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尿の回数と量の異常(尿が多い、少ない)

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尿が多い、あるいは少ない、と言って病院に来られる患者さんがいます。

1) 尿が多いとき

2) 尿が少ないとき

3)尿が多い(多尿)のはなぜ?

4) 尿が少ないのはなぜ?

5) 夜間の尿は正常か?

6) 尿の量はどのようにして決まるのか?

尿が多いとき

尿が多いと訴える患者さんの中には、トイレに行く回数が多くて、1回の尿の量は少ない場合もあります。ほんとうに1日の尿量が多いのを多尿と呼ぶのに対し(普通は1日1〜1.5リットルですが、3リットル以上出る場合を多尿と呼んでいます)、1日の尿量は変わらなくても回数だけが多い場合を頻尿と呼んで区別しています。これは全く別の病気であることが多いからです。頻尿については「排尿の異常」の項で説明します。

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尿が少ないとき

尿が少ない、と言って来られる患者さんも多く、特に女性に多いのが特徴です。とにかく"おかしい"と思ったら我慢せずに受診されることを勧めます。この場合、1日にトイレに行く回数や、1回の尿量1日合計の尿量などをチェックして、診察を受ける時に言って頂けると、我々医師は非常に参考になります。受診して"尿の出方がおかしい"などと言ったら、すぐに膀胱にカテ−テルなどを入れて検査されるのではないか、と心配される方も多いと思いますが、このような検査を必要とするのは稀です。

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尿が多い(多尿)のはなぜ?

1日の尿量が3リットル以上出るような場合を多尿と呼んでいます。毎日3リットル以上も尿が出る方は、一度受診されることを勧めます。

原因は様々です。最も単純な原因は水分をたくさんとるから尿がたくさん出るということであり、毎日ビ−ルを3リットル飲めば、3リットル以上の尿が出るのは当然で、異常ではありません。神経質な方で非常にたくさんの水分をとられる場合もあります。

さらに異常にのどが乾く場合があります。最も多いのが糖尿病で、血液中の糖分の濃度が高くなると血液が濃くなり(浸透圧が上昇する)、喉が渇き水分をたくさんとります。また、尿に糖が下りると尿を濃くする働きが悪くなり、尿の量が増えるのも原因です。

一般に尿の量は脳の下垂体後葉と呼ばれる部分から分泌されるホルモン(抗利尿ホルモン;尿の量を調節する)と、腎臓がうまく調和して働くことにより調節されています。しかし、なんらかの病気でこのホルモンの出が悪くなったり、ホルモンの出方は正常でも、腎臓でのホルモンの作用が低下するような場合には尿の量は異常に多くなります。もちろん、尿がたくさん出るために、逆に喉が渇いてたくさんの水分をとるようになります。このような病気を尿崩症と呼びます。

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尿が少ないのはなぜ?

尿が少ない、と言って来られる患者さんのほとんどは、体がむくむ(浮腫)などの別の症状も訴えることがほとんどです。詳しくは、「むくみ(浮腫)とは」の項を参照して下さい。逆にむくみ(浮腫)などの症状が無く、尿が少ない、という症状だけで来院される患者さんは非常に少ないのが実情です。

ほんとうに尿の量が少ない場合を乏尿と呼びます。これは1日0.4リットル(400ml)以下の場合です。尿の量がこれ以下になれば、体の中で生じた老廃物、すなわち《ゴミ》を完全に尿に排泄することが出来なくなり、体の中に蓄積することになるからです。これは腎不全などの特殊な病気で起こります。尿が全く出ない場合を無尿(1日50ml以下)と呼びます。なぜ乏尿と無尿を区別するかと言うと、その原因が異なることが多いからです。尿意があるにもかかわらず、全く尿が出ない場合を尿閉と呼び、前立腺が腫れたりして起こります。

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夜間の尿は正常か?

夜中にトイレに行くのは癖、だなどと思い込まないで下さい。一度は検査を受けてください。

通常睡眠中はトイレに行くことはありません。もちろん寝る前にたくさんの水分をとれば、当然夜中に尿意を催し、トイレに行くため目がさめます。これを夜間尿と言います。特に水分をたくさんとった覚えが無いにもかかわらず、毎晩のように夜間尿がある場合には病気が隠れていることもあります。最も多いのは糖尿病です。腎臓の働きが低下した(腎不全)初期の症状としても現れることがあります。

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尿の量はどのようにして決まるのか?

体を水槽に例えますと、水槽に流れ込む水分はすべて口から入ります。一方出口は尿と便と汗などです。この出入りを主に調節し、体の水分の量を一定に保っているのが腎臓です。腎臓は体重の約60%を占める水分(体液)の内、細胞の外にある体液(細胞外液;体重の約20%)の量と組成を調節しているのです。

これが腎臓の最も重要な働きと言っても過言ではありません。従って腎臓に病気がなければ、口からたくさん水分が入れば尿の量は増えますし、逆の場合には尿の量は減ります。また、汗をたくさんかけば水分をたくさんとっても、体の水分を保つため尿の量は減少します。

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