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概要

抄集録

18P-035 立位における挺舌時の足圧中心軌跡渡部幸司1),稲垣麻以1),澤端秀久1)1)順天堂東京江東高齢者医療センター リハビリテーション科key words 挺舌・足圧中心・予測的姿勢制御【目的】 随意運動に伴う予測的姿勢制御については多く報告されている。それらは主に四肢の運動に関する報告であり、口腔の運動に関する報告はみられない。そこで本研究は、挺舌運動に予測的姿勢制御が伴うかを調査する目的で、健常成人の足圧中心軌跡を測定した。【方法】 実験協力者は33.5 ± 6.0 歳( 平均±標準偏差) の健常成人12 名であった。課題は、開口位での挺舌運動20 回とした(メトロノームを使用して50 回/ 分の速さ)。測定肢位は足幅が第2 中足骨間15cm となる立位。重心動揺計(ANIMA 社製)を使用して足圧中心軌跡を計測し(サンプリング周期33msec)、その映像をビデオカメラにて録画した。静止立位時の前後足圧中心位置を基準とし、録画映像より挺舌のタイミングを計り、挺舌の前後500msecの前後足圧中心軌跡の平均値を算出した。なお、協力者には本研究の概要を説明し、書面にて同意を得て行った。【結果】 12 名の足圧中心軌跡平均値の波形は、挺舌開始の165msec 前に最も後方重心となり、231msec 後に最も前方重心となった。【考察】 四肢の運動時の足圧中心軌跡は、運動前100 ~200msec に運動方向と反対側へ移動すると言われている。舌の重さと移動距離は非常に小さいが、挺舌運動でも四肢と同様の足圧中心軌跡をたどることが示唆された。【理学療法研究としての意義】 本研究により、舌の運動時に予測的姿勢制御が伴うことが示唆された。立位等におけるバランス障害の評価や治療の際には、四肢体幹の他に舌の運動も考慮する必要があるだろう。P-036 損傷靭帯自己治癒過程における創傷治癒関連遺伝子の網羅的発現解析森下佑里1),金村尚彦2),国分貴徳2),村田健児1),高柳清美2)1)埼玉県立大学大学院 保健医療福祉学研究科 博士後期課程2)埼玉県立大学 理学療法学科key words 前十字靭帯損傷・自己治癒・PCR Array【目的】 膝前十字靭帯(以下、ACL)完全損傷後、関節包外よりACL 損傷後に生じる異常な関節運動を制動することで、ACL は損傷から約2 週間で連続性を再獲得し、自己治癒することが報告されている(Kokubun 2016)。本研究は、ACL 自己治癒を誘引する因子探索のため、特に創傷治癒関連遺伝子に着目し、その発現を網羅的に調査することを目的とした。【方法】 Wistar 系雄性ラット(11 週齢)18 匹を対象とし、Sham群、ACL 非治癒群(ACL-Transection:ACL-T)、ACL 治癒群(Controlled abnormal movement:CAM) に6 匹ずつ振り分けた。各群右後肢を対象に、ACL-T 群に対しACL の切断を行い、CAM 群に対しACL 切断後関節包外より脛骨の前方引き出しの制動を行った。術後1・2 週時点で各対象からACL を採取した後、total RNA 抽出、cDNA 合成し、PCR Array 法(Qiagen)を用いて創傷治癒に関連する計85 遺伝子の発現を網羅的に解析した。本研究に際しては、所属施設倫理委員会に計画書を提出し、承認を得た。【結果】 1 週時点での解析において、ACLT 群ではECM・細胞接着分子関連の12 遺伝子が増加し、ケモカイン、抗炎症性サイトカイン、増殖因子関連の19 遺伝子が低下していた。CAM 群ではECM・細胞接着分子、抗炎症性サイトカイン、ケモカイン、シグナル伝達関連の27 遺伝子が増加し、増殖因子関連の10 遺伝子が低下していた。2 週時点での解析において、ACLT 群ではECM・細胞接着分子、ケモカイン、サイトカイン、増殖因子、シグナル伝達関連の35 遺伝子が増加し、CAM 群ではECM・細胞接着分子、ケモカイン、サイトカイン、シグナル伝達関連の29 遺伝子が増加していた。【考察】 ACL 治癒群の特徴は、異常な関節運動を制動し関節内に加わるメカニカルストレスを変化させていることである。これにより、ACL 損傷後の関節内において炎症の慢性化が抑制され、治癒関連因子を増加させる可能性が示唆された。