ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

抄集録

25P-049 Pusher 現象を呈した脳卒中右片麻痺患者の一症例―意識障害を合併して―望月裕太1),松本直也1),高倉結城1)1)IMS グループ 東戸塚記念病院 リハビリテーション科key words Pusher現象・脳卒中片麻痺・意識障害【はじめに】 Pusher 現象とは,麻痺側へ自らの非麻痺側上下肢で押してしまう脳卒中後の特異的な異常姿勢である.Pusher現象に関する報告は散見されるが,意識障害を有する報告は少ない.今回,意識障害を有しながらもPusher 現象に改善を認めた脳卒中右片麻痺患者への介入を報告する.【説明と同意】 ヘルシンキ宣言に則り対象者の家族に口頭で説明を行い同意を得た.【症例紹介】 80 歳代女性.ADL 自立.アテローム血栓性脳梗塞にて入院.拡散強調画像(DWI) で,左前・中大脳動脈領域に広範な高信号域を認めた.【理学療法評価(X+5 日)】 GCS:E2V1M2.BRS: 右上肢・手指・下肢2.高次脳機能障害: 運動性失語症.注意は左側へ有意.感覚: 痛覚残存も精査困難.背臥位: 頚部左側屈・回旋位.端座位: 全介助.頚部・体幹右側屈位.Pusher 現象認め,正中位へ誘導で抵抗感増強.【考察】 阿部らは,Pusher 現象は身体的垂直認知(SPV) にのみ偏倚があると報告し,視覚情報を用いた自己身体軸の修正が推奨されるが,本症例は意識障害を有し,視覚情報の利用が困難であった.DWI から感覚障害が推測され,上記姿勢及び高次脳機能障害の為,臥位からSPV が非麻痺側へ偏倚し,端座位でPusher 現象を呈したと考えた.SPVの再構成に注意を向けることで体性感覚の再組織化が起こるとRecanzone の知見がある.以上より,ボディイメージを形成する体性感覚系への入力を中心とした介入がSPVの再構成に有用と考え,下記介入を実施した.【治療方法】 麻痺側へ寝返り,左右へ頚部側屈・回旋運動及び感覚入力,臀部・足底から感覚入力,非麻痺側へリーチ.【結果(X+15 日)】 GCS:E3V1M4.背臥位: 頚部軽度左回旋位.端座位: 数分見守りで可能.頚部・体幹右側屈位改善,Pusher 現象改善.【まとめ】 意識障害を有し,視覚情報の利用が困難な場合,無意識化での体性感覚系への入力がSPV の再構成に有用であり,Pusher 現象改善につながると考えられた.P-050 ピラティスエクササイズを用いたパーキンソン病一症例の経過( 在宅分野にて)清永将司1)1)ぜん訪問看護ステーションkey words ピラティスエクササイズ・パーキンソン病・在宅分野【はじめに】 パーキンソン病(以下PD)に対する運動療法は、病状の進行に伴う機能障害に対して有効であることが示されている。今回、ピラティスエクササイズ(以下P-ex)を実施した結果、全くの外出困難だった症例が、2 ヶ月後電車を利用し通院を再開できるまでとなった。本人了解のもと、その経過を報告する。【症例】 60 歳代後半女性、疾患名: PD、H17 年発症。毎月1 回の通院(電車使用)を継続して行っていたが、H28 年9月頃より徐々に歩行能力の低下を自覚、H28 年12 月通院困難となった。H29 年2 月訪問リハビリテーション開始。初回訪問時、室内約5m の歩行で右下肢の著しい疲労感と、それに伴う右大腿前外側部の鈍痛を訴えた。整形疾患なし。評価:Hoehn&Yahr 重症度分類IV、UPDRS 総点28点、TUG30.07 秒、FRT13cm、姿勢: 立位時、歩行時ともに右側屈の斜め徴候あり。すくみ足あり、ジスキネジアあり。右下肢疲労に伴う右大腿部痛は、筋の持続的収縮に起因すると考え、歩行の主たる制限因子として介入を開始した。理学療法プログラム: 1. P-ex(ペルビックカール、スパインツイストスーパイン、シングルレッグリフト)2. ホームエクササイズ: 1 と同内容を指導(各P-ex3 回 / 1 日)【結果】 UPDRS 総点32点、TUG9.02 秒、FRT25cm、すくみ足なし、ジスキネジアあり、右大腿部の疼痛消失、右側屈の斜め徴候改善、屋外歩行・電車利用可能、通院再開。【考察とまとめ】 ピラティスは呼吸に合わせた随意的な運動への集中と、身体全体をバランスよくコントロールすることを原則として体系化されたエクササイズである。今回のアプローチでは疼痛評価を行った後、疼痛軽減に繋がる運動要素が含まれたエクササイズをP-ex の中から抽出し、原則に沿ってそのP-ex を指導した。運動中、疼痛増減に意識を向けるだけではなく、身体の位置との関連性を認識できるように運動の誘導を行ったことが、バランスと歩行能力の向上に繋がったと考える。