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慢性腎不全の食事療法 【1/2】

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1) いつごろからはじめるか?

2) 家族や友人の協力が必要ですか?

3) 食事療法の五つのポイント

4) 蛋白制限

5) カロリーのとり方

いつごろからはじめるか?

腎臓の機能が低下しはじめた頃から食事療法が必要となります。年令にもよりまず具体的にはクレアチニンクリアランスが70ml/分以下に低下したら、程度に合わせて徐々に開始します。

しかし、勝手に始めるのは危険で、主治医と相談し、栄養士から具体的な指導を受けることを勧めます。

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家族や友人の協力が必要ですか?。

食事は文化です。また、共にする家族や友人とのコミュニケーションの場でもあります。患者さんだけに別のメニュを用意するのは非常に困難なことです。しかも毎日3度のことですから、食事を共にする家族や友人の協力が必要です。選べるメニューを何品か用意するようにすると良いでしょう。

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食事療法の五つのポイント

食事療法のポイントは、1)カロリーを十分とる、2)蛋白質の制限、3)塩分制限、4)カリウム、リンの制限、5)適切な水分量をとるなどです。しかしその程度は慢性腎不全の原因となった病気や合併症、あるいは年齢によっても異なります。勝手な判断はかえって腎機能や栄養状態を悪くする事も有り、主治医や栄養士から指導を受けるようにしましょう。

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蛋白制限

慢性腎不全の食事療法で蛋白制限が必要な事をご存じの方は多いと思います。蛋白制限の目的は腎機能を保護することにあります。慢性腎不全では残ったネフロンが過剰な働きを強いられていますが、蛋白制限によって、負担が軽くなることが知られています。

『日本腎臓学会のガイドライン』では、標準体重あたり1日0.6-0.7g(60kgの人では 60 x 0.6-0.7 = 36-42 g)が推奨されています。しかし、蛋白質は体にとって非常に重要な栄養素であり、いたずらに制限すると栄養不良となるような副作用があります。

内容的には蛋白価の高い(人間の体の蛋白質の組成と良く似た)動物性蛋白(たとえば肉、魚、卵など)をとることが必要です。しかし、カロリー源となるご飯などの穀物も蛋白質を含んでいるため、これを制限しようとすると、どうしてもカロリー不足になりやすいのです。

私共は、患者さんの腎機能、年齢や理解度、生活環境、さらには性格まで考慮して、標準体重当たり1日0.6-1.0gと広い範囲の指導を行っています。

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カロリーのとり方

蛋白制限も大事ですが、これだけなら簡単です。食べなければよいのですから。しかし標準体重を保持できるような十分なカロリーをとりながら、蛋白制限を守ることは非常に困難です。通常、蛋白制限を守ると、カロリー不足となることが多いのです。太っているより痩せている方が好まれる傾向が有りますが、栄養不良に陥る危険が有ります。

エネルギー源として糖質脂質で補うことになります。ただし、高脂血症のある方はあまり脂質を多くとれませんので主に糖質で補うことになります。しかしいくら工夫をしても、普通の食品だけで1日0.8g/kg体重以下の蛋白制限を行うと、必ずカロリー不足になります。不足分は、人工的なカロリー補充製品がたくさん市販されていますので、これらをうまく用いる必要があります。

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