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概要

抄集録

38O-075 脊髄炎の再燃を呈した症例安定した移乗動作獲得を目指して北原悠貴1)1)医療法人 横浜平成会 平成横浜病院key words 下肢対麻痺・移乗・HAL【はじめに】 今回,脊髄炎(脊髄静脈瘻)の再燃を呈した症例に対して理学療法,及びHybrid Assist Limb(以下,HAL)訓練を実施し,身体機能,ADL の改善を認めた為,ここに報告する.尚,ヘルシンキ宣言に則り説明,同意を得た.【症例紹介】 60 歳代,女性.診断名は脊髄炎(脊髄静脈瘻)の再燃.前院にて加療を行い,発症60 日目にリハビリテーション目的で当院に転院.ASIA 運動スコア54 点,痛覚スコア64 点,触覚スコア75 点,下肢弛緩性,体幹筋MMT2,Stoke Mandeville 座位バランスPoor,下肢深部感覚脱失,FIM83 点であり,移乗動作では臀部の引っかかりを認めた.【経過・治療内容】 安定した移乗動作獲得のために下肢随意性・感覚向上を目的に体幹筋力訓練、HAL を実施した.また,減量目的にカロリー制限を設けた.最終評価においてASIA 運動スコア62 点,痛覚スコア72 点,触覚スコア78 点,下肢筋触知可能,体幹筋MMT3 ~ 4,Stoke Mandeville座位バランスFair,下肢深部感覚股関節5/5,膝関節5/5,足関節3/5,体重5.9kg の減量,FIM98 点への改善を認め,入院150 病日に自宅へ退院した.【考察】 ASIA の運動機能,感覚機能のレベルが改善した要因として,視覚的・聴覚的刺激とHAL が生成する運動により随意性の筋活動と同期した感覚刺激が得られ,筋出力,感覚が促進された.加えて段階的な抗重力運動による体幹筋力向上,減量が行えたことにより安定した座位バランス,移乗動作の獲得を認め,自宅復帰を達成することができたと考える.従来の理学療法だけではなく、ロボットを併用することでより容易に効果的な介入が行えた.HAL訓練による随意運動の出現と感覚機能の向上を認めた為,HAL による運動の出現と感覚系の賦活は,今後の理学療法において治療の幅を広げる可能であると考える.O-076 立位バランス戦略の変更が功を奏した抗MAG 抗体関連ニューロパチーの一例黒岩良太1),坂本和則1),天田裕子1),村田淳1)1)千葉大学医学部附属病院 リハビリテーション科key words 抗MAG抗体関連ニューロパチー・立位バランス戦略・体幹機能【緒言】 抗Myelin associated glycoprotein(MAG) 抗体関連ニューロパチーは,慢性進行性で免疫療法に治療抵抗性のことが多く,理学療法に関する報告は見当たらない。今回,同疾患に対し,立位バランス戦略を変更したことで運動機能が改善した症例を経験したので報告する.【症例】 X-1 年に抗MAG 抗体関連ニューロパチーと診断された61 歳の女性で,職業は事務職である。 X 年1 月にRituximab 導入目的に入院した.【倫理的配慮】 症例に説明と同意を得た.【経過】 初期評価では,四肢遠位の感覚障害を呈し, 独歩自立レベルであるがRomberg 試験陽性で立位バランス低下を認めていた.Rituximab 投与後も感覚障害は軽度増悪した.症例は 生活習慣により体幹の柔軟性が低下し足関節優位のバランス戦略になっていることに加え,下肢遠位の感覚障害のため姿勢制御が不利な状態と考えられた.そこで体幹機能に着目し立位時のバランス戦略を足関節から股関節優位へと変更するため,1)Conditioning,2) 姿勢及び運動学習,3)ADL への汎化と段階的なアプローチを実施した.特に2) 姿勢及び運動学習では,「お腹を凹ます」ように指示し抗重力姿勢で体幹筋が参加されるような誘導を徒手にて実施した.その結果,「体が安定する」自覚的な変化と 片脚立位(右/ 左)は9/8 秒から30/28 秒,Timed up and go test は6.56 秒から5.04 秒へ改善した.【考察】 体幹機能に着目したバランス戦略の変更を段階的にアプローチすることで,入力系である体幹筋の固有受容器の賦活と出力系である運動の自由度が増加し,運動機能の改善を得ることができたと考える.神経難病など症状が軽快しない場合でも,運動学的な検知から多様な姿勢制御を獲得することが重要と考える.