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概要

抄集録

39O-077 パーキンソン病に対する視床下核脳深部刺激術後、バランス障害の改善を認めた一例大橋豊1),太組一朗2),廣中浩平2),足立 好司2),三品 雅洋3)1)日本医科大学武蔵小杉病院 整形外科 理学療法室2)日本医科大学武蔵小杉病院 脳神経外科3)日本医科大学武蔵小杉病院 神経内科key words パーキンソン病・脳深部刺激療法 DBS・BBS バランス練習 後退歩行【はじめに】 パーキンソン病(PD)に対する視床下核刺激術(STN-DBS)は、PD 諸症状の全般的な改善と投薬量の減少が得られると言われているが、運動機能や平衡機能の改善は薬物療法のBEST ON を上回らないと言われている。今回BEST ON においても高度な平衡機能障害を有する患者に対し、STN-DBS 術前後に理学療法を施行、改善が見られた症例を経験したため報告する。【症例】 69 歳女性、罹患期間31 年、Hoehn-Yahr 重症度分類IV 当院にSTN-DBS 目的で入院。主症状はすくみ足、姿勢反射障害、右優位両側性運動障害。オフ時:無動、すくみ足と姿勢反射障害の増強、入院前のOFF 時は小刻み歩行とすくみ足、姿勢反射障害により易転倒性のため歩行困難であった。当院でSTN-DBS 施行後, 術後7 週で退院となる。【説明と同意】 書面と口頭にて十分な説明を行い、同意と書面上に署名を得た。【方法】 バランス評価は等薬後BEST ON でのBerg Balance Scale(BBS) で評価。運動症状はUnified Parkinson’s DiseaseRating Scale( UPDRS)Part3 得点にて評価。【理学療法介入】 週5 回、各40 分施行。内容:歩行器を使用した後退歩行、平行棒内閉脚立位バランス、立位で壁からの立ち直り練習、NuStepTRS4000 による有酸素運動、階段昇降、立位歩行練習【結果】 BBS:術前23 点→ 術後7 週43 点、UPDRS Part3:術前ON 12 点→術後7 週11 点。【考察】 本症例は十分量のL-DOPA 投薬、L-DOPA 換算量750mg(Levodopa600mg+)下のON においても、すくみ足と平衡機能障害ありADL 一部介助が必要であった。STN-DBS 術後OFF症状、BBS 点数の改善を認めた半面、UPDRS Part3 は術後3 週に最大の改善が見られたが、退院時は1 点改善に留まった。BBS 点数の改善は退院時まで緩徐に続き7 週退院時が最大であった。【結論】 BEST ON においても平衡機能障害を有する患者においては、STN-DBS 術後、バランス練習を含む理学療法併用により平衡機能の改善が得られる可能性が示唆された。O-078 視神経脊髄炎を発症し,四肢麻痺を呈した症例~有痛性強直性痙攣を考慮した理学療法の展開~高城翔太1),逆井 孝之1),松村知幸1),堀米紗織1),増田司1,2)1)東京都リハビリテーション病院 リハビリテーション部 理学療法科2)医療法人杏林会リハビリパーク板橋病院key words 視神経脊髄炎・有痛性強直性痙攣・歩行練習【はじめに】 視神経脊髄炎(neuromyelitis opitica:NMO)を発症し,四肢麻痺を呈した症例を経験した.NMO は2004 年に定義が制定され,有病率は人口10 万人あたり8 人程度といわれている.本症例では疾患特有の症状である有痛性強直性痙攣(painful tonic spasm:PTS)を考慮し理学療法を展開した.治療の代表例として,歩行練習を中心にその経過を報告する.尚,症例報告にあたりヘルシンキ宣言に則り, 対象者本人に説明し同意を得た.【症例】 60 歳代女性.歩行障害と左眼の視覚障害を発症し緊急入院(C2~C6 に炎症所見あり).ステロイドパルス,血漿交換実施後,35 病日にリハビリ目的で当院へ入院した.【初期評価:37 病日】 ASIA motor score(以下:ASIA)61/100.MMT 下肢2 ~ 3.下肢深部感覚脱失.筋緊張は体幹,右股関節周囲を中心に著しく低下.寝返り,起き上がり動作にてPTSが出現した.【理学療法介入・経過】 介入初期ではNMO 特有の症状として,PTS,易疲労性などが出現し,高負荷運動が制限された.体幹筋の強化,筋緊張の改善を狙い両側杖歩行での練習を中心に実施.125 病日頃より症状が安定したため,マットでの筋力強化練習を行った.【最終評価:182 病日】 ASIA 72/100.MMT 下肢3 ~ 4.下肢深部感覚軽度鈍麻.体幹,右股関節周囲の筋緊張改善傾向.寝返り,起き上がり動作時のPTS が消失した.【考察】 今回NMO の疾患特有のPTS が出現しないよう高負荷運動を避け理学療法をおこなった.問題点である体幹筋の促通・強化を目的とし,歩行練習を行いPTS の改善に合わせ,マットでの筋力強化練習を追加した.歩行練習時,両側杖歩行で行うことによって上下肢の交互性運動が誘発され,体幹筋の促通・強化そして筋緊張の改善につながったと考えた.