こだまの(新)世界 / 文学のお話

豊田有恒『SF的発想のすすめ』


感想

・SF作家、SF翻訳家、SFアニメ脚本家など、幅広くSF的活動をしている氏 のSF的エッセイ。

・ということになっているが、氏は日常生活のあらゆるものにSFを感じられる らしく、読者は氏の爪が「ひょうそ(漢字が出ない)」になった話やら、大学受 験に関する話やら、氏の飼犬が車にひかれた話やらに付き合わされる。狭い意 味でSF的なのは第一章のみなので、題名に魅かれてこの本を購入された方は第 一章だけ読むことをおすすめしたい。

・ただし、氏の文章は大変読みやすいので、時間があれば最後まで読むことを おすすめしたい。環境問題、邪馬台国論争、日韓関係、翻訳文化論など、今日 でも興味深いテーマが情熱をもって描かれている。


12/17/97-01/10/98

C-


Satoshi Kodama
kodama@socio.kyoto-u.ac.jp
Last modified: Sat Jan 10 19:43:43 JST 1998
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