ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

抄集録

39P-077 左フックパンチで疼痛を訴えるボクシング選手への理学療法齋藤涼平1)1)IMS(イムス)グループ 高島平中央総合病院 リハビリテーション科key words ボクシング・肩関節・競技復帰【はじめに】 ボクシングのパンチは、ジャブ、ストレート、フック、アッパーの4 種類とされている。今回左フックでの痛みが強いと訴える左肩インピンジメント症候群と診断されたボクシング選手を担当する機会を得た。各パンチ動作の動作分析を行い、患部への力学的負荷を推察し理学療法を実施したので報告する。【症例紹介】 症例は30 歳代男性。職業プロボクサー、中量級の日本トップランカー。主訴は左フックの時に左肩が痛い。現病歴、1 年ぐらい前から左肩の痛みが発生、試合後に疼痛が強くなり当院受診し理学療法開始。ヘルシンキ宣言に基づき症例には同意を得た。初期理学的所見 関節可動域(Lt)肩関節屈曲160°1st 外旋/60°2nd 内旋/50 °疼痛評価 安静時- 動作時痛+( 左フックNRS7/10 左ストレートNRS2/10) 整形外科テスト Neer- Hawkins+ CAT+ HFT+EPT+【理学療法および経過】 3 か月後に試合が決まっておりスケジュールを考え理学療法(週2 回)を行った。1 カ月で肩関節の可動域制限の改善と肩甲骨と胸郭のmobility とstability の向上。2 か月目では、ミット打ちでの強さを向上。フォームによって疼痛がありビデオでのフォームチェック等行った。3 か月目ではよりステップを踏んだ中やスパーリング等の実践を行っていく事で、競技復帰を行った。【考察】 シャドーでの動作分析を行った際に、ジャブやストレートやアッパーは両股関節での重心移動や胸郭の動きは、矢状面上の前後/ 上下系になるが、フックでは両股関節と胸郭では回旋系の動きであった。症例はインファイタータイプでステップが少なく、両股関節での回旋が少ない中で肩甲胸郭を固めてしまい肩甲骨の動きが少ない中でフックをすることで、肩甲上腕関節に負荷が増大したと考えられる。【まとめ】 ボクシングのパンチの種類の力学的課題を考え、症例の動作分析を行い力学的負荷を推察し、それを軽減するための運動療法を実施することは重要と考える。P-078 理学療法中に急変した体外設置型左室補助人工心臓装着症例江渕貴裕1),小山照幸1),金丸晶子1),石井正晃2),太田隆1)1)東京都健康長寿医療センター リハビリテーション科2)東京都健康長寿医療センター 臨床工学科key words 補助人工心臓・急変時対応・チーム医療【はじめに】 今回,体外設置型左室補助人工心臓(以下LVAD)装着症例の理学療法中の急変を経験したので報告する.【説明と同意】 本報告はヘルシンキ宣言に沿って計画され,症例には書面にて説明し同意を得た.【症例紹介】 拡張型心筋症の50歳代男性.30歳代に僧帽弁置換術(以下MVR)を施行.その後仕事復帰し,問題なく社会生活送っていた.X 年Y 月に心不全症状出現し,A 病院入院.入院時EF5%,BNP2449pg/ml.心エコー上人工弁機能不全あり.入院14 日目に当院へ転院.転院2 日目にLVAD 装着術,MVR,三尖弁形成術施行された.POD4 抜管,理学療法開始.POD9 一般病棟転棟.POD57 には独歩500m 可能となり,以降は筋力トレーニング,歩行,自転車エルゴメータを中心に実施していた.POD37,POD100 にLVADポンプ交換実施.急変前日のPT-INR は3.24,急変の2 週間前からポンプ内血栓増加傾向,可動性のない黒色血栓が確認されていた.【急変時】 POD156,理学療法士,臨床工学技士(以下ME)と屋外歩行中に意識障害,左片麻痺出現.発症直後,麻痺は軽度であったため介助歩行にてリハ室内へ移動.椅子に着座した後に意識レベルさらに悪化.ベッド上臥位にし,医師,看護師の応援を要請.ME はLVAD の駆動状況を確認した.数分で意識障害,麻痺ともに改善し,その後のCT 検査でも脳出血,新規脳梗塞は認めなかった.POD162 に植え込み型LVAD へ移行.PT 継続し,POD241 に自宅退院となった.【考察】 LVAD 患者のリハで重要な点は循環動態やポンプ駆動状況の把握,ポンプ内可動性血栓動の有無,PT-INR を把握することである.本症例では可動性はないもののポンプ内に黒色血栓があり,血栓症に注意が必要であった.今回,リハ中に一過性脳虚血発作が出現したが,スムーズに対応できた.その要因としては医師,看護師がリハ室に常駐していること,緊急時対応練習を定期的に実施していることの他,リハ中もME が同行していることが大きいと考える.