労働

(ろうどう work)

`Work is the only thing that ever made anyone happy. The notion that work is a burden is a terrible mistake.'

---Katharine Hepburn


アダム・スミスや古典派経済学の考えでは、 生きるためのコスト。 マルクスやキャサリン・ヘップバーンの考えでは、 人間にとって不可欠な事柄(人間的生の本質。 疎外の項を参照せよ)。

ハンナ・アレントは『人間の条件』で労働(work)と仕事(labour)を区別したが、 これは上の二つの見解--生きる手段として労働と、 生きる意味としての仕事--を反映したものである。

労働といっても、工場で流れ作業の一員として働くことから、 野外で土木作業をすること、会社で事務作業をすること、 経営を行なうこと、ハリウッドの映画スターとして働くことまでいろいろある。 英語では「好きでやる仕事(labour of love)」と 「生きるためにやる仕事(labour of necessity)」という区別があるが、 たいていの場合、趣味を仕事にすると、楽しくなくなってしまう。 仕事が生きがいである人であっても、「楽しいですか?」と尋ねると、 「いや、仕事ですから」と答えるかもしれない。 そういう人は、仕事は遊びと違って禁欲的なものである考えているのだろう。

14/Jul/2003


参考文献


上の引用は以下の著作から。


KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Tue Jan 15 02:02:09 2002