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概要

抄集録

44P-087 化学療法中に運動療法を行ったがん患者の筋量と身体機能の変化藤井有沙1),藤田裕子2),来住野健二3),井上優紀1),中山恭秀3)1)東京慈恵会医科大学附属第三病院 リハビリテーション科2)文京学院大学 保健医療技術学部 理学療法学科3)東京慈恵会医科大学附属病院 リハビリテーション科key words がん・化学療法・運動療法【目的】 がん患者は、カヘキシアや化学療法による副作用の影響で積極的な離床やリハビリを行えず、活動量が低下しやすい。今回は化学療法中に活動量が低下したがん患者を担当し、治療のタイミングに合わせ運動療法を施行したため報告する。【症例提示】 症例は60 代女性であり、X-6 ヶ月にびまん性大細胞型B 細胞性リンパ腫と診断され、寛解するも再発によりX-1 ヶ月に入院となった。ESHAP 療法1 クール終了後、X日よりPT 開始となった。【方法】 評価はリハビリ開始時と治療後、治療2 週間後に行った。項目は体重、Inbody S10 より算出した骨格筋量指数(SMI)、42cm 台からの起立の可否、日本語版EQ-5D-5L によるQOL スコアとした。運動療法は、筋力トレーニング、起立、歩行練習を中心に実施した。なお、本研究はヘルシンキ宣言に則っている。【理学療法と結果】 化学療法中は、悪心、倦怠感が強く週3 回の低負荷筋力トレーニングを床上で行い、その後副作用の影響が軽減してからは週5 回の起立、歩行練習が行えた。リハビリ開始時、体重59.6kg、SMI7.33kg/m2、起立 可、QOL スコア1.00、治療後、体重56.5kg、SMI5.96kg/m2、起立不可、QOL スコア0.373、治療2 週間後、体重58.3kg、SMI7.05kg/m2、起立 可、QOL スコア0.780 という変化を示した。【考察】 本症例は、化学療法の副作用の影響で活動量が減少し、筋量や動作能力の低下を認めた。しかし2 週間後には体重、SMI、起立動作能力、QOL スコアともに向上しリハビリ開始時に近い数値まで回復した。化学療法中の運動療法は有害事象の軽減、倦怠感の改善に効果的であると言われているが、副作用の影響で介入できないことも多い。今回は、治療中も悪心、嘔吐がない日は運動療法を継続して行えたことで、治療後2 週間は活動量を増やすことができ、身体機能を回復させる一助になったと考える。今後は介入頻度や方法の違いが身体機能に与える影響を症例ごとに比較、検討していきたい。P-088 慢性腎不全患者における運動療法の効果と活動量について伊達祐輔1),山本智史1)1)IMS〈イムス〉グループ イムス板橋リハビリテーション病院 リハビリテーション科key words 腎不全・活動量・有酸素運動【はじめに】 腎臓リハビリテーションにおいて,慢性腎不全の病期における活動量の変化は検証されてきたが,腎機能を考慮した活動量の設定に関する報告はない.また、腎不全を増悪させずに運動耐容能を向上させるには,介入中だけでなく生活においても,腎負荷を考慮した活動量を設定する必要があると考える.今回,有酸素運動と活動量の調整をした患者の運動耐容能と腎機能の経過をここに報告する.【事例紹介】 70 歳代の女性,全身脱力により救急搬送,急性腎障害と診断された.入院時のCr は2.0mg/dl であった.身長148cm,体重80.5kg,BMI 36.7kg/m2,既往歴に慢性心不全,糖尿病,高血圧,高尿酸血症を呈していた.【倫理的配慮】 ヘルシンキ宣言に基づき,発表に関する内容を説明し,本患者より同意を得た.【介入と経過】 31 病日に,回復期病院である当院へ転院し,Cr は1.3mg/dl であった.起立に介助を要し,車椅子を使用していた.介入は,基本動作練習と自転車エルゴメータでの有酸素運動を10W10 分から収縮期血圧とBorg13 を指標に実施した.64 病日にT 字杖歩行が自立となり、6 分間歩行は180m であった.しかし,68 病日に浮腫が増加し,Cr が1.5mg/dl まで上昇した.日中の活動量を1 日3000 歩に設定し,腎不全の増悪予防を図った.浮腫は軽減し,90病日に独歩自立となり,98 病日にCr が1.2mg/dl,6 分間歩行は220m となり退院となった.【考察】 本事例は,日中の活動量増加が負担となり,腎不全増悪を認める要因のひとつとなったと考えられる.6 分間歩行距離の延長とCr 値の推移から,有酸素運動と日中の活動量を調整したことで腎不全の増悪なく運動耐容能の向上を図ることができた.日中の活動量を調整することは,腎不全を増悪させることなく運動療法を安全に進めるために重要である.