FINEニューズレター編集委員会用記事

26/Sep/2002

  1. ヨハネスブルク地球サミットでの合意事項
  2. 中国政府、検索サイトのブロックを解除
  3. 英国の女性、元パートナーの同意がなくても冷凍胚を使用できるように裁判所に訴え出る

新聞記事の要約です。 固有名詞の訳はあんまり調べてません。 間違ってるのがあれば教えてください。

This is a summary of recent news articles relating (directly or indirectly) to applied ethics.


ヨハネスブルク地球サミットでの合意事項

(from `US wrecks green deal at summit' in The Guardian Weekly, September 5-11 2002, p. 1)

貧困と環境問題の解決を目指したヨハネスブルク地球サミットは9月4日に閉幕。 水、エネルギー、健康、農業、生物多様性を中心とした合意事項は以下の通り。

エネルギー
米国、日本、石油産出国および発展途上国の圧力により、 EUは再生可能エネルギーの使用の促進についての目標と期限設定についての 要求を取り下げた。努力目標のみ。
水と公衆衛生
きれいな水と衛生設備をもたない数(現在20億人)を2025年までに半減させる。
生物多様性
2015年までに生物種の減少を「大きく食いとめる」。具体的な決定はなし。
減少した漁業資源を2015年までに回復させることに同意。
貧困
貧困をなくすための連帯基金の設立。
良い統治
政治腐敗をなくす必要性、民主主義の強化、法の支配を強調、 ただし、援助の条件としてそれらが必要とされているわけではない。
天候の変化
京都議定書の批准を強く勧める。
商業
政府補助金を段階的に削減することを再確認。ただし、 米国やEUにとって重要なものをなくすわけではない。
その他
企業責任や民間部門の社会貢献については特別な規定なし。 医療については基本的人権と「文化的および宗教的価値観」に従って 医療へのアクセスが与えられるべきことに同意した。 人工妊娠中絶や女性割礼の問題で最後まで紛糾した。

一口コメント

一応、実施計画、政治宣言ともに総会で採択されたが、 内容が薄すぎるという批判が強いようだ。

関連ニュース

United Nations: Johannesburg Summit 2002
国連のヨハネスブルグ地球サミットの公式サイト。 採択された書類を読むことができる。
BBC NEWS | In Depth | Earth Summit
BBCの地球サミット特集。 この中のSummit conclusions at a glanceも参照せよ。
Johannesburg Summit 2002
CNNの地球サミット特集。 この中のWhat was -- and wasn't -- accomplishedも参照せよ。
環境サミット: 政治宣言は大幅修正で合意 採択し閉幕
毎日新聞の記事。

中国政府、検索サイトのブロックを解除

(from `China bans media reports of mass poisoning' in The Guardian Weekly, September 19-25 2002, p. 9)

中国政府は検索サイトグーグルに対する検閲目的のブロックを先日解除した。 しかし、「江沢民」などの語は引き続きサーチできないようになっている。

一口コメント

中国政府は、以前はファイアウォールでのブロックを試みていたそうだが、 最近はどんどんソフィスティケイテッドな検閲手段が生み出されているとのこと。 グーグルの場合は自動的にリディレクトするようにしていたらしい。

検索サイトのグーグルが狙われたのは、人気がある検索サイトというだけでなく、 過去のデータをキャッシュで残しているのでそれによってすでに検閲で削除された サイトの内容を見れるという事情もあったらしい。

また、最近の中国政府のネット検閲のことを、the Great Wall of China(万里の長城) からもじって、the Great Red Firewall of Chinaと呼ぶらしい。

関連ニュース

Google back online in China
グーグルが復活したという話。
China blocks second search website
グーグルに続き、アルタヴィスタもリルートされたので、 会社側はなんとか解決したいと言っている。Yahoo!は政府と契約を 結んでおり、政府にとって有害なサイトとみなされたものは フィルターするそうだ。
中国政府、『グーグル』へのアクセス遮断を解除
hotwiredの記事。
中国政府、グーグルを遮断
同じくhotwiredの記事。

英国の女性、元パートナーの同意がなくても冷凍胚を使用できるように裁判所に訴え出る

(from `Women in court battle over frozen embryos' in The Guardian Weekly, September 19-25 2002, p. 10)

英国の女性が、不妊治療のために準備した冷凍胚を始末してほしいという元カ レの主張を退けるために高等法院に訴えでた。英国では初めてのケースである。

現行の法(1990年の英国ヒト受精・発生学法: Human Fertilisation and Embryology Act 1999)によれば、 男性の精子と女性の卵子から作られた冷凍胚の保存および使用には、 当事者双方の合意が必要とされ、 いずれかの当事者が合意を撤回した場合には胚は処分されなければならない。 訴えでた二人の女性の一人のケースでは、 卵巣ガンの手術前に六つの胚を冷凍保存したが、 人工的に妊娠する手続を開始する前にパートナーと別れたため、 パートナーは胚を始末するよう主張していた。

訴訟を起こしたもう一人の女性の場合は、 再婚した男性と不妊治療をしていたが、 それがうまく行く前に離婚し、 夫は他の女性と付き合うようになった。 (彼女にはそれ以前につきあっていた男性とのあいだにできた 17才の子供がいる)

二人の女性は、現行法はパートナーの一方に完全な拒否権を与えているため、 人権侵害であるという主張を高等法院で行なう 予定である。このような裁判は英国では初めてであるが、 米国ではすでに数件起きており、ほとんどの場合は男性側の主張が勝訴しているが、 少なくとも一つのケースでは女性の主張が通っている。

一口コメント

この女性たちが使っているアナロジーは、「普通に妊娠していたら男性が堕ろせ といっても堕ろさなくてもいいでしょ」というものらしい。 たしかにそれは一理あるが…。

関連ニュース

Embryo fight couples in court
BBCの記事。すでに裁判は始まった様子だが、本格的になるのは 来年の頭かららしい。またDame Elizabeth Butler-Sloss (Mr Bのケースでも 判決を行なった人)が裁判を行なうようだ。
イギリス
立岩氏のメモ。イギリスの生殖医療情報が載っている。

Satoshi KODAMA <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Wed Sep 25 17:58:39 JST 2002