FINEニューズレター編集委員会用記事

29/Jan/2003

  1. 地球を救えるのは次の世代まで
  2. グリーンランドの雪解けで英国が寒くなる可能性
  3. ハリウッドとコンピュータ・ゲーム
  4. バナナ絶滅の可能性

新聞記事の要約です。 固有名詞の訳はあんまり調べてません。 間違ってるのがあれば教えてください。

This is a summary of recent news articles relating (directly or indirectly) to applied ethics.


地球を救えるのは次の世代まで

(from `One generation all that is left to save world, report warns', Guardian Weekly January 16-22 (5).)

米国のワールドウォッチ・インスティテュートの年次レポートによれば、あと 1世代か2世代のあいだに環境問題に真剣に取り組まなければ、地球を救うこと はできない。

2003年版の「地球の状態」(State of the World、『地球白書』)報告によれば、 天然資源の使いすぎ、環境汚染、自然破壊によって地球の環境は急速に悪化しており、 再生エネルギー資源などの技術をただちに採用する政治的意志がないかぎり、 環境は回復不能なほど悪化してしまう。

重要な問題点としては以下のものがある。

関連サイト

Worldwatch Institute Home Page
ワールドウォッチの公式サイト。

グリーンランドの雪解けで英国が寒くなる可能性

(from `Thaw in Greenland threatens ice age', Guardian Weekly January 16-22 (11).)

近年のグリーンランドの氷床の崩壊のペースが続くなら、 メキシコ湾流の恩恵を受けてきた英国はより寒い国になると科学者たちは 警告している。

コロラド大学の科学者によれば、グリーンランドの氷床の融解は1979年から 2002年まで毎年16%の増加を示しており、今年の最大融解量は425,511平方キロで、 1992年の2.6倍となっている。この影響で暖流のメキシコ湾流の影響力が 弱められ、英国はカナダの東岸のように数週間、数ヶ月間、積雪の気候を 経験する可能性がある。


ハリウッドとコンピュータ・ゲーム

(from `Two can play that game' Guardian Weekly January 16-22 (22).)

『ロード・オブ・ザ・リング』の例に示されるように、ハリウッド映画とコン ピュータ・ゲームはかつてないほど密接な結びつきを持つようになっている。

以前からコンピュータ・ゲームは映画の派生商品として存在していたが (とくに『スター・ウォーズ』シリーズが有名である)、 『ロード・オブ・ザ・リング(1)』のゲームは商業的に大きな成功を はたしただけでなく、そのクオリティも評判となっている。

昨年、米国ではコンピュータ・ゲーム(ビデオ・ゲーム)の売上げは 映画のそれを上回っていた。英国では、映画、ビデオの販売およびレンタルの 売上げをも上回っていた。米国と英国を合わせたビデオ・ゲーム市場は 80億ドルと見積られている。

今日では、映画でコンピュータを用いて作られた効果音や特殊効果などが そのままゲームに移植することが可能であり、ゲームのクオリティは やがて映画のそれに匹敵するようになるだろうと予想する者もいる。

さらに、『トゥーム・レイダー』(や『ファイナル・ファンタジー』や 『バイオ・ハザード』)のように、有名なゲームが映画化されることもある。


バナナ絶滅の可能性

(from `Banana could disappear as blight strikes' Guardian Weekly January 23-29 (7).)

フランスの科学者たちは、真菌性(カビ)の伝染病によって10年後にはバナナが 絶滅する可能性があると警告している。

バナナはアジア・アフリカ地域で5億人の人々の常食となっているが、 アフリカのバナナのプランテーションの一部では、 パナマ病と黒シガトカ病という真菌性の伝染病によって、 バナナが深刻な被害を受けている。

現在のバナナは1万年前くらいに野生のバナナの変種から産みだされたもので、 種がなく、切り枝によって増やされている(クローン)。 そのため、遺伝子の多様性が少なく、病に弱い (この点が同じような被害にあったジャカイモと違うところ)。 1950年代には、パナマ病によってGros Michelというバナナ種は絶滅し、 現在ではキャヴェンディッシュという種にとって変わられている。 しかし、新種のパナマ病は殺菌剤(fungicide)を用いることができず、 黒シガトカ病を避けるためには毎年40回の殺菌剤を散布しなければならない。

この危機に対処するには、遺伝子組み替え技術を使う方法があるが、 市民の抵抗が予想される。 また、 ホンジュラスの科学者たちは400トンのバナナの皮を剥き、それをこして 15粒の種を入手した。そのなかにはカビに強い種類が含まれていたので、 これが今後商業的に用いられる可能性もある。


Satoshi KODAMA <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Thu Feb 13 02:54:43 JST 2003