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腎生検

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腎生検は内科的腎疾患の検査で最も重要です。

1) なんのために行うのですか?

2) どのような検査ですか?

3) どのような危険性がありますか?

なんのために行うのですか?

内科的腎疾患の正しい治療を行うためには腎生検不可欠な検査です。正しい診断には必須であり、ほかの検査で代行することはできません。

検尿や血液検査、腎機能検査、レントゲン検査によって腎臓のことはある程度判ります。しかし、内科的な腎疾患で様々な症状を呈する場合には、腎臓の組織検査(腎生検)を行わない限り病名や病状(活動性)を正確に知ることは、我々専門医でも不可能です。

検尿で蛋白尿血尿が出ているが、何の症状も無い方でも、この原因が本当に腎臓の病気によるものか?病変があるならば、腎臓のどこに、どのような病変なのか?その病変は活動性なのか?これからの進行の程度はどうなのか?どのような治療(薬物療法、安静療法、食事療法など)が必要なのか?などと聞かれても、腎生検の結果が無ければ専門医でも答えることはできません。

例えば、急性腎炎症候群を発症した患者さんの本当の病気は、急性糸球体腎炎であるのか、慢性糸球体腎炎が急激に悪化したのか?あるいは急速に腎機能が低下する場合に急性間質性腎炎や急速進行性糸球体腎炎の初期なのか?いずれも腎生検を行わない限り区別できません。早急に腎生検を行って、適切な治療を行わないと、とんでもない結果になることがあります。

腎臓専門医が腎生検を行わずに、患者さんの治療に当たることは、一部の例外はありますが、むしろ不親切である、とさえ考えられています。もしあなたが専門医から腎生検の必要を指摘されたら、いやがらずに積極的に受けるようにしましょう。

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どのような検査ですか?

入院で行います。背中から超音波検査装置(エコー)で腎臓を見ながら、安全な部位に針を進め、腎臓のほんの一部分を採取します。腎生検の方法も進歩し、患者さんの負担(特に腎生検後の絶対安静)も軽減され、合併症も非常に少なくなっています。以前は、一度腎生検を受けた患者さんは、二度と嫌だと言う場合も多かったのですが、最近は楽にしかも安全にできるようになったため、治療効果の判定や、検尿所見が変化すれば、何回も受ける患者さんが増えています。

採取した腎組織は、幾種類かの前処置(染色)をした後、顕微鏡で観察します。通常の顕微鏡で調べることはもちろん、腎臓に沈着した免疫グロブリンなどを調べるために免疫組織所見、もっと詳細な病変を調べるために電子顕微鏡まで駆使して調べます。

例えば、IgA腎症と言う腎炎の診断には、通常の顕微鏡所見はもちろんですが、免疫組織所見でIgAという免疫グロブリンが確認されてはじめて診断される病気です。

検査には入院を要します。腎生検直後は安静が必要ですし、稀には次に述べるような危険を伴うことが大きな理由です。たかだか1週間弱の入院ですから、結果が出るまでにしっかり腎炎の自己管理の勉強をして下さい。

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どのような危険性がありますか?

腎臓を針で穿刺しますので、腎生検には合併症が起こる危険性があります。

主な合併症は出血で、血尿、痛み(背部痛、側腹部痛)、発熱、腎被膜下血腫などがあります。最近は器具が改良され、このような合併症も非常に減少し、何回も繰り返し行う患者さんも増えています。

腎臓の組織を取る検査なので、腎臓の機能が低下すると心配する方もいますが、糸球体の数で言うと、多くても数十個で、片方の腎臓の糸球体が約100万個有ることからすれば、全く問題になりません。しかし安易に行う検査ではなく、腎生検の必要性は慎重に判断すべきことには変わりはありません。

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