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概要

抄集録

45P-089 多発性骨転移に対し,骨転移カンファレンスによる情報共有とチームでの介入により自宅退院に至った一例中曽根沙妃1),山鹿隆義2),松森圭司1),大津勇介1),吉村康夫1)1)信州大学医学部付属病院 リハビリテーション部2)健康科学大学 作業療法学科key words 多発性骨転移・骨転移カンファレンス・B-SES【はじめに】 多発性骨転移の離床基準は明確ではなく,スタッフの経験則に基づいている.今回,リハ介入時に骨転移カンファレンスを行い,安静度に応じた介入により自宅退院に至った事例を経験したため報告する.本事例には報告の趣旨を十分説明し,同意を得た.【事例紹介】 事例は73 歳女性で,診断名は乳がん,多発性骨転移(Th1,4,7,10-11,L1-3,S1,右第2-4 肋骨,左鎖骨,左右肩甲骨,左上腕骨近位,左第2,7-8 肋骨,右腸骨,左臼蓋後壁,左大腿骨転子部,右大腿骨遠位,左脛骨近位),肝転移で,骨転移は混合型であった.現病歴はX-4 ヶ月頃より右殿部痛出現.多発性骨転移の疑いでX-1 ヶ月時に当院紹介受診.X 日に入院となった.【経過・リハ介入】 X+1 日目よりリハ介入し,リハ医と共に骨転移カンファレンスを行った.介入前は車椅子移乗を行っていたが,骨転移の状況から安静度を床上のみとした.長期臥床が予想されたため,B-SES や起立台での立位練習を行った.また,看護師に環境設定と生活動作指導を実施した.X+19日目にTh12-L4 後方固定術を施行.X+20 日目より歩行練習を開始したが,左脛骨粗面部の腫瘍,右膝関節面の壊死疑いが確認されたため,歩行練習を中止し,B-SES や立位練習を行った.その後も定期的にカンファレンスを行い,X+50 日目に平行棒内歩行練習を開始した.画像所見で骨修復を認めたため,X+78 日目より歩行器歩行練習を開始し,X+79 日目に自宅退院となった.【考察】 安静度を上げることで骨転移による有害事象を回避できる.一方,進行がん患者は悪液質などで廃用症候群を呈しやすい.本事例は定期的な骨転移カンファレンスと安静度内での廃用予防により,安静指示の解除に従い速やかに歩行獲得できた.多発性骨転移を合併した進行がん患者への介入は療法士のみならず,医師や看護師と連携を取り,廃用予防や生活動作指導を行うことが重要と考える.P-090 異常な高血糖状態の糖尿病教育入院指導を経験して大神祥一郎1),若林良明2),高柳富美江1),鈴木知里1),牧野真由美1),石合優花1),石川守1),岡本和文1)1)医療法人 丸山会 丸子中央病院 2)介護老人保健施設 御所苑key words 糖尿病・教育入院・理学療法【はじめに】 血糖値1923mg/dl で緊急入院したが、医師の指示のもと理学療法を実施することが効果的であったと思われる症例を報告する。この報告を行うにあたり、本人の同意を得ており、また当院の倫理審査委員会の承認を得ている。【症例紹介】 22 才、男性。勤務先の休憩室で意識なく倒れているところを発見され救急車にて当院へ緊急搬送。搬送時、身長155cm、体重84.0kg。JCS30、BS1923mg/dl、HbA1c13.2、にて、2 型の糖尿病性昏睡、脱水症等として治療開始。【経過】 入院当初は輸液とインスリン投与にて少しずつ血糖値を下げる方針で意識レベルも徐々に回復。2 月21 日食事摂取開始。同時に糖尿病教育入院チームに指導の依頼が出て、3 月1 日に理学療法の指示が出た。(糖尿病教育入院チームとしての関り)主に各職種の日本糖尿病療養指導士(CDE-J)が担当。運動療法はCDE-J の理学療法士が担当。2 月26 日退院後の身体活動量向上の話を中心に実施。また別の日に、保健師が生活指導、臨床検査技師が血糖自己測定、管理栄養士が栄養指導、薬剤師が服薬等の各指導を行った。(理学療法指示に対しての関り)CDE-J でない理学療法士が、3 月3 日より理学療法開始。エルゴメーターと下肢の筋力トレーニングを中心に実施。最初は軽い負荷より行い、徐々に負荷量や時間を増やしていった。【結果】 3 月10 日退院となり、3 月12 日より職場復帰。退院時体重78.3kg、BS98mg/dl、HbA1c10.4、4 月27 日外来受診時BS83mg/dl、HbA1c7.0。仕事はフルタイムで、および毎日の散歩も継続できている。【考察】 当院においては、通常の糖尿病教育入院では理学療法の指示は出ないことが多い。今回、異常な高血糖状態で入院したにも関わらず、医師の指示での理学療法実施により、早期の職場復帰ができたのではないかと思われた。今後も教育入院で理学療法を積極的に行うことができれば、より効果的な結果を得られるものと考えられた症例であった。