唯物論

(ゆいぶつろん materialism)

唯物論は自然を唯一の現実的なものと考えるのに、 ヘーゲルの体系ではそれは絶対理念の「外化」(Enta:usserung)であり、 いわば理念の堕落にすぎない。 いずれにせよ、ここでは思考とその思想的産物である理念が本源的なものであって、 自然は一般にただ理念の下落によってのみ存在する派生的なものである。

---エンゲルス


この世界に本当にある(=実在する)のは物質だけで、 霊とか精神というものはないか、 あるいはあったとしてもそれは物体に還元される何かである、 と主張する立場。 これと正反対の立場が唯心論

この立場からすれば、 世界は神によって創造されたのではないと結論するのが自然である。 それゆえ、このような主張をすると、 当然キリスト教的な立場の人からは嫌がられるので注意が必要である。

史的唯物論も参照せよ。

04/18/99; 23/Dec/2002追記


冒頭の引用は以下の著作から。


KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Mon Dec 23 22:50:19 JST 2002