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概要

抄集録

43O-085 下肢痙縮に対しBotulinum Toxin Type A とウォークエイドを併用した慢性期脳卒中患者の経時的評価五十嵐達也1)1)沼田脳神経外科循環器科病院 リハビリテーション部門 理学療法課key words A型ボツリヌス毒素製材・ウォークエイド・下肢痙縮【目的】 慢性期脳卒中患者の下肢痙縮に対しBotulinum ToxinType A(BTXA) 投与後にウォークエイドを併用したリハビリテーションを実施した。各パラメーターの経時的変化量から先行研究とのデータ比較を踏まえ、下肢痙縮に対するBTXA 単回投与後のウォークエイドの併用効果について検証を行った。【倫理的配慮】 本研究は当院倫理委員会の承認を得ており、対象者に口頭での説明を行い、紙面で同意を得て実施した。【対象】 39 歳、女性。もやもや病術後、発症から7 年経過し当院外来リハビリ通院加療中。右麻痺上肢手指下肢BrsIII、プラスチックAFO とT‐cane を使用し屋内歩行自立。下腿筋群に対し計300 単位のBTXA を施注後、ウォークエイドを併用したリハビリテーションを実施した。【方法】 足関節のModified Ashworth Scale(MAS) の変化量、10m 直進歩行時のPhysicians Rating Scale(PRS)、歩行時間を計測した。また、機能障害度に関する全般的印象をNumeric Rating Scale( - 5 極めて悪い~+ 5 極めて良い) を用いたClinical Global Impression(CGI) で医師・被験者・理学療法士が11 段階の評価を行った。評価時点は投与前・投与後4 週・投与後8 週・投与後12 週の4 時点であった。比較する先行研究として、Kaji らが成人下肢痙縮患者120 例に実施した臨床試験の結果を用いた。【結果】 MAS は投与後4 週で2、投与前・8 週・12 週で3 を示し、MAS 変化量は先行研究に比し先行して効果の減弱を認めた。歩行時PRS・被験者のCGI 値はいずれの時点においても先行研究に比し高い傾向にあった。歩行速度は先行研究に比し値が低い傾向にあった。【考察】 PRS では各測定期ともに本調査で値が高い傾向にあったが、歩行速度では各測定期で値が低い傾向にあった。一方で、各測定期で歩行の質を問うPRS や被験者の主観性を調査するCGI で値が高い傾向にあったことは、ウォークエイドを併用したことによる利得とも考えられる。O-086 脳血管後遺症の痙縮に対しボトックス注射を施行し, 屋外歩行の獲得を目指した症例石川達朗1)1)医療法人社団 緑野会 みどり野リハビリテーション病院key words ボツリヌス療法・痙縮・屋外歩行【はじめに】 ボツリヌス療法( 以下;BTX) は脳卒中治療ガイドライン2015 において, 痙縮に対する治療として推奨グレードA とされている. 本症例は脳出血発症後, 麻痺側上下肢筋の痙縮により屋外歩行が困難となった症例で, 痙縮に対しBTX を施行した. 本人の目標である屋外歩行の獲得に着目し, 歩容と歩行速度に改善を認めたので報告する. 尚,症例への説明と同意を得て実施した.【症例紹介】 50 歳代男性, 右被殻出血発症. 左片麻痺を呈し, 急性期・回復期病院でのリハを行い, 屋内歩行はT 字杖でダブルクレンザック足継ぎ手の支柱付き短下肢装具( 以下;SLB) を使用して自立し自宅復帰された. その後, 屋外歩行の獲得に向けて外来リハを行っていたが, 麻痺側上下肢の痙縮による歩行の不安定性は改善されず, 退院して3ヶ月後( 発症293日後)にBTXを試行する経緯となった.【評価】 回復期病院退院時( 発症195 日後);ROM( 左) 膝関節伸展-5°, 足関節背屈0°,modified Ashworth Scale( 以下mAS) 膝関節伸展筋2, 足関節底屈筋3,10m 歩行11.9秒,Timed Up and Go Test( 以下TUG)18.2 秒,6 分間歩行テスト192.8m.BTX 施行前; ROM( 左) 足関節背屈-10°,10m 歩行12.8 秒,TUG19.5 秒【方法】 BTX を試行した下肢筋への持続伸長ストレッチ, 拮抗筋の促通, 歩行訓練( 屋内・外),セルフストレッチの指導【結果・考察】 ボトックス注射2 週間後の評価ではROM 足関節背屈5°,mAS 足関節底屈筋2,TUG15.3 秒,6 分間歩行テスト248.6m と改善を認めた. 屋内・外歩行時の麻痺側遊脚期ではSLB 非装着時でもクリアランスが向上し, 引っ掛かりが消失した. 麻痺側上下肢筋の痙縮による筋緊張の亢進により, 立位・歩行時のバランスや姿勢制御が低下し運動パターンの異常が発生していたと考えられる. 筋緊張の改善と促通効果により, 振り出し時の下肢共同運動を行う中で足関節の背屈が行いやすくなり, また立脚終期に足関節背屈が出現したことにより重複歩距離の拡大が図れ, 歩行速度の改善に繋がったと考える.