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概要

抄集録

24P-047 STN-DBS 術後パーキンソン病患者の姿勢に着目しバランス能力に改善を認めた一症例宮川遥1),保苅吉秀1),藤原俊之2)1)順天堂大学医学部附属順天堂医院 リハビリテーション室2)順天堂大学大学院 医学研究科 リハビリテーション医学key words パーキンソン病(Parkinson’s Disease: PD)・脳深部刺激療法(Deep Brain Stimulation: DBS)・姿勢【目的】 一般的にパーキンソン病(以下PD)患者に対する治療は薬物治療や外科治療 、理学療法が挙げられる。今回、視床下核刺激療法(以下STN-DBS)施行目的に入院したPD 患者に対し、姿勢の非対称性に着目して理学療法を行った結果、バランス能力に改善を認めたため報告する。【説明と同意】 本報告は当院倫理委員会の承認を得て行った。対象者には学会等での使用について説明し、書面にて同意を得た。【症例紹介】 症例は60 歳代の男性会社員。13 年前に右下肢の振戦から発症、以降内服治療を行っていた。1 年前からwearing off やジスキネジアを認め、今回STN-DBS 手術目的に入院。Hoehn-Yahr 分類はON 時stageII、OFF 時stageIV。日常生活動作は自立していたが、接客の多い職業柄、姿勢の歪みを気にしていた。術前では姿勢反射障害、右足関節周囲の固縮に加え、以下の身体所見(右側/ 左側)を認めた。足関節背屈可動域(以下AROM)-15°/-10°、片脚立位保持時間(以下SLS)20 秒/12 秒、座位での側方リーチ27.0cm/31.5cm、両肩峰を結んだ直線は床面に対し右へ5°傾斜。理学療法では関節可動域練習とともに体幹筋の左右対称的な活動を促した。【結果】 術後3 日目より介入開始。AROM のみ-5°/-10 度と改善を認めた。術後18 日目にはAROM0°/-5°、SLS34 秒/23 秒、側方リーチ25.5cm/37.0cm。両肩峰を結んだ直線は床面に対し右へ2°傾斜。非対称的な姿勢に改善を認めた。術後21 日目に自宅退院となった。【考察】 手術により固縮やwearing off は改善されたがバランス能力には影響が少なく、その改善には姿勢に着目した理学療法が有効であった。バランス能力は様々な生活場面で求められる能力であり、社会参加を継続する上で重要である。本症例は、今回の介入により社会参加の制限となり得る転倒リスクに対し予防的に介入できたのではないかと考える。今後は症例を重ね、姿勢の対称性・非対称性と転倒との関係について検討していく。P-048 パーキンソン病患者のDBS 周術期リハビリテーション 体幹と股関節の関係性に着目して歩行改善を認めた一症例大和諭志1),保苅吉秀1),佐藤和命1),藤原俊之2)1)順天堂大学医学部付属順天堂医院 リハビリテーション室2)順天堂大学 医学研究科 リハビリテーション医学key words パーキンソン病(Parkinson’s Disease)・視床下核刺激療法(STN-DBS)・歩行機能【はじめに】 近年、パーキンソン病(PD)患者に対して視床下核刺激療法(STN-DBS)が行われているが、バランス障害や歩行障害などの軸症状に対する効果は期待できない。今回、STN-DBS 周術期のリハビリテーションで体幹と股関節の関係性に着目した結果、バランスや歩行機能の改善を認めたため、そのアプローチに考察を加えて報告する。【倫理的配慮】 本報告は、当院倫理委員会での承認を得ており、対象者に学会等での使用について説明し、書面にて同意を頂いた。【症例紹介】 症例は56 歳の男性。17 年前に右手の振戦で発症、翌年Levodopa 投薬を開始。今回、両側STN-DBS 埋込術を施行するため入院。術前評価では体幹回旋右20/ 左25°、股関節伸展右5/ 左0°、足関節背屈右0/ 左5°、バランスはMini-BESTest で23 点。歩行評価は足圧分布解析装置(Noraxon 社製 MyoPressure) を使用して解析、ストライド長43 ± 16cm、前傾姿勢で突進様となり小刻み歩行を呈していた。主訴は「前に転びそうになる」であった。理学療法では、四つ這い姿勢で体幹前後面の協調活動を調整し、四肢の分節運動を改善した。また、立位場面では骨盤・体幹を直立に定位するため腹部筋群の働きを活性化するのと同時に股関節の伸展活動を促した。【結果】 術後20 病日の時点で体幹回旋右30/ 左30°、股関節伸展右10/ 左5°、足関節背屈右15/ 左15°、Mini-BESTestは28 点。歩行は体幹が直立し上肢が振れるようになり、前傾姿勢は改善、ストライド長は91 ± 2cm に向上し、自宅退院に至った。【考察】 PD 患者の歩行改善には外部刺激の有効性が認められているが、二次的障害の影響も考慮して個々の姿勢・運動の分析も必要である。本症例の歩行機能を改善する上では、体幹の姿勢調節と股関節や下肢の可動性に着目することが重要であった。PD 患者にとって股関節や骨盤・体幹の二次的障害がバランスや歩行機能にどのように影響しているか、今後は症例数を重ねて検討していく。