アトキンス変法を勉強するためにJohns Hopkins Hospitalへ行ってきました
平成21年8月8日(土)、名古屋のウィル愛知にて開催された「GLUT-1異常症第一回総会及び勉強会」に参加させていただき、古典的ケトン食、MCT
Diet、アトキンス変法の考え方を取り入れた、ケトンフォーミュラを使ったケトン食についてお話させていただきました。 当日は顧問医師である下野九理子医師による「GLUT-1異常症について」の講義を聴講させて頂くとともに、実際に「アトキンス変法」を実施されている方々からもお話を伺うことができました。 「GLUT-1異常症」患者さんは難治性てんかん患者に比べ、長期間にわたり「ケトン食」を実施する必要があり、成長に必要なタンパク質やカロリーを比較的多く摂取できる「アトキンス変法」がより有効であるとのことでした。 この総会・勉強会を通じて、「アトキンス変法」をもっと勉強する必要性があることが強く認識されました。 |
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平成21年9月18日(金)から9月27日(日)の間、静岡てんかんセンターの今井先生のお力添いのおかげで、シルバーウィークを利用して、アメリカ・ボルチモアを訪れ、アメリカにおける「アトキンス変法」及び「ケトン食療法」の現状を認識するとともに、ロサンゼルスにて「ケトン食の普及活動」の現場を垣間見る旅に出かけてきました。 |
Johns Hopkins HospitalにてDr. Eric H. Kossoff, MDとともに | ロスのホテルにてMr. Jim Abrahamsとともに | |
平成21年9月21日(月) Johns Hopkins HospitalのDr. Eric H. Kossoffの事務所にて、「アトキンス変法」担当の栄養士であるMs. Jennifer L. Dorwardを交えて、同病院で実施している「アトキンス変法」について教えて頂いた。 同病院でケトン食療法を実施する場合は、事前に予約し入院の上実施することになるようですが、現状では約6ヵ月先までの予約が一杯であり、直ぐにでも難治性てんかん治療として食事療法を実施したい患者さんには、「Basic Modified Atkins Protocol」を使った簡単な事前説明や献立の立て方等の説明を行ったうえで、自宅で「アトキンス変法」を実施することを勧めているようです。 同病院で実施している「アトキンス変法」は、患者さんの親が市販の「2009 THE CALORIE KING -Calorie FAT & Carbohydrate Counter」を使って立てた献立を「Basic Modified Atkins Protocol」の中に用意されている「3 Day Food Intake Record」に入力し、栄養士にEメールすることで献立に含まれる一日の糖質の量が「10g以下」になるように管理されているとのことでした。 患者さんは半年に一度等の間隔で通院し、検査結果等を踏まえ、一日の糖質の量を「15g」、「20g」へと増やしていくこととなるとのことです。 平成21年9月22日(火) Johns Hopkins Outpatient Center 5階のNeurology/Neurosurgeryにて、Dr. Kossoff が、Dr. Vining, Dr. Rubensteinとともにチームを組み、「ケトン食」担当の栄養士やカウンセラーのサポートの中で行う外来診療において、7名の患者さんとの診察に同席させて頂き、患者さんと意見交換する機会も与えて頂きました。 患者さんはアメリカ全土から約6ヵ月毎に通院しているようでした。日頃のEメールでのやりとり、EEG等の検査結果、栄養士からの情報をもとに3名の医師が今後の治療方針を話し合い、合意の上で患者さんの診察に当たるというチーム医療がなされるという現場に立ち合わせて頂きました。 一つの病院に3名のケトン食の専門医師がいて、チームで診察に当たっていることに驚きを覚えた次第です。 今後ともDr. Kossoff と連絡を密にして、アメリカ・ボルチモアからケトン食を取り巻く最新情報の入手に努めていこうと考えています。 |
平成21年9月25日(金) 日本からのEメールでは予約が取れませんでしたが、ボルチモア滞在中にDr. Kossoff の支援で、帰国途中で訪問したロサンゼルスのホテルにて、アメリカにおいて「The Charlie Foundation」を主催し、長くケトン食の普及活動に取り組まれている、Mr. Jim Abrahams とお会いすることができました。 「Mr. Jim Abrahams」といってもピンとこない方々もおられるのではないかと思います。ケトン食を取り扱った、メリルストリープ主演の映画「誤診(First Do No Harm)」の映画を作られた方と言えばおわかりでしょう。 2時間という短い時間でしたが、私が日本で取り組んでいるケトン食普及活動について説明させて頂くとともに、今後の活動へのアドバイスをして頂きました。 冊子「はじめてのケトン食」については大変興味を持たれ、是非英語訳し、アメリカで配布したいとのご希望がありました。 また、Mr. Jim Abrahams が主催している「The Charlie Foundation」の専属栄養士である、Ms. Beth Zupec-Kania, Rd は世界各国を巡りケトン食の普及活動を行っているそうで、最近は韓国やサウジアラビアを訪れたそうです。近い将来に是非日本も訪れ、ケトン食の普及活動を支援したいとの提案がありました。 今後、栄養士であるMs. Beth の来日を実現し、日本でケトン食やアトキンス変法に取り組んでおられる栄養士の方々との意見交換や勉強会をを実施できる機会を提供できるように調整していこうと考えています。 日時、場所等の詳細事項が決まり次第、皆様にお知らせし、参加者を募集していきたいと考えています。 なお、「The Charlie Foundation」のホームページにご興味のある方々は、こちらからアクセスしてみてください。 |
Dr. Eric H. Kossoff から頂いた言葉です。 21 September 2009 Welcome to Baltimore ! Continue your excellent work ! - Eric Kossoff |
Mr. Jim Abrahams から頂いた言葉です。 I have Now had the honor of meeting Mr. Nakatsuta and I can tell you he is doing a wonderful thing for children & others with difficult seizures in Japan. Jim Abrahams |