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概要

抄集録

15P-029 労作時の呼吸指導が奏功し,呼吸困難感による運動耐容能が改善した一症例五十嵐康太1),倉田考徳1)1)医療法人社団 永生会 南多摩病院 リハビリテーション科key words 呼吸筋リラクゼーション・呼吸指導・運動耐容能【はじめに】 間質性肺炎は間質の線維化に伴う拘束性障害や肺拡散能低下を呈する.従来,運動耐容能向上を目標とする場合,下肢筋力トレーニングやエルゴメーター等による有酸素運動が推奨される.しかし,今回呼吸筋リラクゼーションや呼吸指導により呼吸困難感軽減や連続歩行距離の延長を認めた症例を経験したため報告する.症例にはヘルシンキ宣言に基づき同意を得た.【症例紹介】 元来,間質性肺炎の増悪と寛解を繰り返していた86 歳男性.1 ヶ月前から呼吸苦の増悪を自覚していたが今回,左上葉の自然気胸を併発し,著しいSpO2 低下を認めたため,間質性肺炎及び気胸の診断で当院に入院した.【初期評価】 浅い努力様呼吸,胸郭柔軟性低下,両上肺野の呼吸音減弱・両背側に捻髪音が聴取された.下肢筋力MMT4 ~5,MRC 息切れスケールGrade4,労作時に著明な息こらえを認めた.運動耐容能は6分間歩行試験(6MD)実施困難,連続歩行距離20m であった.【治療プログラム】 胸郭ストレッチや呼吸筋リラクゼーションの実施,呼吸指導として吸気:呼気を1:2 のタイミングで口すぼめ呼吸を実施し,段階的に座位足踏み→立位足踏み→歩行と難易度を上げて行い,労作時の息こらえの抑制を図った.【結果】 理学療法開始5 週後では努力呼吸が軽減,MRC 息切れスケールGrade3 ,労作時息こらえが軽減,6MD180m,連続歩行距離200m と改善を認め自宅退院となった.【考察】 胸郭柔軟性低下による呼気量減少は,代償的に呼気補助筋を動員し胸腔内圧の上昇を引き起こす.このことから本症例は末梢気道の閉塞が起こり息こらえを生じさせたと考えられた.さらに,末梢気道の閉塞は肺内シャントを生じさせ,末梢組織への酸素供給量が減少し,低酸素血症による運動耐容能低下に至ったと推察された.よって,肺理学療法中心の介入により,呼気努力が軽減し肺内シャントが改善され,呼吸困難感の軽減や歩行距離延長に寄与したことが考えられた.P-030 開心術後ICU-AW を呈した症例に対し, 神経筋電気刺激を施行した際の血行動態の変化小幡洸介1),田口郁苗1),小山雄大1)1)町田市民病院 リハビリテーション科key words 神経筋電気刺激・血行動態変化・廃用予防【はじめに】 心臓リハビリテーションにおいて神経筋電気刺激(以下NMES)が注目されている. 集中治療を必要とする重症患者はICU 関連筋力低下(ICU-AW) を高頻度に発症する. このような患者に対しNMES を施行した報告はあるが,NMES 施行時の血行動態については推測の域を出ないのが現状で, 評価することは臨床的意義があると考える. 今回,開心術後ICU-AW を呈した低心機能の患者に対しNMESを施行し, その際の血行動態の変化を評価した.【説明と同意】 対象者と家族へ報告の主旨を説明し同意を得た.【症例紹介】 陳旧性心筋梗塞等で通院中の70 代男性. 健診で狭心症を指摘され,CABG 施行後3 週間入院しADL 自立で退院. 退院後MR 進行により心不全を呈し,12/6 CABG,MVR 施行. 術後3 週間ICU 管理, 術後6 日目よりPT 介入開始.【方法】 電気刺激装置G-TES(ホーマーイオン社製)を使用し. 安静背臥位にて腹部, 両大腿部遠位にベルト状の電極を取り付け, 廃用モード( 刺激時間:4 秒収縮,2 秒弛緩) で電気刺激を施行した. プロトコールは安静5 分後に刺激を開始し,5 分毎に強度を上げ, 開始から10 分で最大強度となるよう計15 分間実施した. 血行動態の測定には非侵襲心拍出量計PhysioFlow(旭光物産社製)を用い, 測定項目は,HR,SV,CO,SVR とした. 統計処理は安静時, 刺激開始から5 分までをstage1,10 ~ 15 分をstage2 とし, 各平均値を,Mann-Whitney のU 検定を用い比較した. 有意水準は5% 未満とした.【結果】 SV は安静時に比較しstage2 で,stage1 に比較しstage2で有意に低下し, その他各測定項目間に有意差は認められなかった.【考察】 Stage2 でSV は有意に低下したが, これは酸素供給に伴う運動筋の血管拡張が起こり, 静脈還流量が低下した影響と考えた. またHR,CO に有意差がないことから, 急激な静脈還流量増加による前負荷の上昇や心臓への負担は少ないと考える.NMES では中心血行動態に影響を与えず, 骨格筋を収縮することから重症例の骨格筋萎縮予防として有用であると示唆される.