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概要

抄集録

46P-091 結帯動作による疼痛を主症状とした症例に対し肩甲胸郭関節機能改善が有効であった一例長坂脩平1)1)医療法人 慈善会 安藤病院key words 結帯動作・肩甲胸郭関節・肩関節周囲炎【はじめに】 結帯動作から肩関節下垂位に戻る際に生じる疼痛を主症状とした左肩関節周囲炎と診断された患者に対し、肩甲胸郭関節機能改善に着目してアプローチした結果、疼痛の軽減を認めたためここに報告する。【症例紹介】 40 歳代女性。平成28 年10 月頃誘因なく発症。様子を見ていたが疼痛改善せず、平成28 年11 月下旬に当院を受診されリハビリ開始となる。【説明と同意】 ヘルシンキ宣言に則り本人へ十分な説明を行い、同意を得て実施した。【理学所見】 疼痛は結帯動作から左肩関節下垂位へ戻る際に左肩関節前方に生じていた。左肩関節屈曲・外転の可動域制限、疼痛は認めず、肩甲上腕関節の副運動も制限は認めなかった。鑑別検査として腱板機能、前方不安定検査を実施したが陰性であった。静止立位では左肩甲骨外転・上方回旋を認め、疼痛出現動作時は外転・上方回旋を生じ、これを徒手的に修正することで疼痛は消失した。またTh3,4,5 レベルでの左胸椎椎間関節、左胸肋関節、左肋椎関節の可動制限を認めた。【介入・結果】 肩甲胸郭関節機能改善を目的に左胸椎椎間関節、左胸肋関節・左肋椎関節の可動制限改善に介入した。介入後、左胸椎椎間関節・左胸肋関節・左肋椎関節の可動性は向上し、静止立位での肩甲骨位置の左右差は消失した。結帯動作から下垂位に戻る動作時に認めた肩甲骨の外転は消失し、肩甲骨への徒手的誘導を加えなくても疼痛は消失した。【考察】 結帯動作時に生じる疼痛は肩関節2nd 内旋可動域低下との相関が報告されているが、本症例の特徴とは一致しなかった。理学所見から本症例の疼痛は肩甲上腕関節の可動性低下・不安定性に由来するものではなく、肩甲骨の機能異常の結果、結帯動作から下垂位に戻る際に肩甲骨に過度の外転が生じていることが原因と考えた。介入として、肩甲骨機能異常に関連する胸郭・胸椎の可動性を改善することで、結帯動作から下垂位へ戻る際の疼痛の消失につながったと考える。P-092 投球動作が肩関節回旋筋群に与える影響━BIODEX を用い可動域内での最大筋トルク発揮角度の変化に着目して━斎藤雄介1),荒木知剛1),河合健太1),高橋悠介1),中田匠1),平賀大地1),森田将矢1),新谷益巳1)1)群馬医療福祉大学 リハビリテーション学部 リハビリテーション学科 理学療法専攻key words 投球障害・外旋筋群・内外旋筋トルク比【目的】 繰り返しの投球により肩関節内外旋筋力や筋力比の低下を認めることは先行研究にて報告された.BIODEX の可動域とその結果を分けて研究したものは少なく, 障害が生じやすい可動域は明らかにされていない. そこで, 本研究は内外旋の総関節可動域を120°と設定, 分析角度は4 群に分け, 投球数増加による筋力及び筋力比の傾向について探究した.【方法】 対象は研究の説明を受け同意した健常男子6 名( 年齢19.5 ± 0.5 歳) とし, 内容は群馬医療福祉大学倫理審査委員会の承認を得た.20 球× 5 回の投球を行い, 投球前,20球毎( 計6 回) にBIODEX(180deg/sec) を使用し肩関節2nd position にて測定. 解析は,4 群(0 ~ 30°,31 ~ 60°,61~ 90°,91 ~ 120°) における投球前に対して各投球数後の最大内外旋筋力および筋力比に対応のあるt 検定を行う.【結果】 各投球数での最大筋力は外旋31 ~ 60°, 内旋0 ~ 30°内にて認め, 投球数増加に伴い内外旋筋力比は低下傾向を示した. 外旋筋力については投球前に対して80 球後,100球後の外旋0 ~ 30°内にて有意差(p < 0.05) を認めた.【考察】 投球数増加によって外旋筋力は低下し, それに伴い内外旋筋力比の減少傾向も認めた. 要因として, 加速期で生じる急速な上肢の内旋運動を減速期にて外旋筋が制動作用として機能していることが考えられ, より強い収縮を必要とし, 繰り返し投球動作を行った結果, 外旋筋の筋疲労が内外旋筋力比の減少に繋がったと考える. 内外旋筋力比は65% 以下で投球障害を引き起こしやすいと言われ, 本研究結果において0 ~ 30°で投球前(54.4%) より低値を認め,100 球後(35.4%) も4 群内を比較すると最も低値を示した. このことから, 投球数増加に伴い上記可動域内にて障害発生リスクの要因となる可能性の1 つとして示唆された.【研究課題】 本研究はBIODEX を用いた二次元の計測のため, 投球に近似した動作で計測する必要がある. 今後はより実践に近い環境での測定が必要である.