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概要

抄集録

28P-055 足底感覚障害に対し、筋感覚からのアプローチを行った症例井口大輝1),大地亜希子1)1)医療法人 沖縄徳洲会 千葉徳洲会病院key words 感覚障害・荷重・視床梗塞【はじめに】 今回、左視床梗塞を呈し麻痺は軽度だが、感覚障害が重度な症例を担当した。介助なしでは立位保持困難な症例に対し感覚障害に着目し理学療法実施後、杖歩行見守りを獲得した為報告する。【症例紹介】 80 代女性。理学療法評価は右Brunnstrom stage allV、右足底表在感覚重度鈍麻~中等度鈍麻、模倣検査で深部感覚中等度鈍麻、再現検査による自動運動での深部感覚も中等度鈍麻であった。触診による筋緊張は右大殿筋・大腿四頭筋緊張低下、右下肢筋力38.3% であった。動作面は立位は右下肢荷重不十分で中等度介助を要した。歩行は右立脚期に股関節伸展せず骨盤前傾、膝関節過伸展、右上肢の伸展パターンも出現。また体幹前傾し前方へ転倒の恐れがあり、遊脚相に移行する際に重心移動不十分等で中等度介助を要した。【介入方法】 起立、段差昇降を中心に2 週間介入。評価は触診による筋緊張検査、足底表在感覚、深部感覚は従来の模倣検査と自動運動による深部感覚は再現検査、Berg BalanceScale( 以下BBS)、立位荷重量、10m 歩行を実施。【説明と同意】 本症例には書類と口頭にて説明し同意を得た。【結果】 筋緊張は大殿筋・大腿四頭筋の収縮力向上を認めた。足底表在感覚、模倣による深部感覚は変化なし、自動運動による深部感覚は中等度鈍麻から軽度鈍麻と改善。BBS は13 点から32 点と向上し、荷重量は右20kg から27kg、左40kg から33kg と差が減少。10m 歩行は快適速度が1分37 秒から1 分5 秒、最大速度が1 分11 秒から45 秒と改善し見守りとなった。【考察】 本症例は感覚障害により右下肢荷重不十分で筋活動が得られない事が問題と考えた。足底表在感覚鈍麻の代償として筋収縮による筋紡錘からの深部感覚入力を促した事で床反力を検知する事が出来て荷重が可能となったと考える。麻痺は軽度で感覚障害が重度な本症例に対し、筋紡錘からの感覚入力を促す為に大殿筋・大腿四頭筋の姿勢保持筋の筋活動を促す事が重要と示唆された。P-056 左下腿・足部粉砕骨折と左片麻痺を呈した症例に対する歩容の変化風間康志1)1)医療法人社団 明芳会 IMSグループ 横浜新都市脳神経外科病院 リハビリテーションセンターkey words マルアライメント・Back knee・左片麻痺【はじめに】 既往に左下腿・足部粉砕骨折をもち、今回右視床・内包の脳梗塞により左片麻痺を呈した症例を担当した。マルアライメント方向に運動を誘導する事により、歩幅の改善・左上肢の屈筋痙性の低下が図れた為ここに報告する。【症例紹介】 80 代 男性 BrunnStromRecoveryStage(以下:Br-s) Lt4-4-3~4 RtAll6 MMT 体幹3/5 右上下肢4/5 ROM制限 頸椎~ 腰椎椎間関節Flat 両側股関節伸展0°~5°筋緊張 低下 左大殿筋 亢進 左大腿筋膜張筋 既往歴 左下腿・足部粉砕骨折 【説明と同意】 本報告はヘルシンキ宣言に則り書面と口頭にて説明を行い同意を得た。【解釈】 本症例は既往の下腿・足部粉砕骨折によりマルアライメントを呈していた。また今回脳梗塞によりBr-s が3~4 となり、元々のROM 制限もあり体幹のバランス反応も低下していた。これにより左立脚初期に左下腿が前傾し、中期にBack kneeが生じる。その際に生じる左膝伸展モーメントに対して上部体幹が急速に屈曲し歩行不安定となっていると考えた。 【介入】 立位で高さ26cm 横幅36cm 奥行き5.5cm の板を右下肢で跨ぐ動作を課題とした。左下肢は股関節外旋を制動した正中位と股関節外旋を誘導した外旋位の2 肢位で各10回ずつ行った。【結果】 左股関節外旋誘導した肢位で歩幅の増大と左上肢の屈筋痙性の低下、Back knee 時の体幹屈曲角度の増大が認められた。【考察】 右下肢での跨ぎ動作を左股関節外旋誘導にて行うことで、左足関節回外、下腿外旋の運動連鎖が生じた。その結果、左立脚初期での下腿前傾が軽減し、中期でBack kneeが出現する際の左膝関節伸展モーメントが弱まった。つまり、左膝関節の伸展モーメントが弱まった分、骨盤の左回旋が強まり右下肢をより前方へ振り出すことが出来るようになり歩幅が増大したと考えた。そして、歩幅の増大により麻痺側下肢の支持性が高まったため、左上肢の屈筋痙性が低下したと考えた。