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概要

抄集録

5O-009 運動イメージを用いた注意の焦点化の違いが脳卒中片麻痺患者の歩行特性に及ぼす影響荻原啓文1),木村貞治2)1)日本保健医療大学 保健医療学部 理学療法学科2)信州大学 医学部 保健学科 理学療法専攻key words 脳卒中片麻痺・歩行・注意の焦点化【目的】 脳卒中片麻痺患者の歩行障害に対して,環境と自己との関係性に関する運動イメージに注意を向けさせる外的注意の焦点化(external focus of attention ,EFA) と,身体の動作そのものものに注意を向ける内的注意の焦点化(internal focus of attention,IFA) という注意の焦点化の違いが歩行特性に及ぼす影響を,定量的に解析することを目的とした.【対象】 歩行時に患側の股関節伸展角度の低下や立脚時間の短縮といった歩行の左右非対称性を呈する脳卒中片麻痺患者20 名( 年齢61.4 ± 10.9 歳) とした.【方法】 全ての被験者に,後方から引かれている力に打ち勝つように運動イメージするEFA 条件と,足を後ろに蹴るように歩くといった自身の動きに注意を向けさせるIFA 条件に,Control 条件を加えた3 条件での歩行測定を,2 回ずつ無作為な順序で実施した.測定は,簡易的歩行解析システム( キッセイコムテック製,RehaGait) を用い,測定項目は,両側の股関節伸展角度と立脚相比率,股関節伸展角度健患比,立脚相比率健患比,歩幅,歩行速度とした.【倫理的配慮,説明と同意】 研究を行うにあたり,対象者に本研究の主旨を文書および口頭で説明し,文書にて研究参加への同意を得た.本研究は,信州大学医学部医倫理委員会において承認された( 承認番号:3489).【結果】 両側の股関節伸展角度と立脚相比率,股関節伸展角度健患比,立脚相比率健患比,歩幅,歩行速度の全てのデータにおいて,3 条件間で有意差は認められなかった.【結語】 注意の焦点化の有無および違いによる比較では,全てのデータに有意差が認められなかったことから,今回対象としたような脳卒中片麻痺患者においては,随意性低下,筋緊張異常,感覚障害,バランス機能低下などにより,発揮し得る歩行機能が制約され,結果として,今回実施したような注意の焦点化の違いによって変化し得る歩行機能の幅も狭くなっていた可能性があることが示唆された.O-010 慢性期脳卒中片麻痺患者に対して歩行神経電気刺激装置と油圧制動継手付短下肢装具を併用した介入経験河原佳希1),中川慎也1),小串健志1),藤田聡行1)1)医療法人社団心和会 新八千代病院リハビリテーション科key words 機能的電気刺激・脳卒中・歩行【目的】 歩行神経電気刺激装置ウォークエイド( 以下,WA) とGait Solution Design( 以下,GSD) を併用し,歩行速度の改善を認めた多くの報告がある。今回,WA とGSD を併用し訓練を行った。介入効果を表面筋電図,3 次元動作解析装置を用いて検証した。【方法】 対象は70 歳代男性。1 年半前,視床出血後に右片麻痺を遺残している。SIAS 下肢運動項目4-3-3,筋緊張2-3。感覚は軽度鈍麻である。移動はT 字杖を使用し自立。立脚初期に反張膝,内反尖足を伴う歩容から通所リハビリテーションを継続している。今回,装具再考のためWA に加えてGSD を併用した。介入期間は1 回60 分,合計4 回とし,介入前後に裸足での10m 歩行を計測した。測定はポーダブル3 次元動作解析装置(NORAXON 社製,MYOMOTION),無線式筋電図計測装置(NORAXON 社製,TELEMYODTS) を用いた。動作解析は骨盤帯,大腿部,下腿部,足部にセンサーを装着し関節角度を計算した。被検筋は麻痺側の大殿筋,大腿直筋,内側広筋,内・外側ハムストリングス,前脛骨筋,腓腹筋内・外側頭とした。被検筋の筋活動量は% MVC として算出した。【説明と同意】 本研究はリハビリテーション診療計画に沿って説明し,書面に同意を得て実施した。【結果】 10 m歩行では20 歩12.8 秒→ 20 歩12.2 秒。介入後,麻痺側の荷重応答期で前脛骨筋,大殿筋の筋活動量に増加がみられた。荷重応答期において膝関節反張方向への角度は消失した。また,全足底接地への最大底屈を生じるタイミングは同調され,踵接地の足関節背屈角度は12 度→ 7 度と減少を認めた。【考察】 今回,WA とGSD を併用した歩行訓練を実施し,立脚初期での荷重応答が促進された。荷重応答期において,足関節の動的可動域が減少しながらも,全足底接地へのタイミングに変化をみなかったことから,踵接地後の底屈運動が緩徐になったと考える。慢性期脳卒中片麻痺患者において,WA とGSD の併用療法は踵接地からの荷重訓練の一助になる可能性がある。