ケトン食普及会として講習会を実施

 ケトン食普及会では、従来から、冊子「はじめてのケトン食」の無料配布や病院等の施設において「ケトン食の体験談」の紹介などを実施し、ケトン食の認知度を向上させるとともに、ケトン食の持つネガティブなイメージの払拭を図ってきたところです。

 今年(平成23年)になって、当会の母体である「NPO小児慢性疾患療育会」を運営され、当会のケトン食指導医でもある、松戸クリニックの丸山博先生から松戸クリニック分室にて特別支援学校の保健担当の教諭向けの講習会を実施するので、当会からケトン食の説明をしてはどうかとのお話を頂きました。

 丸山博先生が日程調整をしてくださり、平成23年7月26日(火)、松戸クリニック分室にて、以下のような内容で、ケトン食普及会としての講習会を実施しました。

日    時 担 当 者 内    容 写    真
平成23年7月26日(火)
10:00〜10:30
丸山博先生 ケトン食の意味、実際の臨床について
10:30〜11:30 中蔦弘行 難治性てんかん治療のための食事療法について
11:30〜12:00 福島栄養士 ケトン食の実施例紹介(2例)
12:00〜13:00 昼食、休憩ののち、
松戸クリニック本院及び分室の見学
13:00〜14:30 丸山博先生 心身障害の解説

 当日は、特別支援学校の保健担当の教諭に加え、実際にケトン食に取り組んでおられる病院の栄養士の参加もあり、講義中に熱心にメモをとられる方や、講義のあとに関わっておられる生徒や患者についての具体的な相談がありました。
 今回の講義は、ケトン食等の食事療法の概要の説明が中心でしたが、今後は、具体的な献立の作り方や調理の仕方など、より実践的な内容で実施してほしいとの要望もありました。

 私は、個人的には、丸山博先生が講義された「心身障害の解説」の中で触れられた「障害受容」ということの大切さを学びました。
 自分の子供が難治性てんかんと診断され、障害者になるという時、どのような行動をとるか?
 最初は、その診断結果にショックを受け、次いで「なぜ私の子供が・・・・」という戸惑いや怒りが沸いてきます。
 次に神頼みや民間療法などに助けを求めます。私自身も「カリスマ整体師」や「神の力を持つ方」にすがりました。
 しかし、効果がないことを悟ったときに、「もう明るい未来は無い」と思い込み、落ち込み、うつ状態になりました。
 その後、何らかのきっかけで、子供の障害を受け入れることができたら、この状況を最善に処理するために動き出す力が沸いてきます。
 私自身も、ある方から「仕方ないと思いなさい。」と言われ続け、やっと「子供が難治性てんかんで、障害児になることは仕方がないこと」と受け入れることができて、3つの抗てんかん剤を併用する薬物療法からケトン食療法へ取り組む力が沸いてきました。
 この「障害受容」ということ、ケトン食療法を行う上で大変重要なことだと思います。