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概要

抄集録

42O-083 外傷を起因とした膝関節外側支持機構の拘縮により階段降段時痛を生じた症例 大殿筋拘縮との関係西牧祐輔1),源裕介1)1)医療法人社団 錦昌会 千葉こどもとおとなの整形外科2)医療法人社団 錦昌会 千葉こどもとおとなの整形外科key words 降段動作・腸脛靭帯・大殿筋【はじめに、目的】 階段降段時痛はよくみられる症状であり, 膝蓋大腿関節(以下PFjt)の可動性低下が問題となる。外側支持機構の柔軟性低下・膝蓋下脂肪体(以下IFP)の瘢痕がPFjt由来の疼痛を引き起こすとされている。外側支持機構の拘縮に加え, 大殿筋の拘縮により階段降段時痛を助長した症例の理学療法を経験した。疼痛メカニズムと症状が改善した運動療法を, 若干の考察を加え報告する。【方法】 症例は40 代男性で, 交通事故により受傷。右肋骨骨折・右膝打撲の診断。膝前面外側に皮下出血を認めた。X-P・MRI 上異常所見は認めなかった。立位姿勢では骨盤後傾位・可動域は膝伸展-5°屈曲150°・Ober test・Ely testは陽性。VL の前後方向への滑走性も低下。圧痛はITT・VL・外側膝蓋支帯・膝蓋下脂肪体に認めた。疼痛は降段時に大腿後面外側に認めた。運動療法は外側支持機構へのストレッチなどを中心に実施したが, 階段降段時痛は残存した。再評価では大殿筋拘縮test が強陽性であったため, 大殿筋のストレッチを追加した。【結果】 大殿筋へ介入し伸展制限も改善, 階段降段時痛も直後に改善された。動作時アライメント修正を行い動作時痛は消失した。【結論】 ITT は大腿筋膜の一部であり,ITT 自体の伸張性は乏しい。ITT を構成する中殿筋・大腿筋膜張筋・大殿筋の影響を容易に受ける。三浦らによると大殿筋深層線維はITT の後部線維を構成し大腿骨外側上顆の後方を通過し大腿外側筋間中隔とも連結を持つ。立位時骨盤後傾位であり大殿筋拘縮テストは強陽性である。大殿筋が短縮した状態ではITT 後部線維の緊張は高まり膝伸展制限の原因となる。骨盤後傾位では重心を後方化し階段降段時大腿四頭筋の遠心性収縮を増強させ筋内圧の上昇を招き疼痛を引き起こしたと考える。ITT の解剖学的特徴を捉えることで大殿筋へのアプローチは有効だと考えられた。【倫理的配慮・説明と同意】 本症例には, 発表の主旨を十分に口頭で説明し同意を得ているO-084 長母趾屈筋の損傷でClaw toe 変形が後遺したが, 足関節と股関節を反復的に無痛運動し歩行を改善し得た一症例深田亮1),古川誠一郎1),天田裕子1),村田淳1)1)千葉大学医学部附属病院 リハビリテーション科key words Claw toe・長母趾屈筋・疼痛【目的】 Claw toe 変形は脳卒中や糖尿病、下腿外傷の合併症の1 つで, 足趾痛が出現し, 歩行障害をきたすことが多い. 我々は,Claw toe 変形を合併した歩行時の母趾の疼痛に対し, 運動療法と装具療法を実施し, 疼痛の消失と歩行の改善が得られた症例を経験したので報告する. 本報告については, ヘルシンキ宣言に基づき本人に説明と同意を得ている.【方法】 症例は左側下顎歯肉癌術後, Claw toe 変形を合併した47 歳男性.X 年12 月, 術後に左腓骨採取部の感染を認め,デブリドマンを施行し, 長母趾屈筋(FHL)を切除した. 足関節背屈でClaw toe が増悪したため,FHL の短縮と考え,FHL を伸張するストレッチを試みたが, Claw toe は改善しなかった. このことから,FHL の損傷と癒着が存在すると考えられた. X+1年1 月, 外来理学療法時における歩行時の疼痛はNRS8, 左足関節背屈は-5 度, 長母趾屈筋はMMT0 であった. 起居動作は自立し, 屋外歩行時のみ松葉杖を使用していた.X+1 年2 月, 屋外歩行も独歩にて徐々に行えるようになったが, 歩行時に母趾の疼痛(NRS5)を認め, 左立脚期において股関節屈曲・内転位で臀部を後方に突出し, 体幹が前傾していた. 理学療法は, 中足趾関節伸展を抑制した状態でのヒールレイズ, 片膝立ち位でのステップ中心の運動療法と装具療法として8 の字固定バンドつき足底板を使用した.【 結果】 X+1 年4 月, 左立脚期は股関節外転位で, かつ, 足底外側荷重となり, 体幹の前傾も消失し, 歩容及び歩行は著明に改善した.【考察】 Claw toe と疼痛を誘発しない運動療法を実施し, 歩行時に8 の字固定バンドつき足底板を用いたことで歩行が改善したと考えた.【結論】 筋損傷のために筋の伸張性は改善しなかったが, 理学療法介入で疼痛の消失と歩容・歩行の改善は得られる.