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概要

抄集録

4O-007 脳卒中患者に対する油圧制動継手付短下肢装具と歩行神経筋電気刺激装置の併用が歩行に与えた効果田邉継実1),遠藤誠1),藤田聡行1),小串健志1)1)医療法人社団心和会 新八千代病院リハビリテーション科key words 短下肢装具・機能的電気刺激・筋活動【目的】 油圧制動継手付短下肢装具Gait Solution Desig(n以下,GSD)と歩行神経筋電気刺激装置ウォークエイド(以下,WA)の併用は,回復期リハビリにおいて初期接地の改善を目的に選択される場合がある。しかしながら介入後の非装着時歩行(以下,N 歩行)での効果は検証されていない。そこで介入前後のN 歩行を,表面筋電図と3 次元動作解析装置を用いて検証した。【方法】 対象は60 歳代女性,右利き。アテローム血栓性脳梗塞による左片麻痺を呈す。初回介入は55 病日目。下肢SIAS は運動2-2-2,筋緊張2-1A。歩行は4 点杖とGSDを使用し2 動作前型,立脚中期に反張膝を呈す。歩行訓練はGSD とWA を併用し2 週間行った。介入前後の10m 歩行,下肢筋活動,股・膝・足関節角度を測定した。被験筋は麻痺側の大腿直筋(以下,RF),内側広筋(以下,VM),内側ハムストリングス(以下,IH),外側ハムストリングス(以下,OH),大殿筋(以下,GM),前脛骨筋(以下,TA),腓腹筋内側頭(以下,MG),腓腹筋外側頭とした。【説明と同意】 対象者に研究の趣旨を説明し,書面に同意を得て実施した。【結果】 10m 歩行は介入前26.7 秒29 歩,介入後22.4 秒24歩となった。介入後は初期接地から荷重応答期にかけTAの筋活動が増加し,荷重応答期から立脚後期にかけRF,VM,IH,OH,GM,MG の筋活動が増加した。中でも後面筋のI H,OH,GMは荷重応答期と立脚後期で2 回ピークがみられた。立脚後期から前遊脚期にかけて左股関節最大伸展が6 度,左足関節最大底屈が7 度増加した。【考察】 TA の筋活動が増加した後の下肢全体の筋活動増加は,麻痺側下肢での体重支持の増加が考えられた。重心はより前上方への移動が可能となり,非麻痺側下肢を含めた歩幅が延長したと考えた。また立脚後期における筋活動や関節角度の変化からも支持範囲の延長が示唆された。O-008 脳卒中片麻痺患者の歩行開始側の違いにおける歩行パラメータの変化川島藍1),戸田進吾1),栗田麻衣子2),丸井真澄2),小森智子2),前原栞2),鈴木綾2),永井翆2)1)東京さくら病院2)東京都リハビリテーション病院key words 脳卒中片麻痺・歩行開始側の選択・歩行パラメータ【目的】 片麻痺患者が歩き始める際、麻痺側下肢を先行肢として持ち上げ一歩目の接地に使うのか後行肢として支持に使うかは、歩行の安全性と効率性を左右する。本研究の目的は、片麻痺患者で歩行開始側が違った際の歩行パラメータの違いを検討し治療の検討項目として上げることである。【対象と方法】 対象は健常者15 名、脳卒中患者13 名。測定方法は、表面筋電図を被検筋(両側前脛骨筋・ヒラメ筋・中殿筋)に装着し、シート型足圧計測器ウォークway 上で5 秒間の立位をとる。歩行を開始し2.4m のウォークway 上を歩き抜け、停止せずに10m 歩行を測定する。左右2 施行ずつ実施した。麻痺側及び非利き足から開始する方を条件A、非麻痺側及び利き足から開始する方を条件Bとした。【測定項目と結果】 項目ごとに対応のあるt 検定にて解析を行った。麻痺側の値を条件A/ 条件B で表す。筋電図(% difference):前脛骨筋45.1/44.3%、ヒラメ筋41.5/40.8%、中殿筋34.3/32.8%。10m 歩行:19.8/20.1 秒。ウォークway:立脚比0.9/1.0 秒、スピード48.2/46.4cm/ 秒、歩幅:17.5/9.7cm(p < 0.01)。健常者では全ての値において有意差はなかった。【考察】 条件B において麻痺側の歩幅が優位に減少した。非麻痺側から歩行開始した際には、後行肢となる麻痺側の前方への不安定性が生じるため、非麻痺側への重心移動を大きくし安定性を高め麻痺側を小さく振り出している可能性がある。10m 歩行速度は麻痺の程度による傾向がみられた。条件B において歩行速度が向上した被検者は5 名おり、その全てがBRS ∨であった。5 名のうち麻痺側歩幅は4 名が増加し左右対称性が高くなる傾向にあった。随意性が向上すると、倒立モデルによる推進力を利用した方が、持ち上げて振り出すよりも速く推進力を得られる可能性がある。今回の結果からは各条件間での歩行パラメータに大きな差はみられなかったが、随意性が高い場合は歩行開始側の選択にも考慮をする必要性が示唆された。