急いで京都駅に戻り、新幹線で東京へ。 行き帰りの車内ではよく寝たが、少し某修士論文も読み、大いに刺激を受ける。

今日のニュース


27/Mar/2006 (Monday/lundi/Montag)

起きる。ちょっと寝不足。

真夜中

今日のこと。

朝、大学で新聞、雑用、某院生の論文読み。昼下がりまでかかる。

それから地下鉄で移動して某大隈大学へ。 学会へ出る前に、 近々講師になる某氏の新研究室へお邪魔し、ちょっと密談。 ついでに遅い昼食も食べる。

夕方に某学会に参加、懇親会に出る。 本当は偉い人と話すべきだったが、知り合いの人と適当に。 ビールとワイン。

そのあと、某氏おすすめのムーディな飲み屋に行き、 いろいろ話す。ウイスキー。いいかげん酒の種類を覚えないといかん。

某氏たちと話していて、 いろいろな人に不義理をしていることに思い出す。 Feeling two-foot small. もっと他人の視点に立って(あるいは「宇宙の視点」に立って) 考えることができるよう、努力しなければ。 Keep your chin up.

今日のニュース


28/Mar/2006 (Tuesday/mardi/Dienstag)

早起き。行かねば。

メモ。「去るものは日々に疎し」。 impartialな功利主義の立場からすると、このような人間本性の傾向に 抗う必要があるのだろうか。そうだとすると、やはり功利主義はdemandingだ。 もちろん、そもそも道徳というのはdemandingなものなので、 望むところなわけだが。

昼下がり

「去るものは日々に疎し」にならないよう、今日も午前中だけ某学会に出てくる。 知り合いや偉い先生がたくさんいたので、気を使って疲れる。

知り合いの方々と昼食を食べてから、 地下鉄を乗り継いで戻ってくる。 高田馬場は近いようで遠い。

哲学の勉強も思想史の勉強も足りない。 ハートのような高みを目指さなければ。

昼下がりから夕方にかけて、某ミーティング。 やるべきこと、考えるべきことがたくさんある。がんばろ。

夕方、某海鮮丼屋で夕食。それから某スタバで2時間ほど某修論を読む。 終わらん。

首が痛い。プールで泳ぎたい。

メモ。欲求充足説。「自分の知らないところで欲求が満たされた場合、 それは必ずしも善いとはいえない(から、欲求充足=善ではない)」 というのは今ひとつピンとこない。 (ただし、「自分の知らないところで欲求がfrustrateされた場合、 それは必ずしも悪いとはいえない」というのは、浮気の例を考えると そんな気もするが)。

一方、あらゆる欲求充足が等しく善いとすると、 充足するのが容易な欲求だけを満たした方がよいことになるから、 低次の欲求と高次の欲求、誤った信念に基づく欲求とそうでない欲求などの 区別を行なった方がよいというのはピンとくる。 しかし、これは快苦についても言える点だ。

う〜ん、もっとよく考えないとなあ。 アホなのでなるべく具体例で考えるようにしよう。 というか、日々の生活の中で考えるようにしなければ。 功利主義を生きろ。もっと言えば、part-time philosopherではなく、 full-time philosopherになれ。

雨が降ってきた。大雨のようだ。

真夜中

日付が変わったが、まだ研究室。終わらん。

去年の今ごろからプールで泳ぎ始めたんだな。一周年。 なんか、この時期は某学会もほとんどさぼらずに毎回行ってるようだ。 もっとも、行ってもほとんど話は聞いてないわけだが。 参加することに意義がある(のかもしれない)。

真夜中2

やっと帰宅。今日は長かったなあと思って考えると、 めずらしいことに、すでに20時間ほど起きている。 しかも、某学会での時間も考えると、12時間勉強している。 毎日これだけ勉強すれば、立派な研究者になれるんだが(反実仮想)。

今日のニュース


29/Mar/2006 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

なんとか起きて定時出勤。

真夜中

朝から夕方まで某Bentham研究会。 アメリカの話、法学の話、某修論の合評会など。 遠方からも参加していただき、たいへん勉強になる。

夕方、みなと桜を求めてちょっと学内をうろついてから、 春日の某イタメシ屋で食事。ワインその他。

そのあと、数人の人と一緒に近くの公園の桜を見に行き、 後楽園の某喫茶店で暖を取りながら歓談(今日は寒かった)。

いったん研究室に戻ってから帰宅。喫茶店に行ったあたりから眠くて 欠伸を連発(すみません)。今日は早く寝よう。

メモ。発表のときは背筋を伸ばして胸を張ること。

真夜中2

これからちょっと否定文の練習。最近、『自省録』を机に置いたままには しておかない。今日は遅く起きなかったので、 あまり元気ではないため、もう起きていてはいけない。 あれ、否定文で書くのはちっとも簡単ではない。

今日のニュース


30/Mar/2006 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

昨夜はあんまり起きていなかった。 今日もpart-time philosopherになるべく、邁進しないようにしよう。

昼下がり

否定文の練習はそのぐらいにしておいて、今日の午前中は新聞と、 昼のランチョン・セミナーの準備。先日のクヴァンテの発表の要旨を報告。

さきほど、同僚の某氏から、 某論文のドラフトに対する貴重なコメントをいただく。 もっとわかりやすく、シャープに書けるようにがんばろう。

名前と表現の自由

「矜持」の名前は認められず 人名用漢字訴訟で判決(asahi.com)。 「矜持」という名前ぐらい認めてやったらいい気がするが、 ちょっと気になったのは「親が子に名前を付ける権利は表現の自由の最たるも の。それを認めず、人名に使える漢字も制限するのは憲法違反」という原告側の主張。 たしかに、「人名用漢字ではないからダメ」というのはあまり良い理由ではないが、 はたして親が子に名前を付ける権利は「表現の自由」 によって正当化されるんだろうか。

この原告が、ミルの『自由論』の言論の自由擁護の議論を下敷きにしていると考えて、 論陣を張ってみよう。

「『矜持』という名前を認めないことは間違っています。 ひょっとすると『矜持』という名前が真であり、 今流行している『聡』とかいうような名前はすべて偽であるかもしれません。 それなのに、『矜持』を認めないのは、『聡』という名前の不可謬性を 認めていることになります。

「それに、たとえ『矜持』という名前が偽であると仮定しても、 それでも少しは真理を含んでいるかもしれません。 『聡』という名前は、仮に真であるにしてもなんらかの点で不完全であると考えられ、 『矜持』という名前を認めることによってこそ、 そうした不完全な点を克服してより完全な真理へと到達できるのです。

「また、かりに『聡』という名前が完全に真理であるにしても、 『矜持』のような別の名前がなければ、なぜそれが真理であるのか、 人々は忘れてしまうでしょう。 それではknowledgeではなくdoxaになってしまいます。 なぜ『聡』が真理であるかを忘れてしまえば、 そのうち『恥』という名前と混同されてしまったり、 なぜ『聡』はよくて『総』ではだめなのかといったことを人々が 説明できなくなったりするでしょう」

う〜ん、こうしてみると、ミルの言論の自由の正当化は基本的に真理を前提にした 議論なので、ミルの議論から正当化するのは無理があるなあ。

真理ではなく「美的なもの」が問題になっているということにして、 自由による多様性を認めた方が、より美しい名前が出てくる可能性がある、 という議論はできるかもしれない。しかし、命名は美だけの問題ではない。

真理が問題になっているわけではないという点では、 むしろ、「ポルノと表現の自由」の問題と似てるのかもしれない。

slippery slope argumentを用いて表現の自由の絶対性を主張する人なら、 「矜持」という名前を禁止すると、いつのまにか それ以外の名前まで禁止されて、みんな「聡」になってしまうかもしれない、 と論じるかもしれない。しかし、それはあまりもっともらしいシナリオではない。

逆に、なぜ国家が親の命名に対して干渉できるのかを問うことも必要だろう。 「人名用漢字ではないからダメ」というのは、よくわからない理由だ。 名前はコミュニケーションに用いられるものであるから、 「難しくて常人には書けないし、読めないし、発音もできない名前」だとか、 普通のワープロには登録されていないとか、 あまりに長すぎる名前(読み上げるのに一時間半かかるため、 出席を取ろうとすると授業が終わってしまう) などは望ましくないだろう。 また、たいていの放送禁止用語も、 本人に(いじめなどによる)harmがありうるだけでなく、 点呼のたびに他の人の気分を害するとすれば、望ましくはない。 もっとも、望ましくないからただちに禁止すべきだとは言えないのだが。

基本的には人々の常識的判断に任せ、 どうしても規制するのであれば、 人名用漢字を規程するよりは、 「こういう規則に反するものはだめ」といったような原則を作って運用した方が いいんじゃないかと思う。というか、人名用漢字はどういう原則に 則ってるんだろうか。 こんな本があるみたいだから、今度読んでみよう。 『人名用漢字の戦後史』。

昼下がり、2時間ほどかけて某院生の論文を推敲する。 プールで泳いだら、自分の論文をなんとかしなければ。

大学から配布された 『学生のこころのケア手引き--教職員のための摸擬症例集』、 たいへん勉強になる。 参考のため、摸擬例のタイトルを一部抜粋。

とくに興味深かったのが「東大生の発達障害?」の解説。

東大生の発達障害?

東大生に「発達障害」? 皮肉でも「訳あり」でもありません。 社会的な対人交流の乏しさ、興味範囲の狭さ、特定のパターンへのこだわり の強さを特徴とする、「広汎性発達障害」(自閉症、アスペルガー症候群などが 含まれます)は、軽症例を含めると人口全体の1%近くに達し、 優秀な大学生の中にも見られます。(性別では男性に多く、 専門別では理数系の方が割合は高いようです)。 これらの学生には会話の理解が表面的で、比喩や冗談の理解が困難な傾向があります。 このためスムーズな会話が難しく、相手の気持ちの理解が困難で 気分を逆撫でするようなことを悪意のないまま平気で言う場合も見られます。 また、不注意によるミスや忘れ物も多く、 学生仲間のみならず、教職員からも「無神経」、「不真面目」と誤解を 招きトラブルとなることが少なくありません。

う〜ん。東大生でも理数系でもないが、思い当たることがありすぎて怖い。 実はオレは火星人ではなく、広汎性発達障害なんだろうか。

あ、「比喩や冗談の理解が困難な傾向」というのは、 自分が変な比喩や冗談を言ったりするという意味ではなく、 他人の言ったことをうまく理解できないという意味か。 それはまあ(あんまり)当てはまらんな。

いや、しかし、血液型による占いと同じで、 精神病も「あ、自分もそれかも」と思い始めると いかにも当てはまっていると思えてくるもんだ。 気にせず火星人の道を極めよう。じゃなかった、早く人間になろう。

また、 「多忙な研究室業務で生活が破綻しかけた若手教員」というのもおもしろい。

[ケースの概略]

非常に忙しく、睡眠不足が続いていた若手教員。毎日夜12時近くまで働き、 家に帰っても寝るだけの生活が数年続いていた。 一つの仕事をやり終えても、また次々と仕事が増える状況であった。

一人暮らしのため、食生活は不規則で、掃除や洗濯をする時間を取ることが 難しく、生活環境も乱れていた。大学では、学生の研究指導だけでなく、 研究室の環境整備、教授の成果報告など研究室業務のすべてを引き受けていた。 そのため、研究関係以外の人とのコミュニケーションが少なくなっていた。 久しぶりに友人と会う機会があっても、仕事のことが頭に浮かび、 楽しめない状態が続いていた。保健センターへの受診動機は、 もっと沢山働くためにはどうしたら良いかを相談したいということで、 不安や焦りが強く感じられた。 「週末は自宅で休養すること、平日も週2日は午後9時前に帰ること、 睡眠時間は少なくとも6時間はとること」 を指導し、薬も処方した。当初は、そのようにすることは不可能と本人は 話したが、同僚の協力もあり、平日少しずつ早く帰ることから始め、 徐々に生活のリズムを整えていった。 当初は、研究のことが気になり休養できないとの訴えがあったが、 それも少しずつなくなった。その後、自宅にいても不安や焦りを感じることは 少なくなった。

う〜ん。幸いここはスタッフがたくさんいて分業が進んでいるので、 ここまでひどくはない。しかし、この部分はコピーして某教授室の ドアのすきまから入れておくか…。

(冗談です、念のため。こだまは十分に健康で文化的な生活を享受しています)

学内広報で、「2005年セクシュアル・ハラスメントに関するアンケート調査の結果」 というのも回ってきた。これもかなりおもしろいが、時間がないので省略。

というわけで、今日の教訓。うつもセクハラもせいぜい気をつけよう。

うつやセクハラに気をつけつつプールで泳ぐ。 閉館まであまり時間がなかったので、1.5キロほど。 だんだん「水をキックする」感じがわかってきたが、まだまだ。

購買部で買物してから、某海鮮丼屋で夕食。 うつやセクハラに気をつけつつ良く食べる。

今日はしらふ。書き忘れていたが、一昨日もしらふ。 毎日飲んでいるわけではありませんっ。

そういえば、京都の某氏が『倫理学研究』(第36号)に、 『入門・医療倫理I』の書評を書いてくれている。 非常に好意的に書いていただいているので感謝。 『臨床倫理学』 もようやくアマゾンから手に入るようになったようだ(もちろん宣伝です、念のため)。

夜2

勉強せずに、いろいろ雑用。まずい。

そこ までやるか!献血アップへあの手この手」(読売新聞)。

「ご主人様、お帰りなさいませ」。深緑色のワンピースに白いエプロン姿の女 性が、献血を終えた人の手のひらを約10分間、もみほぐす。女性は地元のフッ トケアサロンの従業員。「メードカフェ」が話題の土地柄であることを生かし、 JR秋葉原駅近くの「アキバ献血ルーム」が今月限定で行っているサービスだ。

「そこまでやるのかという声もあった」(同献血ルーム)というが、平日の 献血者は休日の半分にも満たないため、月、水、木曜日の先着10人の“特典” として導入に踏み切った。

メード姿の女性を見て驚く人もいるが、献血後、ハンドマッサージを受けた 団体職員の井上圭三さん(44)は、「“アキバ”らしくておもしろい」。

これ、すごいな。メード好きな人は、 本当の意味で「自発的に」献血したと言えるのだろうか。 今月中なので、ぜひ誰か行ってきて報告してほしい。

真夜中

勉強する気が起きなかったので、1時間ほどマンガ喫茶に立寄ってから帰宅。 ちょっと気分がリフレッシュされる。リフレッシュって死語なのかな。 リセット?

それはともかく、今月も少し赤であることが判明。来月こそは黒を目指そう。

I see a red door and I want it painted black.
No colors anymore I want them to turn black.

あ、これって家計簿の歌だったのか。

今日も寒かった。

真夜中2

まだ起きてる。小人夜更しして不善をなす。

メモ。問い: なぜ哲学研究者は研究者としても人間としても成長が遅いのか。 答え: ミネルヴァの梟だから。

今日のニュース


31/Mar/2006 (Friday/vendredi/Freitag)

お昼すぎ

眠かったが洗濯をして定時出勤。午前中は某院生の論文の推敲と雑用。 自分の論文をなんとかせねば。

お昼すぎ、ちょっと遅目の昼食を某カレー屋で。 そのあと、いくつか雑用を片付けながら、 自分の論文と某院生の論文の手直し。 某院生のものはほぼ終わったが、自分のものはまだ終わらない。

民主党の前原代表がメール問題で責任を取って辞任。

真夜中

夜中までかかって、とりあえず自分の論文を脱稿。 それから誤字脱字だらけの某院生の論文を再度推敲して、これも脱稿。 日付が変わるころに、某所へメールにて発送。つかれた。

非常に忙しく、睡眠不足が続いていた若手教員。毎日夜12時近くまで働き、 家に帰っても寝るだけの生活が数年続いていた。 一つの仕事をやり終えても、また次々と仕事が増える状況であった。

さて、次の仕事は、と。

真夜中2

研究室を出て、春日のラーメン屋に行こうと思ったが、 外が地獄のように寒かったので、とりあえず一旦帰宅して重装備をしてから 春日へ。ひさしぶりにここのラーメンを食べた気がする。

マンガ喫茶に行きたい欲望を断ち切り、まっすぐ帰宅。早く寝て、 明日も早起きしよう。

ちなみに、今日もしらふ。

2000年のこの記述、おもしろくて笑った。

今日のおわび
「ほどほど嫌気がさす」は「ほとほと嫌気がさす」の誤りでした。 ちなみに「ポルポト嫌気がさす」というのもしばしば見られる誤りです。

今日のニュース


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KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Wed Mar 21 19:10:27 JST 2007