第3回glut1異常症患者会総会に参加してきました

 平成25年8月4日日曜日に、名古屋市にある「ウィルあいち」で開催されました「第3回glut1異常症患者会総会」に参加してきました。大変遅くなりましたが、参加した感想などについて掲載させて頂きます。

 この総会は、平成21年に第1回(名古屋市)、平成23年に第2回(京都市)と2年毎に開催されてきました。今回は3回目ということで、今回の総会は、「勉強会」、「患者さんの体験談」、「料理教室」と内容が盛りだくさんでした。

 また、午後1時からの開催に先立ち、正午からロビーにて低糖質のお弁当の試食会がありました。名古屋市内の店舗やインターネットで低糖質のロールケーキやマフィン等を販売する「FOOD CONTROL SHOP ZERO」が特別に作ってくださった「カルッツォーネ、ウィンナー、おからサラダ、ベイクドチーズケーキ」のお弁当を試食させていただきました。写真を撮るのを忘れましたが、量は少し少なく感じましたが、味はよく、大変美味しかったです。glut1異常症患者会の会員さんは、患者さんが、少しでも家族と同じものが食べれるように、色々とリサーチされているようで、すごく勉強になりました。興味がある方は、「http://food-control-shop-zero.com」をチェックしてみてください。

 そして総会ですが、以下のようなスケジュール、内容で行われました。

スケジュール 内  容
13:00〜13:30
会員受付、患者会総会
 会計報告、活動報告、予算案承認、活動案承認、役員承認が順番に行われました。
 活動報告の中で、昨年度から、glut1異常症患者会からも厚労省主催の難病対策意見交換会に参加し、平成24年8月には、「glut1欠損症患者の現在の苦労と将来への不安」との題名で、glut1異常症(欠損症)が難治性疾患克服研究の対象疾患に選ばれたこと、特殊ミルク「ケトンフォーミュラ」が厚生労働省登録特殊ミルクに指定されたことへの感謝の意を述べるとともに、ケトン食をはじめとする低炭水化物高脂質の治療食を長く続ける中で感じる精神的、経済的な負担や不安について説明するとともに、治療食の指導・管理ができる栄養士の育成と需要がある施設への派遣体制の整備などの4つの要望を行ったが紹介されました。
 また、glut1異常症患者会が、会員や会員以外の治療食実施者について、液状のケトンフォーミュラであるケトニアの韓国からの個人輸入の窓口・補助をしていることが報告されました。(詳しくは、glut1異常症患者会のブログをチェックしてみてください。)
13:30〜14:15
来賓紹介、勉強会
 大阪大学大学院医学系研究科小児科学 医師 青天目先生から「glut1異常症の症状と健康管理」との題名で勉強会が行われました。
 最初にglut1異常症の発症メカニズム、症状、診断方法の説明があり、その後ケトン食療法や修正アトキンス食等の食事療法がglut1異常症の症状を改善するメカニズムの説明がありました。
 続いて、青天目先生が、第3金曜日午後の「神経特殊外来(glut1外来)」の前にお母さんたちと雑談する中で発見した「痛がらない」、「天気の変化で調子が悪くなる」、「爪を切ったことがない」などの症状を更に詳しく調べるために実施したアンケート結果について、「第55回日本小児神経学会(平成25年5月29日:大分市)」で発表された内容を引用しながら説明してくださいました。これらのアンケート結果が、glut1異常症患者の早期診断や早期治療に活かされる予感を感じました。
14:15〜15:00
成人患者さんの体験談
 成人してからglut1異常症と診断され、食事療法を開始して、
・年数回あったてんかん発作が消失し、抗てんかん剤を中止できた
・歩行がふらついていたが、まっすぐ歩けるようになった
・集中力や意欲が増し、人の話を理解しやすくなった
・言葉がスムーズに出るようになり、記憶力も改善した
等の体験をした成人患者さんから”生の”体験談を聞くことができました。
 また、成人患者さんは自宅近くの病院で食事療法の指導を受けることができず、静岡てんかんセンターへ定期的に通うこととなっている現状の改善について訴えられました。
 日頃、幼い息子や娘が、食事療法を通じて体験しているであろう気持ちや症状の改善状況などをこの成人患者を通じて聞こうと、glut1異常症患者会の会員さんからは、次々と数多くの質問が寄せられました。成人患者さんは、それらの質問に一つ一つ丁寧に答えておられました。
18:00〜20:00
料理教室
 希望者のみの参加でしたが、会員さんが考案した献立を使った料理教室が開催されました。
 献立は、「ケトンフォーミュラを使ったお好み焼き」と「味噌仕立ての汁」でした。
 我が家では、お好み焼きを作るときに生クリームを使っていましたが、今回は生クリームを使わずに、ケトンフォーミュラ、卵、キャベツのみでした。トッピングに鰹節、青のり、ソースを使いましたが、それ程油っぽくなく、美味しかったです。(生クリームを使うのは止めた方がいいかもしれません。)
 味噌汁は、作って頂いたのを食べたのでレシピは覚えていませんが、美味しかったです。
 子供達と一緒に作り、一緒に食べた経験は貴重です。楽しかったです。


 今回の総会参加を通じて、
・glut1異常症患者会は、食事療法のノウハウや患者に特徴的な症状などの蓄積や共有を図る上で大変貴重な存在であることが再認識できたこと
・総会での患者家族どうしの意見交換を通じて、今一歩食事療法に踏み出せない家族を勇気づける等glut1異常症患者への治療法などの啓蒙活動を行うことが重要であること
・glut1異常症患者会は、厚生労働省や世間一般におけるglut1異常症の認知度を上げ、患者本人やその家族の治療環境改善に役立っていること
の大切さを感じることができました。

 また、参加された管理栄養士さんが、「治療食の指導・管理ができる栄養士」が不足しており、その育成が必要とされていることを認識されたことが大変有意義であったと感じました。

 ケトン食普及会としましては、今後も引き続き、glut1異常症患者会の活動をサポートしていきたいと思います。