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概要

抄集録

27P-053 画像診断で深部静脈血栓症を否定された3 日後に新鮮巨大血栓を発症した一例木本龍1),田中尚文2),遠藤睦1)1)帝京大学ちば総合医療センター リハビリテーション部2)帝京大学ちば総合医療センター リハビリテーション科key words 深部静脈血栓症・肺塞栓症・リスク管理【はじめに】 深部静脈血栓症( 以下DVT) は肺塞栓症( 以下PE) の原因となり、予後不良の転帰を示すため、急性期からDVTの予防や早期発見が重要とされている。今回、画像診断で一度はDVT を否定されが、その3 日後にDVT を発症した症例を経験したので報告する。【症例紹介】 64 歳女性、BMI:30。診断名:右被殻出血、既往歴:高血圧、脂質異常症現病歴:左片麻痺で発症し、当院へ緊急搬送。NIHSS:17 点、左片麻痺Br.stage(2.1.2)2 病日:開頭血腫除去術を施行3 病日:リハビリテーション(以下リハ)科初診4 病日:座位・立位・歩行訓練開始5 病日:D-dimer:19.6 と上昇を認めたが、下肢超音波検査では血栓を認めず。医師と相談の上、リハを継続した。8病日:D-dimer:38.0 と上昇を認めたが、造影CT 検査では血栓を認めず。11 病日:リハ開始時に左下肢が腫脹し、装具が入らないことに気付き、ホーマンズ徴候陽性であった。DVT と判断し、早急に医師へ連絡。緊急採血でD-dimer:58.5。下肢超音波検査および造影CT にて左総腸骨静脈~ヒラメ静脈に新鮮巨大血栓を認めた。PE は認めず、ヘパリン投与およびIVC フィルター挿入術を施行。12 ~ 22 病日:ベッド上で左下肢以外のリハを施行。23病日:DOAC へ内服変更。離床・歩行訓練再開。41 病日:回復期病院へ転院111 病日:自宅退院【考察および結論】 1 度目の超音波検査や造影CT 検査ではDVT を認めず、D-dimer の上昇は偽陽性と判断されていたが、11 病日に診断されたDVT は新鮮巨大血栓であり、気付かずに歩行訓練などを行っていればPE など生命に関わる問題を生じていた可能性もある。本症例は開頭術後の脳出血であり、抗凝固剤が使用されておらず、重度の麻痺、肥満があり、DVT のリスクが高いことを念頭においてリハを行っていたため、早期にDVT の診断に繋がり、PE を防げたと考える。【倫理的配慮および説明と同意】 患者および家族に症例報告することを口頭および書面にて十分に説明し、同意を得た。P-054 交通外傷後に筋緊張亢進による両側尖足に対し腹臥位での斜面台起立練習が著効した1 症例片倉哲也1),石井頌平1),三木啓嗣1),山崎諒介1)1)東京都済生会中央病院 リハビリテーション科key words 斜面台・足関節・筋緊張【はじめに】 筋緊張亢進による足関節背屈関節可動域( 以下dfROM)制限に対し斜面台起立練習は有効とされているが具体的な経過を報告した例は少ない. 今回, 交通外傷後の治療中に筋緊張亢進し重度dfROM 制限を生じ起立・歩行困難となった症例を経験した. 斜面台起立練習を実施することでdfROM の改善を認め, 起立・歩行能力の向上を認めたため報告する.【症例】 受傷前ADL 自立の20 歳代女性. 某日, 車と衝突し当院救命病棟へ入院した.受傷4 日後, 右上腕骨骨折および骨盤骨折に対し手術. 手術翌日より理学療法開始となった. 初期評価はJCSII-20,著明な関節可動域制限や筋緊張の異常は認めなかった. 基本動作は全介助であった. なお本発表に際してはヘルシンキ宣言に則り, 対象者に対し口頭にて趣旨の説明を行い同意を得た.【理学療法内容及び経過】 手術後早期は意識レベルがJCSII 桁でありバイタルサインが不安定であったため病棟にて関節可動域運動と起立練習を実施した. 術後2 日より筋緊張が亢進し始めたため看護師へ関節可動域運動やポジショニング指導を行った. 術後8 日経過しても意識レベルや筋緊張の改善が乏しいため薬物による悪性症候群が疑われ内科的治療開始した. 術後16 日, 意識レベルの改善を認めたためリハビリ室での斜面台起立練習を開始した. 術後16 日時点でdfROM-15°左-55°( 膝伸展位), 右0°左-15°( 膝屈曲位) であり起立や歩行は後方へバランスを崩すため困難であった. 斜面台起立は腹臥位にて踵が接地する足関節角度に調整し, 徐々に角度を上げていき20 ~ 30 分実施した. 歩行練習は斜面台起立練習によってdfROM を改善した後に実施した. 術後49 日,dfROM 右15°左0°( 膝伸展位), 右20°左15°( 膝屈曲位), 筋緊張両下肢軽度亢進,MMT 両下肢5, 基本動作や歩行は自立していたが若年であり更なる機能改善を目的にリハビリ病院へ転院となった.【結論】 著明な筋緊張亢進によって生じたdfROM 制限は斜面台起立練習が有効であると考えられる.