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概要

抄集録

19P-037 近赤外分光法により測定した筋組織循環動態と筋緊張の関連性竹内伸行1,2),藤生大我2),松本昌尚2),大澤一輝2)1)高崎健康福祉大学 保健医療学部 理学療法学科2)本庄総合病院 リハビリテーション科key words 組織循環動態・筋緊張・脳血管障害【目的】 筋緊張は理学療法の治療対象として重要であり,重度になると関節可動域制限や疼痛を生じることもある。また筋の微小循環への影響も推察されるが,この点では関連する報告は見当たらない。本研究目的は脳血管障害患者の筋緊張と筋組織循環動態の関連性を明らかにすることである。【方法】 対象は脳血管障害患者15 人( 平均年齢81.47 ± 6.63歳,男3 人,女12 人,平均罹患日数630.40 ± 1000.11日) の麻痺側足関節底屈筋とした。同筋の筋緊張をAnklePlantar Flexors Tone Scale のStretch Reflex(SR),MiddleRange Resistance(MR),Final Range Resistance(FR) で測定し,近赤外分光法を用いたレーザー組織血液酸素モニタ(BOM-L1TRW,OMEGAWAVE 社) にて麻痺側腓腹筋内側頭の循環動態( 酸化ヘモグロビン量[O-Hb],還元ヘモグロビン量[D-Hb],全ヘモグロビン量[T-Hb],組織酸素飽和度[StO2]) を測定した。筋緊張と循環動態の関連性はSpearman 順位相関係数(rs) を用いて検討した( 有意水準5% )。本研究は本庄総合病院倫理委員会の承認を得て,また全対象に同意を得て実施した。【結果】 MR とO-Hb(rs>=-0.65,p=0.009),FR とO-Hb(rs=-0.59,p=0.021),FR とStO2( rs=-0.52,p=0.045) の間で,中等度の負の相関を認めた。他の項目は有意な相関係数を認めなかった。【考察】 APTS のMR とFR は筋伸張に対する抵抗感で評価され,主に筋緊張の非神経学的要素を反映し,SR は伸張反射を主とする神経学的要素を反映する。MR とO-Hb 量,FR とO-Hb 量,FR とStO2 の各項目間に中等度の負の相関を認め,SR との間には有意な相関を認めなかったことから,筋緊張の非神経学的要素が亢進した状態では,酸素消費が増大し,組織酸素飽和度が低下することが示唆された。P-038 変形性膝関節症における関節運動の変化が疼痛関連因子に与える影響中島彩1,3),村田健児1),国分貴徳2),森下佑里1),藤原秀平1),高柳清美2),金村尚彦2)1)埼玉県立大学大学院 保健医療福祉学研究科2)埼玉県立大学 保健医療福祉学部 理学療法学科3)医療法人社団 善衆会 善衆会病院key words 膝OA・疼痛・脊髄後根神経節【目的】 変形性膝関節症(膝OA)は疼痛と軟骨変性を主症状とし,軟骨変性の予防に,ACLT 切断(ACLT)後の脛骨前方引き出し(異常関節運動)の制動が有効とされている.疼痛については,脊髄後根神経節(DRG)で,疼痛関連因子CGRP が小細胞及び中細胞で,SP が小細胞で発現増大する報告がある.そこで,膝OA における異常関節運動の制動が疼痛に与える影響を,CGRP,SP に着目し検討することを目的とした.【方法】 10 週齢Wistar 系雄性ラットを,膝OA モデルとしてACLT 群,関節制動(CAM)群,sham 群の3 群に3匹ずつ分類した.術後8 週で脊椎を採取,L4DRG レベルで凍結切片を作成し,CGRP,SP の蛍光免疫組織化学染色を行った.陽性細胞の面積を小(<500μ m2),中(500- 1200μ m2)に分類後,陽性細胞におけるサイズ別の割合を算出し,一元配置分散分析を行った.なお,本研究は所属動物実験倫理委員会の承認(28- 2)を得て実施した.【結果】 CGRP,SP 共に各群で小,中細胞に発現した.各抗体陽性細胞サイズの割合に有意差は認めなかったが,ACLT 群は他の2群に比べてCGRP の中細胞発現割合が増大傾向を示した.また,SP の小細胞発現割合はACLT 群が他の2群より大きい傾向を認めた.【考察】 CGRP 陽性細胞は,先行研究によりOA モデルで中細胞の割合増大が報告されており,本研究においても類似した傾向が得られた.中細胞に発現するCGRP はアロディニアに関与するため,ACLT 群では疼痛の慢性化が考えられる.SP の結果からも,ACLT 群で疼痛が大きい可能性が考えられる.これまでに,異常関節運動の制動はメカニカルストレスを減少し,炎症を抑制することが示されている.ゆえに,異常関節運動の制動は,炎症性疼痛関連因子の陽性細胞サイズ割合の変化を抑制する傾向があると言える.このことは,膝OA の理学療法として,関節運動を正常に近づける介入が疼痛を抑制する傾向があると考えられる.