【目的】当院では2000/01シーズンから同一基準で院内でのインフルエンザ様疾患(以下fluと略)サーベイランスを続けている。2002/03シーズンまでの3シーズンのflu流行状況について報告する。【方法】小児については、ザウルス入力で作成された外来患者ファイルの中から、flu患者を抽出して集計した。成人については、flu迅速検査を実施した場合をflu患者として集計した。当院におけるflu診断基準の詳細については昨年の本学会で報告した。【結果】2000/01から2002/03シーズンまでの3シーズンの年間flu患者数は小児は1723人、1577人、3195人、成人は260人、303人、676人であった。2002/03シーズンのflu流行状況は小児は患者総数3195人で、この中で2808人で迅速検査(エスプライン)を実施し、A陽性532人、B陽性414人で陽性率は33.7%であった。確実例946人の中で最年少は生後13日の新生児のA型例、入院は99人で入院率は10.5%であった。死亡、脳炎・脳症の症例はなく、入院99人中で熱性痙攣の合併は21人(21.2%)であった。ウイルス分離ではAH3 19株、B 1株が分離された。成人では患者総数676人で、全員で迅速検査を実施し、A陽性130人、B陽性44人で陽性率は25.7%であった。確実例174人の中で最年長は痴呆で入院中の92歳のA型女性例、入院中にインフルエンザに罹患したのは8人で、残り166人の中で入院は8人で入院率は4.8%であった。flu関連死亡は肺ガンの79歳男性1例でfluで入院後死亡した。【考察】国立感染症研究所のデータでは2002/03シーズンの流行は中規模とされているが、当院小児の受診状況では過去13シーズンの中で最大であった。成人では3シーズンのデータ蓄積しかなく、今後もサーベイランスを継続する予定である。