道徳的権利の願望説

(どうとくてきけんりのがんぼうせつ the optative theory of rights)


「わたしはXに対して道徳的権利を持つ」という表現が意味するのは、 「それが法的権利であればよいのに!」という願望であるとする説。 ベンタムの 「権利のようなものがあればよいがあればよいと願う理由は権利ではない。 ある権利が確立されたらよいと願う理由はその権利ではない。 不足は供給ではない。空腹はパンではない」という主張がよく引用される。

しかし、ファインバーグは、 この説明では政府に対する抵抗権が説明できないとする。 というのは、抵抗権の存在を主張することを、 「抵抗権が法的権利であればよいのに」 という主張であると解釈することは難しいからである。

(08/22/99)


KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Fri Jan 28 06:33:24 JST 2000