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慢性腎不全の治療

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1) 慢性腎不全の二つの治療目標

2) 腎不全治療の作戦

3) 高齢者に注意!

慢性腎不全の二つの治療目標

慢性腎不全の治療目標の1つは慢性腎不全の進行を予防し、少しでも透析療法への移行を遅らせることにあります。慢性腎不全は進行性の疾患です。多少の変動はあるものの、良くなることはありません。従って、薬物療法食事療法安静療法により、少しでも進行を遅くさせることが目標です。

慢性腎不全治療のもう1つの治療目標は合併症の予防です。慢性腎不全の進行とともにいろんな合併症が現れます。中には、生命をおびやかすようなものもあります。

慢性腎不全が進行しても、透析療法が有りますからすぐに生命にかかわる事はありません。しかし、例えば高血圧が持続するような場合には、もちろん腎臓にも悪影響を及ぼしますが、生命にかかわる心臓病脳卒中などの合併症の原因となるわけです。さらに生命にかかわることはなくても、不適当な食事療法などを行うと骨がもろくなる、などの合併症が現れます。

慢性腎不全の治療は単に進行を遅らせる事だけが目的ではなく、これらの合併症が現れないようにすることも大きな目標となります。

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腎不全治療の作戦

腎機能の低下を予防する1つの方法は、腎臓の負担を減らすことです。

腎臓を会社に例えますと、慢性腎不全では、10人いた社員が5人以下に減ったとします。会社の仕事量が同じであれば、残った5人には今まで以上に仕事の量が増え、ついには過労死し、ますます社員は減っていきます。残った社員が減らないようにするには仕事量を減らす必要があります。これが食事療法安静療法薬物療法の目的です。

以上のことを行うのは実際はなかなか困難です。大事なことは、まず自分自身の病気をよく知り、病気にとって何が良くて何が良くないのかを理解することです。理解していないと、ただ「こうしなさい」といわれても長続きしないものです。

私どもの病院では十分理解し、身につけて頂くために教育入院を行っています。この病気はかなり末期になるまで自覚症状がなく、他人からも元気そうに見えます。この病気と長くつき合うには周囲の人の理解が必須です。入院することで、まわりの人達に自分が病気であることを知ってもらう機会にもなります。

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高齢者に注意!

慢性腎不全の治療は生きている間に透析療法に入らないように努力することですから、同じように腎機能が低下していても年齢によって、その必要性は変わります。

例えば若い患者さんで腎機能が30%に低下している場合は大変です。他の原因で生命を全うするまでの間に透析療法が必要になる可能性が高いからです。

一方、例えば70歳の高齢者が同じように30%の腎機能が有れば、進行が非常に早い場合や、心筋梗塞など他の合併症に伴って腎機能が急に低下することはあっても、一般には人生80年と考えると透析療法が必要となることは少ないわけです。ですから、私共はこのような場合、他の合併症を招かないような治療に重点を置き、腎機能を保護するための指導は最小限に行っています。

例えば食事療法などはポイントだけを指導し、蛋白制限などは行いません。蛋白制限などを指導すると必死で頑張るため、かえって栄養状態が悪くなり、抵抗力が低下し肺炎を起こして亡くなられた、と言うようなことになりかねないからです。

しかしながら、高齢者には透析恐怖症の患者さんが多い。これは透析療法がわが国で始まった頃の悲惨な状況がマスコミなどを通じて頭に残っているためと思われます。

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