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透析療法が必要な時期は?

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1) 開始時期の目安

2) 症状がなくても透析開始?

3) 高齢者・糖尿病性腎症の場合は?

4) 急性腎不全の場合は?

開始時期の目安

腎臓の働きが低下し、食事療法や薬物療法だけでは体液の量や組成の維持が困難となった場合には、自分の腎臓の働きだけでは命を保つことが出来なくなり、透析療法が必要となります。

一般には、《ゴミ》のたまりが正常の10倍程度に達した場合(クレアチニン 8mg/dl以上、尿素窒素[BUN] 100mg/dl以上)、あるいは利尿剤などによっても体液の量をコントロールできず、強いむくみ(浮腫)や心臓に無理がかかるために心不全状態となった場合、カリウムなどの電解質濃度が生命をおびやかすほど異常を示す場合、などです。

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症状がなくても透析開始?

症状が出るまでに、あるいは軽い症状が出始めた頃が、透析療法を始める時期です。主治医の判断を信じて従うのが無難です。

慢性腎不全の患者さんは末期になるまで症状がないことも多く、そろそろ透析が必要ですよ!といっても、なかなか受け入れてもらえないことが多いのです。とくに最近エリスロポエチン(造血ホルモン)を使って強い貧血にならないように管理されている患者さんは腎不全末期になっても非常に元気なことが多く、《どうして透析なんか受けなければならないの?》と逆に主治医を困らせることがあります。

しかし、エリスロポエチンを使っていても腎不全末期にはだんだん効き目が悪くなってきます。これは《ゴミ》のたまりによって、エリスロポエチンの反応が悪くなっている事と、できた赤血球の寿命が短くなる(正常では約1カ月であるのが約2〜3週間に短縮)ためと考えられており、赤血球だけではなく体中の細胞が同じ様な状況に置かれていることを知って欲しいのです。

慢性腎不全が進んでも症状が出にくいのは、腎臓が最後の力をふりしぼって働いてくれているからです。腎臓を工場にたとえると、働きが1/10に低下しているような状態では、既に従業員は1/20〜30以下に減少しており、残った従業員が必死に働いて支えているのです。このような状態では他の臓器にも無理がかかっていますから、突然腎臓が倒産すると他の臓器も連鎖倒産するような危険があり、命にかかわるような症状が現れることになります。また、非常に長い経過で進行しますから、普段から《こんなものだろう》と感じていて、症状が見逃されていることも多いのです。

一昔前、検診などが普及していない時代には、意識がもうろうとして、胸のレントゲンで心臓を取り巻く袋に水がたまる尿毒症性心嚢炎という症状まで呈してようやく救急車でかつぎ込まれ、即刻透析を導入される患者さんが多かったのです。どうしてここまでガマンしたの!と聞くと、《昨日まで元気に働いていた。》と言うようなことがありました。このような患者さんは透析を始めると途端に楽になり、《もっと早く透析を受ければ良かった》といいます。このように透析療法が間に合って一命を取り留めることができればラッキーですが、間に合わずに命を落とす危険もあります。

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高齢者・糖尿病性腎症の場合は?

慢性腎不全の患者さんは症状が少ないと言いましたが、高齢者糖尿病性腎症の患者さんは、クレアチニン値が3〜5mg/dl程度の中等度の腎不全でも、心臓の働きが弱かったりする場合が多く、高度の浮腫や心不全などの症状を呈し、緊急に透析を必要とすることが多いのです。ですからこのような患者さんでは、もっと早く透析を開始することが必要となることが多いのです。

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急性腎不全の場合は?

慢性腎不全で透析を開始する場合は、現在の医学では腎臓移植を受けない限り、一生続ける必要があります。しかし同じ腎不全でも、急性腎不全の場合は異なります。急性腎不全は治ったり、軽快したりしますから、急性腎不全で透析を開始したときは、透析を中止出来ることも多いのです。

記憶に残っている方も多いと思いますが、平成7年1月に起きた阪神大震災の時の挫滅症候群(クラッシュ症候群)や、平成8年夏頃に各地で猛威を振るった、O-157大腸菌によるHUSに伴い多数の急性腎不全が発症しましたが、ほとんどは透析を離れることが出来ました。しかし、急性腎不全の原因となった病気が重くて治らなければ、透析を続けなければならないばかりか、原因となった病気で生命に危険な場合の多いのも事実です。

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