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概要

抄集録

36P-071 ロコモ予防のためのロボットによる動作指導の適切性の検証渡島彬1),高平尚伸2),津田晃司2)1)医療法人社団 医誠会 湘陽かしわ台病院2)北里大学key words ロコモティブシンドローム・ロボット・フィードバックを用いた動作指導【目的】 ロコモティブシンドロームの予防にスクワットや片脚立ちが推奨されているが、それらの正しい動作の習得が高齢者には困難な場合が多く、50-70% の高齢者は運動自体を行っていないため、アドヒアランスの低率が問題である。アドヒアランスの維持に動作指導が重要だが、動作指導者の人手不足が深刻である。そこでロボットを用いた動作指導システムを開発し、人間による動作指導に対するその非劣性の検証を本研究の目的とした。【方法】 対象は健常高齢者40 名(65 歳以上75 歳未満) とし、スクワットおよび片脚立ちの動作方法を説明した書面を読んで行う群(BOOK 群)、動作方法の説明をした映像を見て行う群(DVD 群)、ロボットの指導下で行う群(ROBOT 群)、PT 学生の指導下で行う群(HUMAN 群) の4 群に各10 名無作為に分けた。各群で動作方法の確認または指導の後、矢状面および前額面からの動画撮影下で動作を1 回行わせた。各動作につき8 点満点の点数表で評価し、群間の点数をSteel-Dwass 法で比較した。なお本研究は北里大学医療衛生学部研究倫理委員会の承認を得て行った。(承認番号:2016-012)【結果】 スクワットではBOOK 群( 中央値5 点) とDVD 群(6 点)の点数がROBOT 群(7 点) とHUMAN 群(7.5 点) より有意に低値だった。HUMAN 群・ROBOT 群間に有意差は認められなかったが、効果量d は1.27 と高値を示した。片脚立ちではBOOK 群(5.5 点) の点数がDVD 群(6.5 点) とHUMAN 群(7 点) より有意に低値だった。ROBOT 群(6.5点)・HUMAN 群間には有意差が認められず、効果量d は0.46 と中程度以下であった。【考察】 スクワット、片脚立ちともにHUMAN 群・ROBOT 群間で統計学的有意差を検出しなかったことから、従来の手法よりもロボットの方が人間の指導に近い状況を再現したと考える。一方スクワットのHUMAN 群・ROBOT 群間で第2 種の過誤が疑われたため、フィードバックの質を改善して検討を重ねる必要がある。P-072 運動と認知行動療法の相互補完の必要性を感じた慢性痛を有する高齢者への介入経験根本厚志1)1)浴風会病院 リハビリテーション科key words 慢性痛・運動・認知行動療法【目的】 慢性痛に伴う高度の破局的思考から活動性が低下した高齢者に対し、認知行動療法を用いた介入が著効した経験をした。一方で運動と認知行動療法の相互補完の必要性を示唆するケースであったので報告する。【説明と同意】 本症例報告は、当院倫理委員会の承認を得たうえで、ヘルシンキ宣言に則り実施した。【症例紹介】 80 歳代前半の軽費老人ホーム入所中の女性。重度の右変形性膝関節症で半年程前から右膝に強い痛み(VAS で常に100mm)を自覚している。ADL は自立しているが、単独での屋外歩行は敷地内の当院への通院時に限られている。運動はデイケアなど敷地内の施設で最大週4回行っているが、それ以外では痛みの恐怖感から臥床傾向が強い。Pain Catastrophizing Scale は52/52 点であった。【介入内容と経過】 週2回の頻度で3か月間、認知行動療法を主体とした個別介入を行った。運動は敷地内の施設で続けてもらい、本介入では恐怖心の軽減を目的とした体験的な内容にとどめた。介入開始後、早期に日中の臥床は減り、4週目には歩行時の痛みの軽減を認めた。7 週目に自主的な運動としての敷地内の屋外歩行が実現し、9週目には一人で電車を利用するようになった。介入により疼痛関連指標や心理・精神状態、活動性は改善したが、身体機能の改善は概ね歩行関連指標に限られた。【考察とまとめ】 破局的思考が顕著な本症例の行動変容には、十分な会話や体験を通しての思考の修正が必要であり、認知行動療法に特化した本介入は有効であった。一方、痛みや活動量の大幅な改善にも関わらず、身体機能の改善が限定的だった要因としては、本介入の運動要素の乏しさに加え、時期的な事情による敷地内施設での運動頻度の減少が考えられる。周囲の事情に左右されないためにも、歩行以外の自主的なトレーニングの指導が必要であった。