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概要

抄集録

11P-021 当院における人工呼吸器装着患者に対する離床プログラムの安全性―リスクの層別化と呼吸循環応答-小澤哲也1),守田誠司2),澤本徹2),石塚久美子3),白石尚子3),村山ゆかり3),岸本美保3),川口留佳3),佐藤隆一1),大澤貴子1),大山由廉1),中村彩菜1),霜田直史4)1)小田原市立病院 リハビリテーション室2)小田原市立病院 救急科3)小田原市立病院 救急センター4)小田原市立病院 リハビリテーション科key words 人工呼吸・早期離床・安全性【背景】 近年、人工呼吸器装着(MV)患者に対する離床の開始基準や実施基準が明確化されているが、離床時のリスクの層別化に関する報告は少ない。そこで本研究は離床時のリスクを層別化した離床プログラムの安全性を検討することを目的とした。【方法】 当院救命救急センターに入院となり、離床プログラムに基づいてベッドアップ、端座位および車椅子乗車を実施したMV 患者5 例(男性5 例、年齢77 ± 11 歳、肺炎4 例、多発外傷1 例、APACHE2 スコア25.8 ± 1.5 点)、28 回の離床を対象とした。離床時のリスクの層別化として、人工呼吸器の設定(FiO2 < 0.6、PEEP < 10cmH2O、PaO2/FiO2 ratio > 150)、高用量の強心薬を使用していないこと、バイタルサイン(SpO2 > 88%、HR40-130bpm、sBP80-180mmHg、RR10-40bpm、体温< 38.5℃)の3 つの大項目を指標とし、基準を満たした大項目の数によって、3 項目をlow risk(LR)、1 ~ 2 項目をmoderate risk(MR)、0 項目をhigh risk と分類した。なお、high risk の場合は離床は実施しなかった。アウトカムは離床実施前後の血圧、心拍数、酸素飽和度、呼吸回数およびそれぞれの変化量と20 分の離床が完遂できたか否かとした。解析方法は各離床をLR とMR に分類し、アウトカムを対応のないt 検定とχ2 乗検定で比較した。なお、有意確率は5% 未満とした。本研究は当院倫理委員会の承認を得て実施した。【結果】 離床のリスク分類はLR 18 回、MR10 回であった。LRはMR の離床に比較して20 分の離床完遂率(LR vs. MR:50% vs. 10%)、PF ratio(171±17 vs. 131±17)、体温(37.1± 0.5 vs. 37.7 ± 0.7℃)、離床後のSpO2(97 ± 3 vs. 95± 3 %)に有意差を認めた(p < 0.05)。それ以外の項目に有意差は認めなかった(p > 0.05)。【結論】 LR とMR のMV 装着下の離床は著しい呼吸循環動態の悪化を招くことはないが、MR の離床は離床時間の調整などが必要である。P-022 視力障害を呈した糖尿病患者に対し身体活動量を考慮した指導を行い血糖指標の改善を認めた症例金子敬弘1),和田晃平1),田中さえ子1),關口治2)1)神奈川県警友会 けいゆう病院 リハビリテーション科2)神奈川県警友会 けいゆう病院 整形外科key words 糖尿病・身体活動量・合併症【はじめに】 近年,糖尿病の運動療法として身体活動量を考慮する事が重要とされる.糖尿病患者が合併症を有し,従来の運動療法実施が困難なことは多い.今回,合併症を有して運動療法に難渋した患者に対し,身体活動量を意識した指導を行い改善を認めた症例を経験したので報告する.発表に際し本人に説明と同意を得た.【症例紹介】 70 代女性.体重61kg,身長139cm,BMI31.5.58 歳で2 型糖尿病と診断.当院で外来加療を行っていたが,血糖コントロール不良となり入院.入院翌日より理学療法開始.既往に狭心症,左足関節骨折.糖尿病合併症は神経障害なし( 簡易診断基準でATR のみ消失),増殖網膜症( 両側光凝固後で右失明,左高度視力低下),腎症3 期.入院時HbA1c9%,随時血糖170mg/dl.【経過】 視力障害にて入院前は日常生活を通して低活動であり,運動の必要性は感じていたが自力での運動を困難と考えていた.介入時よりNEAT について説明を行い,ストレッチと片足立ちと足踏み練習を退院まで週5 日実施した(2 週間入院).服薬は,退院時は入院時よりインスリン量を8単位減量しDPP4 阻害薬を追加.【介入後の変化】 運動に対して前向きな発言,自己での運動の実践,継続の意思を認めた.入院から2 か月後はHbA1c7.8%,随時血糖150mg/dl と改善を認めた.【考察】 本症例は視力障害にて活動範囲が狭小化していたことや自己で運動が困難であると感じていたことから運動習慣がないため活動性低下が顕著であった.しかし身体活動量を意識した運動指導と実践可能な運動方法を具体的に提案し本人が実践できたことで,自己効力感を得たことが運動意欲の向上と実践につながり,退院後の身体活動量が高まったことが,血糖指標の改善へ寄与したと考える.視力障害により糖尿病の運動療法を実践できない患者に対しても,身体活動量を高めることに重点を置いた運動指導をすることで血糖コントロールの改善へつながることが示唆された.