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概要

抄集録

45O-089 被殼出血後急性期より長下肢装具を用いた長距離歩行練習を実施し、早期に自力歩行が可能になった一症例小林勇仁1),阿部翔悟1),小泉周也1),藤森大吾1)1)医療法人社団 緑成会 横浜総合病院 リハビリテーション科key words 急性期・脳卒中・長距離歩行練習【目的】 重度運動麻痺と肥満体型により歩行獲得に難渋すると考えられた一例を経験した。抗重力位での筋出力向上・運動学習を図るために早期より長下肢装具を用いた長距離歩行練習を実施したことで、運動麻痺は残存したが、急性期病院入院中に自力歩行が可能となったため経過に考察を加え報告する。【症例と経過】 左被殼出血により右片麻痺を呈した40 歳代女性、BMI36.3、入院時Brunnstrome stage( 以下Brs) は上肢I 手指I 下肢II、感覚は表在・深部共に上肢重度鈍麻、下肢中等度鈍麻、食事・尿意・寝返り(二木らの予後予測項目の基礎的ADL)は3病日に自立、全般的注意障害、失語症を認めた。歩行獲得・自宅復帰を長期目標に長下肢装具を用いた長距離歩行練習を中心に実施した。 1病日にICU にて歩行練習を開始、3 病日にSCU に転棟し合計600 m以上の歩行練習を毎日実施した。30 病日より装具カットダウン、歩行練習は一日合計1200 m実施した。35 病日で回復期病院へ転院した。【結果】 Brs は上肢II 手指II 下肢III、感覚は下肢軽度鈍麻、起居・移乗動作は監視となり、歩行は短下肢装具使用にて監視レベルで可能となった。【考察】 二木らの予後予測より、最終的な歩行獲得は可能と予測したが、重度運動麻痺であること、肥満体型により抗重力位で必要な筋出力が大きくなること、非麻痺側への重心移動が困難であることから歩行獲得に難渋すると考えられた。そこで、抗重力位での筋出力向上と運動学習の効果を期待し、リスク管理下で可能な限り歩行練習を行った。結果として、運動麻痺は残存したが、抗重力位での筋出力向上と運動学習による重心移動の改善によって、早期に自力歩行が可能になったと考えられる。【結語】 重度運動麻痺の患者に対して、早期から長下肢装具での長距離歩行を実施することは運動麻痺の改善に関わらず歩行機能の改善に有効であると考えられる。O-090 回復期脳出血患者に対し歩行神経筋電気刺激装置(ウォークエイド?)を用いた一症例高橋広樹1),飯野和徳1),田中直樹1),飯塚陽1),金森毅繁1),平島富美子2)1)筑波記念病院 リハビリテーション部2)筑波記念病院 リハビリテーション科key words 回復期脳出血患者・ウォークエイド・歩行【はじめに】 歩行神経筋電気刺激装置ウォークエイド?(以下WA)は,脳卒中治療ガイドライン2015 にて推奨されている機能的電気刺激療法であり,中枢神経障害による下垂足・尖足患者の歩行改善等が報告されている.今回,回復期脳出血患者の麻痺側遊脚期の足関節内反により歩行能力が低下していた症例に対し,WA を用いた理学療法を行う経験を得たので報告する.【症例紹介】 50 代男性.左被殻出血により右片麻痺を呈し,他院にて急性期治療後,リハビリ目的で当院に転院.29 病日に当院回復期リハ病棟に転棟.転棟時評価,Br.Stage(以下BRS)右下肢III,歩行は平行棒とシューホーンブレース(以下SHB)にて中等度介助レベル.尚,発表にあたり本人・家族に趣旨を説明し同意を得ている.【理学療法評価と経過】 29 病日より足関節背屈の随意性向上練習や歩行練習を開始.50 病日,BRSV,ステップ練習を開始,63 病日にT 字杖歩行監視(SHB 使用),90 病日にT 字杖歩行自立(SHB 使用),10m 歩行速度12.47 秒,SHB なしでは麻痺側遊脚期の足関節内反とトウクリアランスの低下が著明であり,独歩は不可能.96 病日よりWA を導入.WA は週3 ~ 5 回,1 回20 分,1 ~ 1.5 の強度で実施.WA 導入時,BRSV,10m 歩行速度(T 字杖とSHB 使用)12.04 秒,126 病日,BRSVI,10m 歩行速度(T 字杖とSHB 使用)9.03 秒となり,麻痺側遊脚期の足関節背屈,トウクリアランスが改善し独歩可能となった.【考察】 本症例は,WA による麻痺側下肢の随意性向上と運動学習により,麻痺側遊脚期の足関節背屈の分離が可能となり,トウクリアランスを確保することができ独歩獲得に至ったと考える.このことから,麻痺側遊脚期の足関節背屈獲得が難渋するような症例に対してWA を用いた理学療法が効果的であることが示唆された.