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概要

抄集録

29P-057 表情筋でもある顔面筋の特性に着目し症状が改善した末梢性顔面神経麻痺の一症例塩野健二1),木島隆2),長田侑希子1)1)久我山病院 リハビリテーション科2)信州リハビリテーション専門学校 理学療法学科key words 末梢性顔面神経麻痺・表情筋・大脳辺縁系【はじめに】 末梢性顔面神経麻痺(以下、顔面神経麻痺)に対し、頻回のマッサージとストレッチを行い、迷入再生を抑制し病的共同運動(以下、共同運動)を予防することが推奨されている。今回は顔面筋の特性に着目した理学療法を施行し後遺症なく早期に症状の改善が得られたのでここに報告する。【症例紹介】 50 代女性。診断名は左末梢性顔面神経麻痺。平成28 年10 月X 日発症。柳原法10/40 点、Electroneurography37.5%。左顔面に軽度感覚鈍麻。既往歴に20 年前に左顔面神経麻痺、5 年前に脳梗塞があり、強い不安があった。また、今回は前回と比較し重度で自分の顔ではないという顔面の身体図式のズレがあった。【治療仮説】 顔面筋は表情筋とも呼ばれ情動が大きく影響する。そこで、3 つの治療仮説を立てた。(1) 顔面神経麻痺の病態を説明し理解させることで不安を除去でき迷入再生を抑制できると考えた。(2) 顔面の身体図式の再構築を図り、拘縮や共同運動の抑制が可能と考えた。(3) 言語を用いて、過去の良い経験を具体的に想起させ過度な随意収縮を抑制し、自然な筋収縮が獲得できると考えた。尚、症例には治療方針について十分に書面で説明し同意を得た。【治療・結果】 発症から14 日目までは病態を説明しリラクゼーションを行いながら顔面の部位を確認した。これによりネガティブな発言は減少し身体図式の再構築ができた。15 日目以降より、言語を用い過去の良い経験を具体的に想起させた結果、左顔面の収縮があり柳原法18/40 点。17 日目には共同運動は出現せず随意性が改善し柳原法32/40 点。22日目には感覚障害も消失し柳原法40/40 点に改善。【考察】 初期の段階で二度目という不安を除去し、自身の顔面に注意が向けられ顔面の身体図式の再構築が行えたと考えられる。また、顔面筋の特性を生かし、情動や記憶を司る大脳辺縁系を利用し、努力性の随意収縮を制限し適切な筋収縮を得られ、後遺症なく早期改善に繋がったと考える。P-058 意識障害を呈した症例における他覚的評価からの予後予測田中公基1),石井達也1)1)IMS グループ イムス板橋リハビリテーション病院 リハビリテーション科key words 脳出血・意識障害・予後予測【目的】 脳出血において,脳室穿破や重度の意識障害を呈している症例は,予後が不良であるといった報告が多い.平成28 年の10 月から平成29 年の4 月までに,当院を退院した患者のうち,Japan Coma Scale(以下JCS)II 以上の意識障害を呈した患者は0.12% であり,いずれも歩行の獲得には至っていなかった.今回,重度の意識障害を呈した症例に対し,早期から廃用の要因に介入し,歩行獲得に至った症例を担当したため報告する.【症例紹介】 症例は80 歳代の女性.診断名は右視床出血.発症直後のCT 画像では脳室穿破を認め,意識障害の程度はJCSII‐10 であった.そのため,Brunnstrom Recovery Stage(以下BRS)やManual Muscle Testing(以下MMT)は精査困難であった.しかし,他覚的所見から評価が可能な腱反射や足クローヌスは正常であり,疼痛刺激に対する逃避反射は認めていることから,痙性を伴う運動麻痺は軽度であると判断した.【方法と結果】 JCS がI ‐ 3 となった51 病日より,立位や歩行練習を開始し,血圧や疲労に合わせて歩行の負荷量を増大した結果,123 病日には独歩と階段昇降が監視となった.また,意識障害,下肢筋力,運動麻痺で回復経過を追った結果,下肢筋力がMMT4 レベルとなり著しい改善を認めていた.【考察】 結果より,下肢筋力の改善が最も大きい改善を認めたことから,歩行能力の低下の原因は,臥床による筋力低下の要因が大きかったと考えられる.2013 年の中央社会保険医療協議会では,2025 年までに回復期病院の役割が増大する方針となっており,今後,回復期病院において意識障害を呈する症例が増加すると予測される.そのため,本症例のように意識障害を有する患者であっても,他覚的な評価から予後を判断し,アプローチ方法を選択することが重要であると考える.【倫理的配慮】 本発表を行うにあたり,ヘルシンキ宣言に則り本人には十分に説明し,書面にて同意を得た.