見えざる手

(みえざるて invisible hand)


アダム・スミスが使った言葉。 自己利益の追求が、 意図せず社会一般の利益の促進につながることを説明するために用いられた。 「各人は必然的に、社会の歳入ができるだけ大きくなるように努力する。 なるほど、一般的に言えば、 彼は公共の利益の促進を目指すわけではないし、 公共の利益をどのぐらい促進しているのかも知らない。 国外の産業よりも国内の産業をひいきにすることによって 彼が目指しているのは、自分自身の安全だけである。 また、国内産業の生産高が最大になるようにしむけることによって 彼が目指しているのは、自分自身の得だけである。 そして、他の多くの場合と同様、彼はこの場合においても、 彼が目指したわけではない目的を促進するよう、 見えざる手によって導かれるのである」

(Adam Smith, The Wealth of Nations, Book IV, Ch. II, こだまによる試訳、強調はこだま) (08/25/99)


KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Fri Jan 28 06:51:27 JST 2000