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概要

抄集録

33P-065 初学者と熟練者の歩行分析における関節角度推定精度の比較茂垣翼1),高尾敏文1),中野渉1)1)つくば国際大学 医療保健学部 理学療法学科key words 静止画・動画・関節角度【はじめに】 動作分析は理学療法において頻繁に用いられる評価項目であるが、初学者にとっては実施が難しい。そこで、初学者と熟練者では動作分析中の関節角度推定精度が異なるとの仮説を立て、歩行動作における関節角度推定精度を初学者と熟練者で比較した。【方法】 初学者として理学療法学科に所属する学生10 名、熟練者として資格を有する理学療法士10 名が研究に参加した。研究対象者は動画と静止画それぞれで正常歩行を観察し、荷重応答期・立脚終期・遊脚初期における股関節・膝関節・足関節の関節角度を推定した。推定した関節角度のうち、歩行観察上重要であると報告されている、荷重応答期における足関節、立脚終期における股関節、遊脚初期における膝関節を分析対象とした。関節角度の基準値を動画解析ソフトダートフィッシュを用いて測定し、研究対象者が推定した関節角度と動作解析ソフトで測定した基準値の差を推定誤差として統計解析に用い、対象群(初学者・熟練者)を被験者間要因、画像の種類( 動画・静止画)を被験者内要因とする2 要因分散分析を実施した。なお、本研究はヘルシンキ宣言の精神に基づき、厚生労働省・文部科学省「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」を遵守して実施した。【結果】 膝関節では有意な交互作用を認め (p < 0.01)、初学者、熟練者両群において動画と比較して静止画の推定誤差は有意に小さかった (p < 0.001)。足関節では画像の種類について有意な主効果を認め (p < 0.05)、動画と比較して静止画の推定誤差は小さかった。全ての解析において初学者と熟練者での差は認められなかった。【考察】 熟練者では動作分析中の関節角度推定精度が高いわけではなく、動作分析の結果をプログラム立案に結びつける思考過程が優れていると推測された。また、デジタルビデオカメラなどの機器を用いて静止画を解析することによって、より正確な関節角度の推定が可能になると考えられた。P-066 入院早期における退院時の状態を予測した転倒自己効力感(FES-I)の信頼性の検討大谷知浩1),臼田滋2)1)医療法人社団日高会 日高病院 リハビリテーションセンター2)群馬大学大学院保健学研究科key words 転倒自己効力感・信頼性・最小可検変化量【目的】 Falls Efficacy Scale-International(FES-I)は評価特性から入院患者を対象にした報告は少ない。本研究の目的は、入院早期に測定したFES-I の信頼性について検討することである。【方法】 対象は、整形外科に入院し歩行獲得が見込まれた20 名(平均年齢71.8±10.0 歳、男性4 名)であった。疾患別では、大腿骨頸部骨折6 名、他の下肢骨折4 名、上肢骨折2 名、脊椎圧迫骨折1 名、変形性脊椎症などその他7 名であった。FES-I の測定時期は、ベッド上の安静期間を経て10m 歩行を獲得した時点において退院時の状態を予測したFES-Iを2 回測定した。なお、測定の間隔は3 日以内とした。統計解析は、検者内信頼性についてIntraclass CorrelationCoefficient(ICC)(1,1)を算出した。また、測定誤差を検討する絶対信頼性について最小可検変化量(minimaldetectable change;MDC)を算出した。このMDC は測定の標準誤差(standard error of measurement;SEM)から算出されるが、SEM については測定値群の標準偏差とICCを用いる方法で求めた。更に算出したMDC から、過去に報告した本研究と等質の84 名のFES-I 得点の変化についても検討した。尚、本研究は日高病院医療倫理委員会の承認を得ている(第104 号)。【結果】 検者内信頼性を確認するために測定した2 回のFES-I 平均値は1 回目43.3 ± 10.6 点、2 回目43.0 ± 11.5 点であった。2 回の測定の差の平均値は0.25 ± 6.53 点であり、ICC(1,1)は0.83(95% 信頼区間0.63-0.93)であった。MDC は12.3 点であり、過去に報告した84 名の歩行獲得時点と退院時のFES-I の差でMDC13 点以上の変化があった対象は14 名であった。 【考察】 入院患者における退院時の状態を予測したFES-I のICC(1,1)は0.8 以上であり、高い検者内信頼性が確認された。また、MDC13 点を超える対象は14 名(16.6%)のみであり入院早期に測定したFES-I の臨床的有用性が示唆された。