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急性腎不全

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1) 急性腎不全とは

2) 急性腎不全の様々な原因

3) 急性腎不全の起こり方

急性腎不全とは

急性腎不全とはその名の通り急激に腎機能が低下する状態です。通常、尿の出が悪くなったり(乏尿)、あるいは全く出なくなったり(無尿)します。一般には余りなじみの無い病気のように思われがちですが、高齢者や糖尿病、高血圧など動脈硬化の強い人が増加しつつあるわが国では、ちょっとしたことでも急に腎臓の働きが低下することも多いのです。死亡率の高い病気です。

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急性腎不全の様々な原因

狭心症などの心臓病の診断や治療時によく行われる造影検査の際、もともと腎機能が低下している患者さんや、高齢者、糖尿病の患者さんなどではこの造影剤が尿細管の細胞を傷害し、一時的に急性腎不全の状態になることがあります。

主に糸球体が急激に傷害される病気として急性糸球体腎炎溶血性尿毒症症候群(一時期全国的に多発したO-157大腸菌感染によることが多く、糸球体だけではなく尿細管も傷害される)などがあり、やはり急性腎不全の原因となります。

見過ごされやすい原因として、抗生物質鎮痛剤など、様々な薬剤に対するアレルギーが腎臓に起こる薬剤性急性腎不全の場合があります。アレルギー反応は主にネフロンや血管の間を埋めている間質という部分に起こることが多く、急性間質性腎炎と呼びます。直接ネフロンの働き、すなわち尿を作るのに影響は無いように思われますが、間質に炎症に伴う無数の細胞が集まると、ネフロンや血管が圧迫され、尿を作ることが出来なくなり、急性腎不全の原因となります。しかし、血尿や蛋白尿の出ることも少なく、余程尿の量が減少して、強い浮腫でも現れなければ、体がだるい程度の症状で見過ごされることも多いのです。自然に治ってくれれば問題無いのですが、後遺症を残すことが多いと考えられています。

むやみに薬を飲むとこのような危険もあることを十分認識していただきたいのです。

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急性腎不全の起こり方

急性腎不全の原因も様々で、尿が出来て排出されるまでの経路によって、腎前性腎性腎後性に分けられます。急性腎不全の程度によっては一時的に透析療法まで必要としますが、原因がなくなれば治る可能性は十分にあります。透析を受けている限り急性腎不全がもとで死亡することはありませんが、原因となった病気で死亡することも多いのです。

腎後性急性腎不全

最も分かりやすいのは腎後性です。前立性肥大などで尿の通り道が閉塞すると、当然尿が出なくなり、腎臓の尿を作る働きもストップし、急性腎不全となります。しかし、治療も簡単でこのような閉塞を取り除けば治ります。ネフロンの項で述べたように、腎臓の働き、すなわち尿を作る過程はネフロンと言う管状の構造で行われているため、ネフロンの一部が傷害されても全体の働きが出来なくなり、尿を作ることが出来なくなります。このような傷害が突然、しかもすべてのネフロンに起こると急性腎不全状態となります。

腎前性急性腎不全

急性腎不全の最も多い原因の1つにショックがあります。これは、精神的なショックではなく、例えば、心筋梗塞や大出血などによって血圧が急激に下がる状態を言います。このような場合、腎臓を流れる血液が極端に減少し、尿を作ることが出来なくなります。急性腎不全の原因が腎臓に十分な血液が流れてこないことにありますから、腎前性急性腎不全と呼びます。血圧を上げて、腎臓に十分な血液が流れるように治療すれば、急性腎不全も治ります。

腎性急性腎不全

腎臓に流れる血液が減少すると、腎臓の細胞が生きていくのに必要な酸素の運搬も出来なくなります。この場合、特に酸素不足に弱い尿細管細胞が死んでしまいます(尿細管壊死)。尿細管が働かなくなれば、いくら糸球体が正常でも、ネフロンとしての働きが出来ず、急性腎不全となります。いくら血圧を上げて十分な血液を腎臓に流しても手遅れで、新しい尿細管細胞が生まれるまで、腎臓の働きは停止します。このような状態を腎性急性腎不全と呼びます。

心臓が止まってから腎臓を取り出し、腎機能を失った透析患者さんに移植する、献腎移植の場合も尿細管壊死が起こります。この場合、取り出された腎臓の尿細管は死んでいるため、移植が成功してもすぐには尿は出ません。尿細管が再生して尿が出るまで1週間程度かかります。もし、脳死状態で腎臓を摘出すれば、尿細管細胞は生きていますから、移植後すぐに尿が出ます。

尿細管細胞は毒性物質にも弱く、阪神大震災の時にはガレキの下敷になって筋肉が傷害され、筋肉の中から遊出した様々な物質が尿細管細胞を傷害して急性腎不全をきたした、いわゆる挫滅症候群(クラッシュ症候群)が発症しました。

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