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概要

抄集録

42P-083 TAVR 前後の筋電気刺激を併用したレジスタンストレーニングが麻痺側下肢の筋萎縮予防に有効だった一例高良優希1),崎山宗俊1),高瀬哲郎2),多田博子2),中澤健太3),松木睦3),水野谷高志4),門倉裕太5),高橋哲也5)1)医療法人栄悠会綾瀬循環器病院 理学療法科2)医療法人栄悠会 綾瀬循環器病院 循環器内科3)医療法人栄悠会 綾瀬循環器病院 臨床検査技師4)医療法人栄悠会 あやせ循環器リハビリ病院 理学療法科5)東京工科大学 医療保健学部key words TAVR・レジスタンストレーニング・大腿筋厚【背景】 AHA のExercise Standards では症候性の大動脈弁狭窄症(AS) に対するレジスタンストレーニング(RT) は絶対的禁忌とされているが、症状が安定したAS に対するRT については不明な点が多い。【目的】 症状が安定したAS 症例の麻痺側下肢に対する筋電気刺激(EMS)を併用したRT の有効性を検討すること。【症例】 85 歳女性。うっ血性心不全(CHF) の診断。既往歴に高血圧症、陳旧性脳梗塞があり、右片麻痺( 下肢Brunnstrom Stage 5) を呈していた。【倫理的配慮】 本人に十分な説明のうえ、同意書にて発表の同意を得た。【経過】 CHF にて、当院転院搬送。第3 病日、心臓リハビリ開始。第27 病日、麻痺側膝伸展筋力、超音波診断装置を用いて大腿筋厚( 大腿直筋及び中間広筋) の骨格筋評価(1回目) 施行。第28 病日、麻痺側下肢のRT 施行。第76 病日、骨格筋評価(2 回目) 施行。第77 病日、経カテーテル大動脈弁置換術施行。第77 病日、離床開始。骨格筋評価(3 回目) 施行。第78 病日、RT 再開。第89 病日、骨格筋評価(4 回目) 施行。第90 病日、T 字杖使用下、独歩にて在宅復帰。【方法】 麻痺側下肢のRT は、大腿四頭筋に対する低周波によるEMS に膝伸展運動を加えて実施。反復回数20 回を1 セットとし、Borg スケールで13 を超えないよう重錘の負荷量を調節した。EMS は、出力35mA、刺激時間6 秒、休息時間12 秒に設定。【結果】 RT 期間は、術前46 日、術後11 日だった。膝伸展筋力は、1 回目12.6kgf → 2 回目13.5kgf → 3 回目10.2kgf → 4 回目12.5kgf。大腿筋厚は、1 回目0.9cm → 2 回目1.0cm → 3回目0.9cm → 4 回目1.0cm だった。RT による心不全症状などの出現は認めなかった。【結語】 本症例にて、RT 導入後の慢性心不全増悪は認めなかった。TAVR 術前後のEMS を併用したRT は、安全に行え、麻痺側下肢の大腿四頭筋の筋萎縮予防にも有効だった。P-084 傍腫瘍症候群により皮膚筋炎を合併した肺がん症例の検討大平潤子1),曽我崇大1),今川光1),水澤一樹1),大谷尚子1),相波岳1),渡邉大樹1),瀬崎学1),外立功1)1)新潟県立新発田病院 リハビリテーション科key words 皮膚筋炎・悪性腫瘍・がんのリハビリテーション【はじめに】 傍腫瘍症候群(PNS) とは腫瘍に随伴して認められる種々の症候の総称とされる.今回,肺がんと皮膚筋炎(DM) を合併し,身体機能低下を来した2 症例を経験したので報告する.( 当院の倫理規定に基づいて報告する)【症例紹介】 ( 症例1)81 歳女性.非小細胞肺がん,PNS によるDMの診断にて入院,入院2 日目よりPT 開始した.開始時のクレアチンキナーゼ(CK[IU/L]) 1902,medical researchcouncil sum score(MRC)18 点,FIM31 点,PerformanceStatus(PS)4 であった.( 症例2)68 歳男性.小細胞肺がん,PNS によるDM の診断にて入院,入院13 日目よりPT 開始した.開始時のCK 382,MRC25 点,FIM89 点,PS3 であった.【理学療法介入と経過】 ( 症例1)PT 開始時CK1902 と高値,疼痛も強い状態であった.その後CK も低下し,疼痛軽減したため離床,筋力強化運動,歩行練習等を実施した.化学療法と放射線療法の治療と並行してPT を実施した.長期的な介入により歩行器歩行見守りで可能,MRC35 点,PS3,FIM75 点と改善がみられ転院となった.( 症例2)PT 開始時CK382と高値のためベッドサイドにて開始した.当初から室内トイレ歩行自立しており,PS3 であった.CK 低下後,離床,筋力強化運動,ADL 練習等を実施した.生命予後は数か月と言われていたため,短期的なPT 介入により自宅退院を目指した.PS は3 と不変だったが,MRC48 点,FIM97点と改善あり自宅退院した.【考察】 両症例とも当初,CK 高値や疼痛増強等の症状あり,全身状態や病勢の評価を主治医と十分に行いながらPT を進めていき,筋力・ADL 等改善がみられたことからPT 介入の意義は高いと考える.一方,両症例とも担がん状態でもあり,化学療法や放射線治療等,種々のがん治療に沿ってPT プログラムを立案変更する必要性があること,またがん自体の予後が限られた中で本人・家人の意向を十分に考慮に入れ,ゴール設定を医師や病棟チームの間で十分に検討することが肝要と考えられた.