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概要

抄集録

37O-073 軸索型ギランバレー症候群の一症例~目標設定に留意したアプローチを目指して~谷川智也1),新田佳也子2)1)伊勢原協同病院 リハビリテーション室2)伊勢原協同病院 リハビリテーション科key words ギランバレー症候群・目標設定・歩行【はじめに】 ギランバレー症候群(以下, GBS)は入院が長期化し目標が不明瞭になりやすい傾向にある。今回, GBS 治療ガイドラインにおける予後因子に該当する軸索型GBS の症例を経験し, 目標設定に留意したアプローチを行ったので報告する。【症例紹介】 60 歳代男性。現病歴はX - 7 病日目より高熱と下痢出現。握力低下と歩行困難を認め, X 日に入院。髄液検査や電気生理学的所見から軸索型GBS と診断。急性期治療後, X+ 39 病日目に当院回復期病棟に転院。入院時所見は, Hughes らの機能的重症度分類でGrade4。MMT体幹2, 股関節2, 下腿1 ~ 2, 握力(R/L)4kg/1kg,ROM 足関節背屈左右- 5°。下肢の深部腱反射は消失。移乗は全介助, 歩行は未実施。FIM65 点。【説明と同意】 ヘルシンキ宣言を順守し, 本人へ趣旨を説明し同意を得ている。【目標および経過】 入院期間5 ヶ月とし, 退院時目標を屋内装具歩行自立と設定。2 ~ 4 週間毎に短期目標の再検討を行った。<発症2 カ月>両側KAFO 装着し, 平行棒内歩行軽介助で2 往復。<発症3 カ月>両側AFO 装着し, 歩行器歩行見守りで50m。退院時目標を屋内独歩自立と再設定。<発症4 カ月>ゲイトソリューションデザイン(以下, GSD)を作製・装着し, 両側ロフストランド杖歩行病棟内自立。<発症5 カ月>両側ロフストランド杖(GSD 装着)歩行病院内自立, 階段昇降は手すり使用し1 足1 段見守り。<退院時所見>機能的重症度分類でGrade2。 MMT 体幹3,股関節4, 下腿3, 握力18kg/8kg, ROM 足関節背屈左右10°。 下肢の深部腱反射は左右共に正常。屋内独歩自立,屋外GSD 装着し両T 杖歩行自立, 連続歩行は300m 程度。FIM119 点。【考察】 本症例に対して, 本人と話し合い短期目標を定期的に見直し共有したことが回復を自覚できる手段となり, モチベーション維持と能力向上に繋がったと考える。また, 過負荷に留意しながらもKAFO を使用した早期歩行を実施したことが, 歩行獲得に有効な手段であったと考えられる。O-074 在宅用人工呼吸器の活用で離床拡大に成功したGuillain-Barre 症候群にPropofol 注入症候群を合併した一例土井佑夏1),黒岩良太1),中村久美子1),榊原のぞみ2),吉崎智子3),網野寛3),天田裕子1),村田淳1),山中義崇3)1)千葉大学医学部附属病院 リハビリテーション科2)千葉大学医学部附属病院 看護部3)千葉大学 神経内科key words Guillain-Barre症候群・Propofol注入症候群・在宅用人工呼吸器【背景】 Propofol 注入症候群(PRIS)は著明な代謝性アシドーシス,横紋筋融解症,心不全などを呈する死亡率が高い疾患である.またGuillain-Barre 症候群(GBS)の重症例で臨床症状回復が遅延することが少なくない.今回,重症GBS にPRIS を合併し離床拡大に難渋したが,在宅用人工呼吸器の活用によりADL 拡大に成功した症例を経験をしたため報告する.なお本発表には本人の同意を得ている.【症例提示】 特記すべき既往歴のない22 歳男性.軸索型GBS に対して免疫治療を開始するも症状は進行し,第6 病日より人工呼吸器管理となり,第12 病日に当院転院となった.横紋筋融解症,両下腿コンパートメント症候群,心筋炎を併発しており,前医にて鎮静時Propofol を使用していることからPRIS と診断された.さらに高度な自律神経障害の合併もあり,全身状態は不安定で長期臥床を余儀なくされたが,第60 病日から全身状態は緩徐に改善傾向となった.呼吸機能としては呼吸苦を生じるような検査結果ではないが,自覚的な呼吸苦の訴えが強く人工呼吸器のWeaning は進まず,理学療法による離床拡大も難渋した.本人・家族を含めた関係者で話し合いを行い,第97病日から医師,臨床工学技士,看護師立ち合いの下,取り回しが楽な在宅用人工呼吸器で呼吸機能をサポートしつつ,ティルトリクライニング車椅子乗車を開始した.その後は自覚的呼吸苦が出現せず,しだいに患者の不安も解消され,第109 病日には日中人工呼吸器離脱が可能となった.第117 病日にはPT 室での起立練習が開始となり,第131 病日にリハビリテーション病院へ転院となった.【考察】 在宅用人工呼吸器の使用により安全面の担保と呼吸サポートによる効率の良い離床プログラムを推進することができた.さらに患者の精神的不安の解消にも有効であり,離床に関する成功体験を積み重ねることで活動範囲拡大や意欲向上へつながった可能性が考えられる.