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概要

抄集録

6P-011 既卒で入職した中堅理学療法士に対し当院独自の職員能力評価を使用した臨床教育の効果検証岩田千恵子1),西谷拓也1),青木賢宏1),下日向健太1)1)八王子保健生活協同組合 城山病院key words 臨床教育・職員能力評価・EPDCAサイクル【はじめに】 当院では理学療法士( 以下,PT) の質を管理するために当院独自の職員能力評価( 以下, 職員能力評価) を作成している. この職員能力評価を用いて, 既卒で当院に入職したPT に対し入職直後から教育を始めた. 入職1 年後には臨床技能の向上が認められたので, この職員能力評価を使用した臨床教育の効果を検証し, 報告する. 今回の報告に関して本事例へ説明し同意を得ている.【対象と方法】 臨床経験7 年目に当院へ入職したPT に対し, 臨床技能の指標として用いられる短縮版臨床評価テスト日本語版( 以下,Mini-CEX), 及び当院の職員能力評価を入職直後に実施した. 職員能力評価の結果より, 本事例は理学療法評価を正確に行えていないことが明らかになった. そこで理解が曖昧な理学療法評価項目には講義を実施し, また臨床においては観察と触診だけでなく検査測定を正確に行うことを指導した. 指導を開始してから1 年後に再度Mini-CEX と職員能力評価を実施し, 臨床教育前後で変化を追った.【結果】 Mini-CEX( 各項目1 ~ 9 点) の結果は, 医療面接技能5 → 9, 身体診察技能4 → 9, 人柄- プロフェッショナリズム8 → 9, 臨床判断力2 → 8, カウンセリング技能3 → 9, 診察の組み立て- 効率の良さ3 → 8, 総合臨床力3 → 8 だった. 職員能力評価の結果は水準1- 援助( 満点198)113 → 198, 水準2- 助言( 満点150)86 → 150, 水準3- 独立( 満点108)14 → 70 だった. これらより, 理学療法評価能力が改善し, 臨床能力の向上に繋がったことが読み取れた. 事例への聞き取りでは, 理学療法評価を見直したことで優先順位をつけた問題点抽出と, 治療の妥当性が検討できるようになったとのことだった.【結論】 Mini-CEX の結果で臨床能力が向上したことから, 当院独自の職員能力評価を使用した臨床教育は有効であったと思われる. 今回の結果から, 理学療法過程の中でも特に理学療法評価能力の重要性を再認識した. 当院では, 今後も理学療法評価能力に重点をおき,EPDCA サイクルが実践できるPT の育成を目指す.P-012 歩行分析自己達成度に影響する因子の検討青柳達也1),中村壽志2),豊田輝3),金子千香3),佐野徳雄3),齋藤孝義4),菅沼一男3)1)くらた病院 リハビリテーション室2)湘南医療大学3)帝京科学大学4)国際医療福祉大学key words 歩行分析・学習支援・臨床実習【目的】 歩行分析は,理学療法において重要な技能の一つである.学生は歩行分析を苦手としており,系統的に学習する必要がある.しかし,歩行分析を系統的に学習する方法はないため,新たな学習支援方法の構築が必要であると考えた.本研究は,学内と実習地における歩行分析に関する指導内容が主観的な自己達成度に関連する要因について調査することを目的とした.【方法】 対象は理学療法士養成校4 校の最終学年の学生186 名とした.アンケート用紙を用い,集合調査法で調査を実施した.アンケート項目は,設問1.実習中担当した症例に実施した歩行分析の主観的な達成度(以下,自己達成度),設問2.学内・実習先で受けた歩行分析に関する指導内容の参考度(5 項目)の設問からなる.回答はVisualAnalogue Scale(以下,VAS)を用いた.統計学的手法は,自己達成度低値群と高値群を独立変数,学内・実習先で受けた歩行分析に関する指導内容を説明変数とし,多重ロジスティック回帰分析を適用した.変数選択は,尤度比検定による変数増加法を用いた.統計ソフトはSPSSStatistics21 を用い,有意水準を5%とした.本研究は国際医療福祉大学倫理委員会の承認を得た(承認番号16 -I o - 6).【結果】 自己達成度に影響する変数として,学内では疾患別の異常歩行を理解する指導,実習地では異常歩行を発見する指導が選択された(p < 0.01). オッズ比と95%信頼区間は疾患別の異常歩行を理解する指導が1.030(1.007 ~1.054),異常歩行を発見する指導が1.049(1.015~1.083).予測値と実測値の判別的中率はそれぞれ75%,75.3% であった.【考察】 疾患別に異常歩行を理解できるように指導することや,異常歩行を発見するためのポイントを指導することで,歩行分析自己達成度が高くなると考えた.これらを踏まえた学習支援をすることで,歩行分析の学習への動機付けにつながり,歩行分析能力習得への一助となることが示唆された.