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糸球体腎炎とは

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糸球体の炎症によって、蛋白尿や血尿が出るような病気を総称して糸球体腎炎と呼んでいます。様々な種類があります。

1) 慢性糸球体腎炎

2) 急性糸球体腎炎

慢性糸球体腎炎

慢性腎炎とも呼ばれます。非常に複雑な病気です。慢性糸球体腎炎はーつの病気ではなく、様々な病気の総称なのです。

従って、症状や予後(腎不全に進行するかどうか)も様々です。原因もほとんど判っていないために、専門医の間でも治療法にも多少の差があるのが現実です。医師の説明の違いに悩まれて、このホームページを訪れた方もおられるかも知れません。しかし、腎生検などにより正確な診断が行われた場合、専門医の間ではそれ程違った説明は受けないと思います。とにかく正しい診断が先決です。

腎生検による正確な診断を受けるには、入院も必要ですし、多少の危険を伴うことも稀にあります。まず、腎生検が必要か否かを判断する必要があります。このためにまず症状から分類する方法があります。検診で血尿だけが見られる場合、蛋白尿を伴う場合、ネフロ−ゼ症候群を呈し、むくみ(浮腫)で発見される場合、急速に腎不全となる場合など、様々です。

原発性と続発性(二次性)とは

他に病気がなくて、糸球体腎炎が第一に起こっている場合を原発性、膠原病や紫斑病などの病気に伴って起こる場合を続発性(あるいは二次性)と区別します。さらに原発性糸球体腎炎は、急性糸球体腎炎と慢性糸球体腎炎に分けられます。

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急性糸球体腎炎

急性腎炎とも呼ばれます。急性糸球体腎炎は、一般に子どもに多く発症する病気ですが、成人や高齢者でも時々見られます。

扁桃やのどの炎症(多くは熱が出る)が治ってから、1〜2週間後に血尿(目では判らないことも多い)や蛋白尿、むくみ(浮腫)、高血圧などが現れるのが特徴です。熱が出ている最中や、治ってから5日以内に症状が現れる場合には慢性糸球体腎炎が炎症によって悪化した場合を考える必要があります。 急性糸球体腎炎では、これ以外に全身倦怠などの症状で受診して見つかることもあります。重症の場合には、乏尿(尿量が少なくなり)となり、むくみ(浮腫)が強くなると、肺までむくみがおよび(肺水腫)、呼吸困難を訴え、一時的に透析まで必要なこともあります。

急性腎炎の原因は、溶血性連鎖球菌などの細菌による扁桃やのどの炎症などがきっかけです。これらの細菌が体内に入ると、これが抗原となって、これに対する抗体が作られます。通常はこのような反応によって菌が殺され、炎症が治るわけです。しかし、ある状況(はっきりしていない)では、この抗原と抗体の結合した免疫複合体と呼ばれる物質が腎臓の糸球体にくっつくことによって糸球体の中に炎症が起こることになります。糸球体の中に白血球などが集まり、糸球体の細胞も増殖して毛細血管が詰まってしまい、血液の流れが悪くなるため、腎臓の働きが低下します。

一般に急性期を過ぎると、浮腫が軽快するとともに血圧が正常に回復し、通常1−3カ月後には血尿や蛋白尿は消えてしまいます。しかし、4−5カ月後に腎生検(腎臓の組織検査)を行うと、まだ糸球体に病変が残っていることが多く、約6カ月くらいは安静を守る必要があります。その後6カ月くらいは余り無理の無い生活を勧めます。できればもう一度腎生検で病気の程度を確認するのが最も確実です。

この病気の最も重要な特徴は他の多くの腎臓病と異なり、ほとんどの場合完全に治ることです。だからこそ完全に直すことが必要であり、慢性糸球体腎炎との区別が非常に重要となるわけです。慢性糸球体腎炎の中には急性糸球体腎炎と同じ様な症状で現れることも多い反面、多くは完治することは無く、治療方針が非常に異なるからです。急性糸球体腎炎が1年経過しても血尿や蛋白尿が続く場合、慢性糸球体腎炎として治療を続けます。

いずれにせよ、診断を確定する方法は腎生検しかありません。我々専門医でも、症状のみから急性糸球体腎炎と断定するのは困難です。

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