迷走神経刺激療法が保険適応となりました!


2010年7月1日、迷走神経刺激療法が保険適応となりました。難治性てんかんをお持ちの患者さんにとっては、ようやく迷走神経刺激療法が治療の選択肢の一つとなったわけで、大きな進歩です。もちろん、東大病院でも、 2010年7月から は、保険診療として装置の埋め込み術や交換術を施行しております。


これに伴い、以下の解説の 「1) 迷走神経刺激療法をご希望の方へ」のページの「本治療法の概要」「必要経費」を修正いたしました。

迷走神経刺激装置が薬事法で承認されました!


2010年1月8日、迷走神経刺激装置が薬事法で承認されました。使用目的、効能又は効果、承認条件は以下の通りです。


【使用目的、效能又は効果】 
迷走神経刺激装置VNSシステムは、薬剤抵抗性の難治性てんかん発作を有するてんかん患者(開頭手術が奏功する症例を除く)の発作頻度を軽減する補助療法として、迷走神経を刺激する電気刺激装置である。
 
【承認条件】
  1. てんかん治療に対する十分な知識・経験を有する医師が、難治性てんかん発作に対する本品を用いた迷走神経刺激治療に関する講習の受講等により、本品の有効性及び安全性を十分に理解し、手技及び当該治療に伴う合併症等に関する十分な知識・経験を得た上で、適応を遵守して用いるように必要な措置を講じること。
  2. 使用成績調査により、登録症例(国内治験症例を含む。)及び全ての小児症例の長期予後について、経年解析結果を報告するとともに、必要により適切な措置を講じること。
これでようやく日本でも迷走神経刺激装置が難治性てんかんに対する治療装置として認められたわけです。
といってもすぐに保険で使用できるわけではありません。まず保険診療での装置の価格を決め、それから、植込手術を保険適応の外科手術として認めてもらい手術の保険点数(価格)が決められます。現在は、厚生労働省と担当企業が装置の価格について交渉中だそうです。数ヶ月以内に保険で使えるようになると良いのですが。
また、薬事承認に伴って、日本てんかん学会、日本てんかん外科学会、日本脳神経外科学会の3学会合同の迷走神経刺激療法施行ガイドラインが策定されました。

難治性てんかんに対する迷走神経刺激療法

難治性てんかんに対する迷走神経刺激療法 左頚部迷走神経に刺激電極を、前胸部に電源装置を埋込んで、左迷走神経を常時間歇的に電気刺激することで大脳全体の発作抑制力を高めようという治療法です。

迷走神経刺激療法の発作抑制力は、てんかん焦点切除術などの開頭手術ほど強くはありませんが、開頭手術が不要なこと(低侵襲性)と刺激をいつでもやめられること(可逆性)が大きな長所です。また、発作に対する開頭手術を受けた後に残ってしまった発作に対しても効果があることが確認されています。

1988年にアメリカで臨床応用が始められ、1997年にはアメリカ食品医薬品局が認可しました。日本を除くほとんどの先進諸国ですでに認可されており、2005年までに世界中で4万人近いてんかん患者様に治療が行われています。

日本では1990年代半ばに臨床治験が行われましたが、厚生労働省の承認にいたらず、残念ながら今日でも薬事法上未承認のままです。

東京大学医学部附属病院脳神経外科では、この治療を希望される患者様方のご要望に応えるべく、学内倫理委員会の承認を経て、2005年度より「医師個人輸入による研究医療」として本治療法を開始しました。

迷走神経刺激療法の解説

ここでは迷走神経刺激療法について8ページにわたり、くわしく解説をします。


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