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概要

抄集録

2P-003 当院理学療法科における職場の腰痛予防への取り組みと分析~産業理学療法の視点を加えて~長井亮祐1),片山英紀1),伊藤修一1)1)市川市リハビリテーション病院key words 腰痛予防・産業理学療法・職業性腰痛【目的】 当院PT 科は,職場スタッフへ向け様々な腰痛予防研修会を行ってきたが,その内容や結果について振り返ることは少なかった.本研究では,2016 年度に実施したアンケートを労働衛生の視点を交えて分析し,今後の取り組みを検討する.【方法】 腰痛予防研修会は,当院に勤務する看護師・看護助手・リハ職を対象として2010 年から計5 回実施している.アンケート調査は2016 年5 月に同対象者へ実施された.質問項目:職種,経験年数,現在の腰痛の有無・腰痛歴,腰痛予防に重要だと思うこと,腰痛が出現する動作,腰痛の程度,福祉用具を活用できているか.一部を除き,選択肢回答とした.本研究は無記名( 匿名) のアンケート調査であり,回答・提出も対象者の意思に委ねられた.結果は集計し統計的に処理された形であり,個人が特定されることはない.また,当院倫理審査委員会の承認を得ている.【結果】 今までに実施した研修会を労働衛生の5 管理に基づき分類すると,作業管理や健康管理の側面をテーマとしたものが多かった.腰痛有病率は32% であり,看護業務従事者に腰痛経験者が多かった.腰痛予防に重要だと思うことは,「適切な介助方法の取得」「心身ともに健康になること」の割合が全体的に高く,一方で「作業環境の改善」の割合が低かった.福祉用具の活用は「使う機会がない」「活用できていない」の割合が高かった.腰痛が出現する動作は「トランスファー動作」が最も多かった.【考察】 今までに実施した研修会は,作業管理や健康管理の側面へ偏っていたことが分かった.一方で,作業環境管理の側面をテーマとした研修は少なく,対象者の「作業環境」へ対する意識も低かった.【まとめ】 今後は作業環境の側面をテーマとした研修会の実施や当院安全衛生委員会と連携を深めるなど,労働衛生の5管理へ総合的に関わっていきたい.また,アンケート調査に客観的指標を用いて効果の検証をおこなっていく.P-004 復職支援実務研修の体験記からわかったこと~長期離職者が復職に必要なこと~寺尾詩子1),萩原文子1),大槻かおる1),大島奈緒美1),清川恵子1),西山昌秀1),杉山さおり1),石田輝樹1),熊切博美1),相川浩一1)1)公益社団法人 神奈川県理学療法士会 ライフサポート部key words 長期離職者・復職支援・実務研修【はじめに】 私達は復職希望の理学療法士( 以下PT) を対象に臨床現場での研修を実施している. この研修の体験談を振り返ることで、長期離職者の復職に関する課題の一端が垣間見られた. 今後の復職支援事業に生かせると考え, 体験談をまとめたので報告する.【方法】 研修は3 ~ 5 日間, 参加者の希望を聴取して実施し,7年で6 人が参加した. ヘルシンキ条約に則って説明し, 公開の承諾が得られ体験談を依頼できた5 人から, 体験談の文を要素ごとに分類してまとめた.【結果】 離職理由は結婚・出産・子育てが4 人, その他が1 人で,全員が離職中に転居を経験し, 就職活動に際して周辺の情報がない, 協力者がいない環境であった. 離職期間は4 ~12 年で,5 人中4 人は研修後に復職した. 研修前の不安な点は,「仕事で外に出るとどういう生活になるのか」「家族への影響はどうか」「現在の知識や技術で働けるのか」「働く場所にどのようなところがあるか」「具体的な課題は何か」で, 全ての研修生に共通していた. 研修後の感想では「PT の魅力が再確認できた」「知識や技術のなさは働きながら補いたい」という復職に前向きな意見が多かった. 一方, 生活環境の変化への対応としては個々の環境によって違い,「家族が外で働くことに思いのほか協力的だった」「パート勤務でないと難しい」「就職先の就業条件について事前に情報収集が必要」と具体的に対策が検討できていた.【考察】 長期離職者にとって, 家族や自分の生活が変化することへの対応が大きな課題であった. そのため, 研修の参加によって「同じ時間・数日間外出する経験ができる」ということに一つ大きな意義があると感じた. また, 知識や技術面の不安に対しては, 実際に患者と接触できること, 現場のPT の姿を見ること, 具体的な情報を提供することが, 自分の働く姿のイメージへつながると推察された.【まとめ】 長期離職者の復職支援の方法として, 数日間の実務研修が有効であることが示唆された.