倫理学風研究 / 科学研究費補助金の実績報告書

平成14年度科学研究費補助金 (特別研究員奨励費) 研究計画調書


学振PDに採用されたとき科研費の申請書です。 一応参考のために以下に記録を残しておきます。


研究経費 使用内訳

平成14年度

総計800千円


平成15年度

総計800千円


平成16年度

総計800千円


研究課題名

ベンタムの功利主義的民主主義モデルの研究とその現代的意義の検討


研究目的

[何を、どこまで明らかにしようとするかがわかるように焦点を絞り、 具体的に記入すること]


本研究は、(1)功利主義に基礎づけられたJ・ベンタムの民主主義モデルを明確 に描きだし、そして(2)このモデルに立脚して、現代の民主主義の理論と実践 に対する明確な提言を行なうことを目的とする。この目的の達成のために、 次の三つの研究を平行して進める。

第一に、ベンタムの民主主義モデルの明確化を図る。とくに、ベンタム後期の 著作に広くあたり、(1)その功利主義的基礎づけ、(2)政府の腐敗を防ぐ手段と しての世論と情報公開の役割、この二点に重心を置いて研究を行なう。

第二に、ベンタムの民主主義モデルの独自性を浮き彫りにするために、ミル父 子の著作(『統治論』、『代議政治論』)をはじめ近現代の主な民主主義理論と 比較検討し、ベンタムの理論の特徴を明確にする。

第三に、このような形でベンタムの民主主義モデルの再構成を行なうのと並行 して、情報倫理の構築プロジェクト(FINe)に参加し、現代の民主主義における 世論と情報公開およびメディアの役割に関してベンタムの民主主義モデルに立 脚した問題提起を行なう。


研究計画

[特別研究員採用申請書記載の研究計画を各年度ごとに、 研究経費(主要設備又は主要な経費)との関連も含めて記入すること (現有設備との関連も含む)。 また、各年度の申請経費中設備備品費及び旅費が90%を超える場合は、 研究計画の特殊性ないし特殊事情について記入すること]


平成14年度

民主主義と功利主義の関係について研究する。功利主義によって民主政体を正 当化しようとするベンタムの議論を批判的に検討すると同時に、ミル父子の議 論(とくにジェイムズ・ミルとマコーレーの政治哲学の方法論に関する論争)も 考察し、三者の立場の異同を明らかにする。

そこで、英国政治哲学関連の図書50冊、 民主主義の基礎文献50冊、 研究遂行に必要なソフトウェアの購入を予定している。 またその他に、国内で資料収集をするための旅費(関東方面に3回程度)、 資料整理のための謝金、 学会発表と論文作成のための諸経費などを必要とする。


平成15年度

前半は、現代の民主主義理論の検討(participatory democracy, deliberative democracyを中心に)、および世論・メディア・情報公開に関する国内外の議論 を研究する。 後半は、英国UCLに行き、 主に世論の役割に関するベンタムとJ・S・ミルの議論についての研究を行なう。

そこで、 政治哲学・民主主義の文献を30冊、 世論・メディア・情報公開関連の図書30冊の購入を予定している。 また、国内と英国で資料収集するための旅費、 資料整理のための謝金、 および学会発表と論文作成のための諸経費を必要とする。


平成16年度

以上の研究をもとに、ベンタムの功利主義的民主主義モデルとその現代的意義 を総括的に示す論文を作成。また、情報倫理のプロジェクト(FINe)などへの参 加を通して、このモデルに立脚した現代の民主主義の理論と実践に対する提言 を行なう。

そこで、政治哲学・民主主義関連の図書を40冊、 および情報倫理学関連の図書40冊の購入を予定している。 また、国内で資料収集をするための旅費(関東方面に4回程度)、 論文作成のための諸経費、 資料整理・専門知識の提供に対する謝金などを必要とする。


KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Fri Mar 24 12:46:13 JST 2000