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概要

抄集録

8O-015 心大血管疾患を発症した糖尿病患者に対する心臓リハビリテーションの効果桑原拓哉1),設楽達則1),生須義久1),風間寛子1),中野晴恵1),猪熊正美1),下田絵里花1),福司光成1),関はるな1),保坂正太1),山路貴彦1),安達仁2),村田誠2),中出泰輔2),大島茂2)1)群馬県立心臓血管センター リハビリテーション課2)群馬県立心臓血管センター 循環器内科key words 糖尿病・心大血管・運動療法【目的】 有酸素運動やレジスタンストレーニング(RT) は, 各々が血糖コントロールに有効であり, 併用によりさらに効果があると報告されている. しかし, 心大血管疾患を発症した糖尿病(DM) 患者に対する運動療法の報告はほとんどない. 本研究の目的として, 心大血管疾患を発症したDM患者に対する心臓リハビリテーション( 心リハ) の効果を後方視的に検討することとした. なお, 本研究発表を行うにあたり, 対象者に口頭にて, 本研究発表以外では使用しないこと, それにより不利益を被ることはないことを説明し, 回答をもって同意を得た.【方法】 対象は2014 年~ 2016 年現在までに当院外来心リハに参加し, 身体機能評価を実施できたDM を合併した心大血管疾患患者88 例(68 ± 11 歳, 男性60 例/女性28 例)とした. 当院の心リハプログラムとしては, 準備体操,有酸素運動, 整理体操,RT で構成されている. 有酸素運動は心肺運動負荷試験(CPX) の結果に基づき, 嫌気性代謝閾値(AT) レベルでの運動処方を行っている.RT は疾患ごとにガイドライン開始基準を満たした時点で開始し, 半月~ 1 ヵ月に2 種類ずつ追加し実施している.5 ヵ月間の心リハ前後でのHbA1c および身体機能を比較した. 身体機能は握力, 膝伸展筋力, 片脚立位時間,CPX のAT および最高酸素摂取量(peak VO2),6 分間歩行距離(6MWD),骨格筋量, 体脂肪率を調査した.【結果】 DM を合併していた心大血管疾患患者の心リハ前後での比較ではHbA1c が6.8 ± 1.1% から6.5 ± 0.6% に有意な改善を認めた. 身体機能は膝伸展筋力(178.6 ±57.4 → 189.0 ± 50.3N・m/kg,%), 片脚立位時間(49.0 ±40.4 → 53.7 ± 39.0 秒),peak VO2(15.7 ± 6.3 → 17.5± 4.4ml/min/kg),6MWD(483.4 ± 95.6 → 525.6 ±97.0m), 骨格筋量( 体重比)(38.1 ± 6.2 → 39.1 ± 4.7%),体脂肪率(29.2 ± 8.0 → 26.9 ± 7.9%) で有意な改善を認めた.【結論】 心リハは,DM を合併した心大血管疾患患者のHbA1cの改善に加え筋力やバランス, 運動耐容能, 体組成といった身体機能を改善させることが示唆された.O-016 肺癌に対する胸腔鏡手術患者の術前身体機能と在院日数の検討北地郁美1),横田絢香1),西村潤也1),深水択真1),西方智大1),依田万波1),原島宏明2),砂田雅俊3),伊藤卓也3),小田誠4),宮野佐年1)1)医療法人財団 健貢会 総合東京病院 リハビリテーション科2)南東北グループ 医療法人財団 健貢会 首都圏リハビリテーション部門3)医療法人財団 健貢会 総合東京病院 胸部心臓血管外科4)医療法人社団 三成会 新百合ヶ丘総合病院 呼吸器外科key words 術前評価・在院日数・6分間歩行テスト【はじめに】 当院では肺癌と診断され外科的治療の適応となった患者に対して、術前より身体機能評価と呼吸訓練器具を使用した訓練を実施している。肺癌に対する手術において、術後の運動耐容能や合併症を検討した報告は多くみられるが、術前の身体機能と術後経過の関係については報告が少ない。そこで今回、胸腔鏡手術患者の術前身体機能と在院日数の関係について検討した。【方法】 対象者は2016 年8 月から2017 年4 月に肺癌の診断にて胸腔鏡手術を施行した35 名(男性15 名、女性10 名、平均年齢66.9 ± 11.26 歳)である。対象者には研究内容を説明し同意を得た。術前に喫煙歴、MRC 息切れスケール、簡易栄養状態評価、6分間歩行テスト(6MWT)、握力、膝伸展筋力、胸郭拡張差を評価し術後在院日数との関係を検討した。統計処理にはSPSS を使用し、有意水準5%とした。【結果】 平均在院日数は4.5 ± 2.1 日であった。在院日数と相関を示したのは6MWT、握力、膝伸展筋力であり、年齢や喫煙歴とは相関を示さなかった。在院日数3 日以内の群と4 日以上の群を比較すると、術前の6MWT と膝伸展筋力に有意差が認められた。在院日数を従属変数としたロジスティック回帰分析の結果、6MWT が有意な変数として抽出されオッズ比は10.02 倍であった。さらに、6MWT が515m 以上の場合、在院日数が3 日以内である可能性は感度75.0%、特異度77.8% であった。【考察】 在院日数は社会的状況の影響を受けることも否定できないが、術前の身体機能は在院日数に影響することが示された。年齢や喫煙の有無に関わらず術前の6MWT、膝伸展筋力が在院日数に関与するという結果から、術前の生活指導や運動処方が術後の経過に良好な帰結をもたらす可能性が考えられる。今後はさらに術後の身体機能評価、呼吸機能、合併症を検討し、術前理学療法の有用性を検討していきたい。